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AKのオリジナルIEM「AK ZERO1」は11月12日発売。99,980円
2021年10月22日 11:00
アユートは、Astell&Kernブランド初のオリジナルIEMで、3種類の異なるドライバーを搭載した「AK ZERO1」と、付属ケーブルと同じHi-Fiグレードの純銀メッキOFC 4芯線を採用した4.4mm 5極バランスケーブル「AK PEP11」の発売日を11月12日に決定した。価格はAK ZERO1が99,980円、AK PEP11が17,980円。
AK ZERO1は、Astell&Kernならではのサウンドを実現したという初のオリジナルIEM。高度な技術を用いて特別に開発された「マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ダイナミックドライバー(PD:平面駆動ドライバー)」と、デュアルカスタムBA(バランスド・アーマチュア)、5.6mm径ダイナミックドライバーと、異なる3種類のドライバーで構成されたトリプルハイブリッドドライバーを搭載している。
マイクロ・レクタンギュラー・プラナー・ドライバーは、ヘッドホンではスケールダウンが難しいとされる平面駆動ドライバーの設計を、IEMに応用するために特別に開発。頑丈かつ軽量な平面振動膜を採用し、周波数損失を最小限に抑え、高分子膜と金属薄膜を組み合わせた複合振動板により、BA型のようなクリアさがありながら、平面上に整形されたコイルによって駆動することで、ダイナミック型のような臨場感を両立したサウンドキャラクターを実現している。
カスタム設計されたデュアルBAドライバーは、超低歪みで透明感のあるボーカルを実現。ダイナミックドライバーは、自動化されたプロセスで作られたものを使用しており、従来製法の手作業で組み上げられたものと比べ、低歪かつ豊かで深みのある低域を実現したとする。
これら3種類の異なるタイプのドライバーを「最高のクロスオーバー・ネットワーク・マネジメントで調和し、極めて自然で正確なサウンドを耳に届ける」という。3Dプリント技術で作られた音響チャンバー、精密なCNC機械加工されたメタルハウジング、取り回しのいいHi-Fiグレードの4芯純銀メッキOFCケーブルも特徴。日本の経験豊富な技術者によるハンドメイドと設備を用い、厳しい工程を経て最高の品質を実現したという。
イヤフォン側端子はMMCXで、4芯純銀コートOFCケーブルが付属する。プラグは3.5mmアンバランスで、L字。ケーブル長は約120cm。
周波数特性は25Hz~30kHz。感度は96dB@1kHz。インピーダンスは16Ω@1kHz。THDは0.7%@1kHz。シリコンイヤーピース(XS/S/M/L/XL)、ウレタンフォームイヤーピース(F)、キャリングケースが付属する。
AK PEP11は、「わずかな音の変化も見逃さない、要求の厳しいオーディオファンのニーズに応えることができる」という交換用ケーブル。AK ZERO1付属のケーブルと同じ、取り回しのいいHi-Fiグレードの4芯純銀メッキOFCケーブルを採用し、4.4mm 5極プラグでAKプレーヤーとのバランス接続に対応した。
イヤフォン側とのコネクターはMMCX。開発過程で数種類のIEMでもテストが行なわれ、あらゆるMMCXコネクター採用IEMと優れたサウンドマッチングを実現したとのこと。付属品はバンナイズ製ケーブルポーチ。
ファーストインプレッション
外観からしてソリッドな雰囲気のイヤフォンだが、その期待を裏切らない、非常にハイスピードでシャープなサウンドだ。分解能の高さや、音場の透明感は特筆すべきレベルで、あらゆる音がクリアに聴き取れる。繊細な描写が可能な平面駆動ドライバーの効果が大きいのだろう。
驚かされるのは、平面駆動ドライバー、デュアルBA、さらにダイナミック型と、異なる3種類のドライバーを組み合わせていながら、帯域における音色の違いや繋がりの不自然さなどを一切感じさせない部分だ。1種類のドライバーで再生しているかのように、見事にサウンドが融合し、ワイドレンジかつトランジェントの良い描写にまとめあげている。
もう1つ驚くのは、これだけ分解能が高くてシャープでありながら、キツ過ぎたり、描写が冷たすぎない点だ。アコースティックな楽曲や女性ボーカルでは、低域の豊かな響きや声の湿度などを、情感豊かに聴かせる能力も備えている。情報量の多さと、聴いていて楽しい、旨味のあるサウンドを見事に両立している。