ミニレビュー
壁掛け大画面、Amazon「Echo Show 15」触ってみた
2022年4月5日 15:35
Amazonが4月7日より発売する新デバイス「Echo Show 15」。15.6型の大画面にPrime Videoを表示したり、ウィジェットとして天気予報、付せん、買い物リストなど、好きな情報を表示できる。壁掛けも可能で、家族とのコミュニケーションにも活用できるのが特徴だ。価格は29,980円。その実機に触れるマスコミ向け体験会があったため、実際の使用感をレポートする。
外形寸法は402×252×35mm(縦×横×厚さ)。ディスプレイは15.6型で、解像度は1,920× 1,080ドットのフルHD。実物を目にしたサイズ感としては、”タブレットとPC用ディスプレイの中間”といったイメージだ。
標準で壁掛け金具が付属するほか、別売で「Echo Show 15専用スタンド」も3,980円で販売される。このスタンドに固定すると、外観的には小さなPC用ディスプレイといった雰囲気になる(ただし、この製品に映像入力端子は無い)。このスタンドは、横向きだけでなく縦向きも可能。チルト機構も備えており、柔軟に好きな向きに固定できるため、便利そうだ。
Echo Show 15最大の特徴と言えるのは壁掛けできる事だが、標準付属の金具を使う場合は、金具を壁にネジ止めする必要がある。賃貸の家ではハードルが高くなるため、もう1つの壁掛け手段として、別売となるがEcho Show 15専用の「壁美人壁掛け金具」も3,480円で用意している。
この金具は、家庭にある180度開くホッチキスを使い、石膏ボード壁に取り付けられるもの。ホッチキスの穴は小さいため、ネジ穴のような大きな穴を開けずに壁掛けできる。ただし、石膏ボード壁でも、硬質な壁には取り付けできないので注意が必要だ。
Echo Show 15はバッテリーを搭載していないため、ACアダプタを接続する必要があるが、壁掛け利用時にはケーブルの長さが足りなくなることも考えられる。そこで、Echo Show 15用延長コードも販売されている。
ディスプレイには情報だけでなく、Amazon Photosに保存している写真を、デジタルフォトフレームとして表示する機能も備えているので、壁掛けする事で、Echo Show 15をインテリアとして活用する事も可能になる。
ビジュアルIDで利用者を認識し、最適な情報を表示
スペック面での特徴は、次世代型Amazon「AZ2」ニューラル・エッジ・プロセッサを搭載している事。機械学習ベースの音声モデルを従来製品よりも大幅に高速処理できるのが特徴で、従来は膨大なクラウド上で行なう必要があったコンピュータービジョン(CV)アルゴリズムを、デバイス上で高速に処理できるほか、内蔵カメラで撮影した映像をネットに送信しないため、プライバシー保護の面でも優れている。
プライバシー面では、ほかのEchoデバイス同様に、マイク・カメラのON/OFFボタンや、音声録音の削除機能も搭載。内蔵カメラを物理的に覆うカバーも備えている。
このプロセッサも活用した機能として「ビジュアルID」を搭載。Echo Show 15の前に立つと、カメラでその人物を捉え、誰なのかをEcho Show 15が認識。その人に合わせた情報を、ホーム画面に表示してくれる。
家族一人ずつのプロフィールを予め作成し、ビジュアルIDを登録しておけば、各自がEcho Show 15の前に立つだけで、自分用のカレンダー、自分宛に送られたメモ、Amazon Musicで最近再生した音楽の履歴などを表示してくれる。履歴が表示されるのは、Amazon MusicとSpotifyのみだ。
また、このビジュアルID機能はEcho Show 15だけでなく、Echo Show 10やEcho Show 8でも近日利用できるようになる予定。
実際にビジュアルIDを登録した人がEcho Show 15の前に立つと、即座に認識され、ホーム画面のウィジェットが、その人に最適化された内容に切り替わる。ウィジェットは現時点で12種類用意されており、その中から好きなものを6個までホーム画面に表示可能。
個人的な内容だけでなく、家族にメモを残したり、ファミリーカレンダーで家族の予定を確認するといった使い方も可能。個人的な情報に加え、家族とのコミュニケーションに使えるところも特徴。
Alexaスキル「クックパッド」もAmazon Echo Show 15で利用できるため、キッチンに設置し、レシピや材料、調理の手順を確認することも可能だ。
対応するスマートホーム製品をホーム画面に追加して、Echo Show 15の画面にタッチするだけで、部屋のライトをONにしたり、別の部屋で眠っている赤ちゃんの見守りカメラ映像をEcho Show 15に表示したり、別の部屋のスマートスピーカーから音楽を再生させるといった使い方も可能。
カメラのライブ映像はPinP(小画面)でも表示できるため、天気予報や、クックパッドの献立情報を見ながら、赤ちゃんの様子をカメラ映像で確認するといった使い方もできる。
また、パブリックベータ版の機能となるが、こららの機能を連動させ、「赤ちゃんが泣き出したら、その鳴き声を検知し、赤ちゃんがいる部屋のスマートスピーカーから子守唄を流し、対応するサーキュレーターが動作を開始、Echo Show 15の画面に見守りカメラの映像を表示させる……」といった動作を、自動で行なうこともできる。
部屋に人がいるかどうかを検出し、連携したライトをONにするといった機能も備えている。
映像や音のクオリティは?
AV Watch的にはディスプレイや内蔵スピーカーのクオリティも気になるところだが、Echo Show 15のディスプレイ表示はクオリティが高く、また15.6型とある程度の大きさがあるため、Prime VideoやYouTubeの動画再生でも迫力が感じられる。
さらに、スピーカーは背面の左右両端に搭載しており、音の広がりも良好。壁掛けすると、壁に音が反射する事で、より広がりが感じられた。なお、ディスプレイを縦向きにした場合は、上下スピーカーからモノラル再生される。
例えば、テーブルの上にEcho Show 15をスタンドを用いて設置し、そこで映画やドラマを楽しむといった使い方もアリだろう。壁掛けの場合は、立ったまま映像を見るというのはあまりなさそうなので、音楽やミュージックビデオなどをBGM的に再生すると良さそうだ。
一方で、バッテリは内蔵していないので、タブレットのように自分の近くに引き寄せて鑑賞する使い方はできない。やはり、家族と共用しつつ、パーソナルな情報も確認できるデバイスとして使うのがマッチしそうだ。