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DJI、FPVドローン参入。片手でも操作できる「DJI FPV」
2021年3月2日 23:00
DJIは2日、ゴーグルを装着して、飛行しているドローンがとらえた映像を見ながら操縦するFPVドローンに参入。最高時速140kmの「DJI FPV」を発売した。別売アクセサリーとして、片手でドローンを操作できるモーションコントローラーなどもラインナップする。価格はゴーグルやコントローラーなどがセットになったコンボが154,000円。
追加のインテリジェントフライトバッテリーと専用の充電ハブが同梱された「DJI FPV Fly More キット」は33,000円。
FPVドローンは、ユーザーがパーツで購入してドローン本体を組み立て、操縦するプロポやゴーグルも個別に購入するような製品が多いが、DJI FPVは完成済みのFPVドローン本体やゴーグルなどが全てセットになっており、購入するとすぐにフライトが楽しめるのが特徴。
また、レース用FPVドローンの高速飛行性能と、シネマティックな空撮が可能なカメラ性能を兼ね備えているのも特徴となる。
一方で、ドローン本体はモジュラー構造を採用。ジンバル、ランディングギア、トップシェルはユーザーが簡単に交換できる。
FPVドローンの特徴である高速飛行や、反転などのアクロバティックな飛行が可能な無制限の「Mモード」を備える一方で、DJIの既存のドローンと同じような、センサーを活用した安全かつ簡単操作での飛行を可能にする「Nモード」さらに、安全面の制御を効かせながら、高速飛行を可能にするハイブリッドな「Sモード」も用意する。
具体的に、「Mモード」は完全なマニュアル操作で、最高速度は前述の通り時速140km。Nモードでは最高時速は54kmに制限され、GPSやドローン底部のビジョンポジショニングシステム(VPS)を使用してその場でホバリングするなど、他のDJIドローンと同様の動作をする。フロント部には障害物検知センサーも備え、障害物を検知して機体は自動で減速する。ただし、操縦者は検知された障害物をドローンが回避するよう操作する必要がある。
Sモードの最高速度は時速97km。Nモードに近いが、制御を効かせながら高速飛行が可能。Sモードでも最大上昇速度15m/s、下降10m/sを実現しており、これはDJI MAVICの約3倍となるスピード。
姿勢制御機能を有効にして、ドローンが一定角度以上には傾かないようにして、機体が反転するのを防ぐ事もできる。
「緊急ブレーキ&ホバリング」機能も搭載。送信機のボタンを押すと、どのモードや速度でも飛行中の機体は数秒以内に停止し、その場で安定したホバリングを行なう。
コントローラーにはクルーズコントロール機能を搭載。ボタン押すと、現在の速度を維持。操縦者は上下左右・回転のみに集中して操作できる。
ドローンにはGNSS、ビジョンセンサー、TOF、LEDライトを搭載。前方の障害物を検知でき、底部向けにもセンサーを搭載。ADS-Bにより、航空機の接近をアラートとして知らせる機能も備える。「RTH(Return-to-Home)機能を使えば、ボタン一つで自動でドローンがホームポイントまで帰還する。
1,200万画素、1/2.3型のCMOSセンサーを備え、空撮も可能。1軸ジンバル機構も備え、アングル調整もできる。映像の画角は150度、4K/60p、120Mbpsでの撮影が可能で、4倍スローモーション撮影もできる。RockSteady EISテクノロジーにより、「飛行中に鮮明で非常にダイナミックな映像を捉えられる」とする。なお、150度の画角の場合、フレームレートは50fps、または100fpsとなる。
製品にはドローン本体と、「ゴーグル V2(フォームパッド付き)、「ゴーグル アンテナ」(デュアルバンド)×4、ゴーグル バッテリー×1、「送信機 V2」、コントロールスティック1組(予備)、ジンバルプロテクター×1、プロペラ1組×2(予備×1)、トップシェル(別色)×1、インテリジェント フライトバッテリー×1などがセットになっている。
ゴーグルは2型のスクリーンを採用し、144Hzのリフレッシュレートを実現。ドローンから送られてきた映像を保存するためのSDカードスロットも備えている。もう一台ゴーグルを用意して、映像を共有できる「オーディエンスモード」も利用可能。
映像の伝送には「DJI O3」(旧名称OcuSync 3.0)伝送システムを採用。28ミリ秒以下という低遅延と、最大50Mbpsの高ビットレートで、クリアな映像を最大6kmまで伝送できるという。伝送映像解像度は1,440×810ドット。伝送距離は10kmだが、日本向けの最大伝送距離は6km。デュアル周波数自動切替機能も備えるが、日本国内は2.4GHz帯のみの対応となる。
ゴーグルへの伝送は、「高品質モード」に設定すると、画角142度のFOVで60fps、または 150度のFOVで50fpsの1,440×810p動画を表示する。このモードでの遅延は40ms以下。
「低遅延モード」は、高フレームレートのシネマティックな映像を楽しみつつ、遅延時間は28ms以下に低減。142度のFOVで120fps、または150度FOVで100fpsの1,440×810pの動画を表示できる。
「DJI Virtual Flightシミュレーター」も用意。実際に飛行する前に、仮想空間で飛行の練習が可能。
スマホ向けアプリ「DJI Fly App」で、ドローンがとらえた映像のライブビュー表示や、撮影した映像の編集・シェアも可能。
片手で操作も
別売の「DJIモーションコントローラー」は、片手で握れるコンパクトサイズ。手の自然な動きで、機体を操縦できるという。
ほかにも、ジンバルカメラやトップシェル、ランディングギアなどもアクセサリーとしてラインナップする。