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Amazon「Echo Show 15」は“一家のまとめ役”。ビジュアルIDが魅力

4月7日より発売開始する、Amazonの新デバイス「Echo Show 15」。15.6型の画面に様々な情報を表示でき、さらに壁掛けや別売専用スタンドによる縦・横向きで利用できるのも特徴の製品だ。価格は29,980円。

発売を前に、アマゾンジャパンはオンライン説明会を開催。Amazon.comでAlexaデバイス バイスプレジデントを務めるネディム・フレスコ氏が同製品の魅力を語った。

ネディム氏は、Amazonデバイスのビジョンとして重要な指標としてきたものは「アンビエントコンピューティング」だったと説明。

そして、「我々は、ユーザーの生活をより快適にして、ライフスタイルに適用するテクノロジーを開発することを目指してきました。例えば、スマホがどこにあるかわからず、カバンの中を探るという行為は手間がかかりますし、知りたい情報が即座に調べられません。ですから、ユーザーが自宅に帰ってきたら、インテリジェントなデバイスがユーザーが必要とする情報や行動を理解し、代わりにアクションすることが必要と考えました。次のデバイスには、家庭の中にあるカレンダーや付箋といった情報を共有したり、それらを整理・接続し、加えてエンターテイメントにも使えるものを創造しました」と、Echo Show 15の開発背景を話した。

その結果、「Echo Show 15は様々なAlexaの機能を搭載し、“一家のまとめ役”として家族の暮らしの中心となるデバイスに設計されている」という。

縦向き、横向きのどちらでも利用できる

Echo Show 15の画面サイズは15.6型で、タッチスクリーンをサポート。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。家族と共有したい情報や、動画配信などのエンターテイメントを高精細に表示でき、横向き・縦向きどちらでも使用できる。また壁掛け用アイテムとして、穴を残さずに壁掛けを実現する専用アクセサリー「壁美人」(別売)も用意する。ネディム氏は「情報を一目で確認できる大きいデバイスでありながら、家のインテリアにも自然に溶け込むデザインになっている」と話す。

ウィジェット機能では、家族のカレンダーや個人の予定などをホーム画面に表示可能。ゴミ出しなどの毎週のリマインダーを教えてくれたり、買い物リストやメモを継続的に表示することができる。またユーザーの入室を感知し、電気を付けたり、朝のニュースを流したりできるほか、知人の訪問時にはフルスクリーンで写真を表示するフォトフレーム機能も備える。ウィジェットはユーザーの好みにカスタマイズすることも可能。

「わたしの家庭では、家族で共有できるカレンダー機能が最も人気があります。家族の誰もがカレンダーに予定を追加でき、全員で共有し、確認することができます。また毎週のタスクをシンプルにするためにTo Doリストと買い物リストのウィジェットを別々に用意し、家族全員が各項目に別々に追加したり、削除したりできるようにしています。付箋も人気のウィジェットで、例えば夕食に帰ってくる時間をAlexaに話しかけるだけで、Echo Show 15上に表示されます」(ネディム氏)。

Alexaデバイス バイスプレジデント ネディム・フレスコ氏

ウィジェットに関しては、開発者が独自のものを構築できるように開放するという。既にクックパッドが、レシピを見ながら簡単に料理ができるウィジェットを発表しているとのこと。タイマーを設定するとスクリーン上に表示され、レシピを表示しながら邪魔にならないように表示位置を移動させることもできるという。

また、Echo Show 15では、「よく使うスマートホーム」のウィジェットも新たに用意。これはタップするだけで、よく使うスマートホーム家電の状態確認や操作ができるもので、照明のオンオフやPinPでAlexa対応カメラのライブ映像が確認できる。

エンターテイメント機能としては、各種映像配信サービスに対応するほか、Alexaに話しかけることで音楽やPodcastを再生したり、Audibleを聴くことも可能。ミュージック&オーディオのウィジェットを使えば、最近再生した音楽や新しい曲、オススメの曲をデバイス上に表示する事ができる。

Echo Show 15には、クアッドコアの拡張性あるアーキテクチャを採用した機械学習・次世代型のAmazon AZ2ニューラルエッジプロセッサを搭載。オンデバイスでの音声処理については日本未対応だが、ビジュアルIDはEcho Show 15で登録された人物を認識し、オンデバイスでイメージ処理することが可能。

具体的には、ビジュアルIDによりカメラの前にいる人物を認識し、その人向けのカレンダーやその人向けに送られたメモ、再生された音楽などを自動で表示する事ができるようになっている。このビジュアルID機能は、Echo Show 15だけでなく、Echo Show 10・8でも利用できるようになるという。

ビジュアルIDがカメラの前にいる人物を認識。その人向けのカレンダーやその人向けに送られたメモ、再生された音楽などを自動で表示することができる

さらに今年初めには、デバイスのスピーカーから発せられる超音波信号とコンピュータビジョン技術を用いた定型アクション機能を日本のEchoシリーズにも実装。同機能を有効にすると、ユーザーがデバイスの近くにいることを検知すると、話しかけることなく、自動で照明などの電源をオンにしたり、天気やニュースを読み上げたりといった定型アクションを設定できる。

また、幼児の泣き声やペットの鳴き声、人の咳といった特定の音を検知することも可能。幼児の泣き声を検知したら、寝室の照明を付けるなどのアクションも設定できるという。

Echo Show 15では、プライバシー保護もサポート。ほかのEchoデバイス同様に、マイク・カメラのON/OFFボタンや、音声録音の削除機能も搭載。内蔵カメラを物理的に覆うためのカバーを備えている。

ネディム氏は「我々はユーザーのプライバシー保護を前提に、ビジュアルID機能を構築しました。すべての処理はデバイス上で行なわれています。ビジュアルID機能はオプションであり、利用の際には事前登録が必要。ビジュアルID用のプロファイルは、デバイスやAlexaアプリからいつでも削除できるようになっています。Echo Show 15は、アンビエントホームを考える上で大きな一歩となりました。Amazonでは日々、デバイス、ウィジェット、Alexaを進化させ続けています。今後Echo Show 15を日本の皆さまに提供できることを嬉しく思います」と語った。