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VESA、PCモニターの可変リフレッシュレート性能に標準規格
2022年5月10日 11:59
Video Electronics Standards Association(VESA)は、ゲームやメディア再生用PCモニターとノートPCディスプレイの可変リフレッシュレート性能に関する、業界初の標準規格「VESA Adaptive-Sync Display Compliance Test Specification(Adaptive-Sync Display CTS)」を策定した。あわせて認証製品が使用できるロゴも発表した。
Adaptive-Sync Display CTSは、50以上のテスト基準、自動テスト方法、VESAのAdaptive-SyncプロトコルをサポートするPCモニターとラップトップに対する性能の義務付けを「包括的かつ厳格に規定するもの」。より高いリフレッシュレートと低遅延を実現するゲーム向けの「AdaptiveSync Display」、すべての国際放送ビデオフォーマットに対応するジッターフリーメディア再生向け「MediaSync Display」のふたつで構成される。
Adaptive-Sync Display CTSでは、リフレッシュレート、フリッカー、グレー・トゥ・グレーの応答時間(高品位画像を保証するオーバーシュートとアンダーシュートの制限を含む)、ビデオフレームドロップ、ビデオフレームレートジッターなど、いくつかの主要変数をカバーする50以上の自動ディスプレイ性能テストを含んでおり、実際のユーザー使用環境に近づけるべく、すべてのディスプレイは工場出荷状態、またはデフォルトの工場モード構成、室温にて試験が行なわれる。
またVESAは、それぞれのロゴプログラムも制定しており、消費者は購入前にAdaptive-Sync対応ディスプレイの可変リフレッシュレートを容易に識別・比較できるようになる。このうちゲーム向けのVESA AdaptiveSync Displayロゴには、ネイティブ解像度での工場出荷時の設定でテストした場合に、Adaptive-Sync動作で達成可能な最大ビデオフレームレートを示す値が含まれる。
一方、VESA Certified MediaSync Displayについては、高フレームレートよりもジッターやフリッカーがないことに重点を置いて認証されるため、ロゴに関連する性能のランク付けはない。
どちらもロゴ認証の要件を満たすためには、Adaptive-Sync Display CTSに加えてVESAのDisplayPort規格のテストと認証を受ける必要もある。
この標準規格とロゴプログラムは、ディスプレイ、グラフィックカード、CPU、パネル、ディスプレイドライバおよびその他のコンポーネントを供給する主要OEMを含む、ディスプレイ・エコシステムの20以上のVESA会員企業により、2年以上の開発期間を経て確立。
LGの電子でIT開発部門担当バイスプレジデントを務めるSeok Ho Jang氏は「VESAが、急成長するゲーム市場にAdaptive-Sync Display規格を発表したことで、ゲーム用モニターカテゴリーにさらなるイノベーションが期待できると考えています」とコメントしている。
「LG UltraGearブランドは、VESA AdaptiveSync Displayの認証を取得した初のモニターとして高い評価を得ているLG UltraGear 27GP950および27GP850があり、初期から関与していることを誇りに思っています。また、LGは2022年の新モデルを予定しており、VESAの性能試験で要求される高い基準を満たすだけでなく、今日の消費者の期待や多様なニーズに応えることができると確信しています」
AdaptiveSync Display CTSを担当する、VESAディスプレイパフォーマンスメトリックスタスクグループのチェアであり、HDRおよびアダプティブシンクディスプレイ技術に関するIntel Corporationの代表を務めるRoland Wooster氏は、「AdaptiveSync Display CTSは、8年前にAdaptiveSyncのプロトコルを導入して以来、VESAが築いてきた基礎に基づいています。この規格は、ゲームやメディア再生用に購入するディスプレイが、適切なGPUと組み合わされたときに、明確に定義された画面前性能の最低基準を満たすことを消費者に保証する、ロゴプログラムに裏付けられた業界全体のオープンな規格を提供するものです」と語っている。