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「アニメ聖地88」選定、「エヴァ」宇部市や「スーパーカブ」など116カ所
2021年12月15日 19:00
一般社団法人アニメツーリズム協会は15日、2022年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を発表。「スーパーカブ」の舞台となっている山梨県北杜市や、「さよなら私のクラマー」の埼玉県蕨市、「やくならマグカップも」の岐阜県多治見市、「白い砂のアクアトープ」の沖縄県南城市など、88作品に登場する“アニメ聖地”116カ所が選定された。
訪れてみたい日本のアニメ聖地88は、世界で人気の日本のアニメを地域創生や新たなインバウンド需要に結びつける活動として、2017年8月に発表した2018年版よりスタート。国内外のアニメファンを対象にしたWeb投票から選定を行なうもの。
昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年版を2021年版として掲載していたが、今年は6月下旬から11月30日までWeb投票と、新たな試みとしてアニメ聖地に投票箱を設置したリアル投票を実施。これらを集計した上位作品をベースに権利者や地方自治体と協議し、2022年版が選定された。
今回選定されたのは、アニメ88作品で登場する116カ所と、アニメ関連イベントなどが行なわれた施設26カ所の計142カ所。2022年度版で新たに認定された聖地は21カ所で、そのうち3カ所は2021年版以前に認定された「エヴァンゲリオン」シリーズと「ゆるキャン△」シリーズに登場した新たな聖地となっている
- 埼玉県秩父市
「空の青さを知る人よ」 - 埼玉県蕨市
「さよなら私のクラマー」 - 千葉県銚子市
「アマガミSS」シリーズ - 千葉県館山市
「戦翼のシグルドリーヴァ」 - 東京都港区(お台場)
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」 - 東京都江東区
「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」 - 東京都渋谷区
「ラブライブ!スーパースター!!」 - 東京都小金井市
「おちこぼれフルーツタルト」 - 東京都神津島村
「ラブライブ!スーパースター!!」 - 山梨県北杜市
「スーパーカブ」 - 岐阜県多治見市
「やくならマグカップも」 - 岐阜県白川村
「ひぐらしのなく頃に」 - 鳥取県倉吉市
「宇崎ちゃんは遊びたい!」 - 鳥取県三朝市
「宇崎ちゃんは遊びたい!」 - 高知県越知町
「竜とそばかすの姫」 - 熊本県芦北市
「放課後ていぼう日誌」 - 沖縄県石垣市
「恋する小惑星」 - 沖縄県南城市
「白い砂のアクアトープ」 - 東京都豊島区
豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
2022年版で新たに認定された聖地
- 静岡県浜松市
「エヴァンゲリオン」シリーズ
「ゆるキャン△」シリーズ - 山口県宇部市
「エヴァンゲリオン」シリーズ
2021年版以前から認定されていた作品に登場した新たな聖地
発表会では、自身もアニメ好きで認定作品はほとんど視聴済みだというニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと、協会公式キャラクター「じゅんれいちゃん」の声も担当している声優 大野柚布子さんがMCとして登壇。今年の投票結果について説明した。
投票が中止となった昨年に引き続き、今年の投票においても新型コロナウイルスの影響が結果に大きく現われた。2020年版まで半数以上を占めていた海外投票率が激減し、総投票率も2020年版と比較して2022年版は50%まで落ち込んだという。一方で、国内投票数だけに絞ると105%増の約31,000票を記録。
聖地に「行ってみたい」「行ってみた」率を比較すると、首都圏から遠い地域の作品聖地に「行ってみた」率はコロナ禍前の選定作品と比べて低下したが、首都圏近郊の「行ってみた」率が10月の緊急事態宣言解除以降に急激にアップし、近場観光が急激に回復中の一般的な観光トレンドとリンクしているとした。
新たに認定された作品の聖地から、「スーパーカブ」の山梨県北杜市、「さよなら私のクラマー」の埼玉県蕨市、「竜とそばかすの姫」の高知県高岡群越知町、「白い砂のアクアトープ」の沖縄県南城市の市長/町長が登壇し、聖地や関連する地元の魅力を語った。
蕨市の頼髙英男市長は、市内で19日まで開催している「さよなら私のクラマー」展が好調なことや、市内で作品と連携した新たな取り組みとして、ウォーキングマップを制作中であることをアピール。沖縄県南城市の瑞慶覧長敏市長は、現在市内で発行している「白い砂のアクアトープ」の登場キャラクターが描かれた特別住民票を掲げながら、今後、アニメふるさと納税と連携し、寄付金を使って聖地に関する保全活動を行なっていくと述べた。
「やくならマグカップも」の岐阜県多治見市からは、古川雅典市長とともに、アニメの原作となったフリーペーパーの発行を手掛けたプラネットの小池和人会長も登壇。古川市長は多治見氏について、陶器の全国のシェアの6割を作っている陶芸の町で、1つ500万円の抹茶茶碗を作る人間国宝は4人出ているとし、「作ることは非常に上手いが、売ることが下手なのが岐阜県多治見市」と述べ、笑いを誘った。
作品については、前半15分がアニメーション、後半15分が実写版という手法を取ったことで、双方からの魅力の発信で「多治見市に行ってみたい」という人が増えたとし、「アニメで町おこしができ、聖地巡礼で人を動かすことができた」とコメントした。
発表会の閉会後は、アニメツーリズム協会会長の富野由悠季氏から各自治体の代表者に認定証が贈呈された。