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ドコモ、人気声優の「声」をAI合成&提供するサービス

NTTドコモとNTTテクノクロス、アクロスエンタテインメント、GADGETの4社は、11月6日より、NTTテクノクロスが提供する音声合成ソリューション「FutureVoice Crayon」シリーズの新サービスとして、人気声優の声を収録無しでアプリやゲームに導入できる法人向けの音声サービスを提供開始する。利用料は月額5万円。話者の追加はオプションとして1人につき月額1万円、音声利用料は声優ごとに異なる。

事前に用意した合成音声モデルを用いて、声優の「声」をクラウドサービスで提供。声優の稼働や編集の手間を削減し、いつでもどこでも声優の「声」を取得して利用できるため、最小限の手続きで自社のアプリやゲームに人気声優の「声」を活用できるとしている。

AIを活用した音声合成技術をもとに、人気声優の「声」を忠実に再現。単調な話し方ではなく、感情表現を細かく調整し、本人の話し声に近い「声」を再現できるという。ラインアップとして、花江夏樹や内田彩など、アクロスエンタテインメント所属声優陣24人の声を用意。今後、対応する声優およびキャラクターを順次拡大する。

左から花江夏樹、金田朋子、内田彩、仲村宗悟

サービスサイトでは本人の声と、サンプルボイスを聴き比べることもできる。

AI技術の発展に伴う自動音声対話技術の進歩や、コロナ禍における様々な業態での無人化・省人化への要請などにより、音声合成技術を用いて自由に発話する機能が一般化しつつあり、合成音声に対する需要の高まりとともに、合成音声の音質や、表現するキャラクターなどにも独自性を求められるなど、注目が集まっているという。

今回、ドコモ、NTTテクノクロス、アクロスエンタテインメント、GADGETの4社は、合成音声を利用したサービスに対して、多様な選択肢を与えることを目的に、このサービスを提供開始。また、このサービスにより、声優事務所にとって新たなライセンス型の収益事業分野を切り開くとしている。

人気声優を起用するには、収録のスケジュール・費用・稼働を調整する必要があり、収録後も音声の修正などに手間がかかるほか、声優事務所との権利交渉に多くの時間を要することから、利用企業にとって大きな負担になっているという。このサービスでは、基本的な権利要項について調整済みの声優の合成音声を提供。権利の調整も一部の確認事項のみでできる。

各社の役割は、ドコモがAIエージェントサービスや対話型AIサービスによる知見を活かした音声合成・対話市場の活性化、NTT テクノクロスがプラットフォームの提供、アクロスエンタテインメントが音声対話エンジンの開発、GADGETが声優事務所との調整など。