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国産の新ブランドclariar、カスタムIEMの音をユニバーサルへ「i640」
2021年6月18日 16:00
ミックスウェーブは、国産の新IEMブランド「clariar(クラリア)」の取扱いを開始。ブランドファーストモデル「i640(アイロクヨンレイ)」を、6月25日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は135,000円前後。
clariarは、長年カスタムインイヤーモニターの製造・開発に関わってきたエンジニアが立ち上げた国産IEMブランド。ブランド名のclarityは明瞭、鮮明、透明といった意味で、その名の通り、「現代の楽曲の音作りにも対応した、タイトで応答性の高い低域と、見通しの良い明瞭な中高域を両立させたサウンド、上質で落ち着いたデザインを纏ったインイヤーモニターを多くの人に届けるために始まった」という。
ドライバーはバランスド・アーマチュア(BA)を使っており、構成はLow×2、Low/Mid×1、Mid×1、High×2。
バスドラムの連打や打ち込みによる深みのあるキック音にも追従し、ベースラインを正確に再生するため、低域の再生能力に優れるKnowles製のベントホール付きデュアルBAドライバーを採用。「タイトで深みのある応答性の良い低域を実現した」という。
中域には質感に優れるSonion製BAドライバーと、カスタマイズされたKnowles製BAドライバーを採用。高域には伸びが良く空気感に優れるという、Knowles製デュアルBAドライバーを使っている。
何度もテストを繰り返し決定したというクロスオーバーネットワークを用いて、「透き通るようなボーカルや弦楽器の響きを余すことなく再生し、歪が少なく自然で明瞭な中高域を表現する」とのこと。
フィルターにもこだわり、「high density porous filter(h.d.p.f)」と呼ばれるものを搭載。一般的な音響抵抗フィルターに加えて、高密度特殊多孔質フィルターを多段で音導管に配置したもので、低域用ドライバーから出力される不要な帯域を効率的にカットするローパスフィルターとして使っている。これにより、位相特性や他の帯域のドライバーに影響を与えずに、中域への被りを抑えた芯の強いクリアな低域を実現。
さらに、低域の応答性を高める「rear cavity pressure optimizer」技術も投入。ベントホールを用いて、イヤフォン筐体内部の圧力を調整する事で、低域用ドライバーの振幅を最適化。低い周波数まで歪みの少なく応答性の良い低域を再生できるとする。
ワイドレンジで分離感の優れた音にするため、「composite housing structure」という技術も採用。各帯域ごとに独立した音導管を持つBAドライバーユニットホルダーを内蔵した構造になっており、それを医療用の高精度3Dプリンターで製造。
さらに、制振シリコン材を使用して筐体一体の金属製ステムと接続・固定することで、帯域間の意図しない干渉を防止。クリアでワイドレンジなサウンドを実現している。
筐体は、CNC切削加工とサンドブラスト処理を施したアノダイズドアルミニウム合金製。2つの筐体パーツをアングル形状のアクセントパーツで繋ぎとめる構造とすることで、軽量ながら高い強度を持つ。
シンプルながら特徴的なデザインに仕上げるため、オフィスチェアや音響製品などを手掛けてきた工業デザイナーも開発に参加。円と直線を組み合わせた形状とツートーンのマットカラーで仕上げている。
表面の質感や光が当たった際の陰影や面の反射がよく見えるようにサンドブラスト加工の粒度にもこだわっている。筐体はやや大きいが、カスタムIEM製造のノウハウを用いる事で、フィットの良い装着感も追求している。
イヤーピースは、acoustune製の「AET07」と、フォームタイプの「AET02」を同梱。
再生周波数特性は5Hz~25kHz。感度は97dB/mW。インピーダンスは14.2Ω@1kHz。ケーブルは着脱可能で、MMCX端子を採用。イヤフォン端子はベリリウム銅MMCXを使っている。ケーブルの長さは約120cmで、フレキシブル4コアOFCケーブルを使っている。入力プラグは3.5mmのステレオミニ。レザーキャリングケースが付属する。