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Netflix、浦沢直樹「PLUTO」アニメ化。'23年独占配信

Netflix シリーズ「PLUTO」2023年独占配信

Netflixは、漫画の父と称される手塚治虫の「鉄腕アトム」の一遍「地上最大のロボット」を原案に、鬼才・浦沢直樹が描き上げた漫画「PLUTO」をアニメ化。2023年に独占配信する。あわせて、制作決定PVも公開され、物語の主人公であるユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトと、彼が追うある事件に関わるアトムとウランという二人のロボットも描かれている。

「20世紀少年」や「YAWARA!」「MASTERキートン」など数々のヒット作を生み出している浦沢が、長年作品を共につくってきた長崎尚志をプロデューサーに迎え、葛藤しながら描き上げた「PLUTO」。人間と高性能ロボットが完全に共生する近未来で起こる上質なサスペンスドラマは、手塚治虫文化賞マンガ大賞をはじめ、2011年アングレーム国際漫画フェスティバルにてインタージェネレーション賞を、その他ACBDアジア賞を受賞するなど国内外高い評価を得た。

アニメ化にあたっては、制作プロデュースをジェンコが、アニメーション制作をスタジオM2が担当。映画「この世界の片隅に」で数々の映画賞に輝いた企画・プロデューサー陣が再集結し、エグゼクティブプロデューサーとして真木太郎、丸山正雄が名を連ねる。

制作決定PVに登場したキャラクターたちのキャストも発表されており、ゲジヒト役に藤真秀、アトム役に日笠陽子、ウラン役に鈴木みのりが抜擢された。

誕生から20年となる同作のアニメ化にあたり、浦沢は「今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな『心の作品』の誕生に心躍っています。今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように」と自らの創作時を振り返りながら、世界へ「PLUTO」を届けることに期待を寄せた。

また原作プロデュースを手掛けた長崎氏も「『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ」とコメント。

そして父・手塚治虫の意思を継いで、本作の監修を務める手塚眞氏は「これは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ」と語っている。

さらに、3月25~26日に東京ビッグサイトで開催される「AnimeJapan 2023」に、原作者の浦沢が初参加することも決定した。3月25日の「BLUE STAGE」で行なわれる「ネトフリアニメ スペシャルステージ」に浦沢とキャスト陣が登壇する。このステージでは、PLUTO以外の2023年配信開始となる期待の新作発表も予定されている。

Netflix「PLUTO」制作決定PV
浦沢直樹 コメント

60年前の発表以来、その言いようのない切なさに私の心が揺さぶられたように、多くの人の「心の漫画」となった「鉄腕アトム」の挿話「地上最大のロボット」。
この作品のリメイクがいかに難事業かを身をもって知る私は、今回のアニメ化に挑むスタッフの皆さんの勇気に心から拍手を送るとともに、新たな「心の作品」の誕生に心躍っています。
今こそ手塚治虫さんのメッセージが世界中に届きますように。

長崎尚志 コメント

60 年前、『PLUTO』の原作『地上最大のロボット』が誕生した。
最強の戦闘能力を持つロボット達が競う物語だったが、これまでのアトムにはこの手の対戦形式の作品はなく、当時の少年達は熱狂した。アトムファンというより『地上最大のロボット』ファンの誕生だ。
その渦中にいた私は、この作品が単に誰が強いかを描いた作品ではなく、もっと深い何かを伝えたいのではないか、と感じていた。そして『PLUTO』に挑んだ時、答えが出た。手塚治虫は預言者だったのだ。
現代、我々が直面している戦争とは、東西の文化や考え方の違いを理解し、尊重しなかった結果である。
『PLUTO』はその手塚哲学を受け継ぎ、ただ反戦を訴えるのではなく、そこには痛みがともなうこと……それでも平和しかないということを世に問いたい作品なのだ。

手塚眞 コメント

ついに、やっと、『PLUTO』がアニメになる。いつかこれは映像にされるべきだと思っていた。
何度も企画が立ち上がりまた消えていったのは、その内容の難易度の故だ。確かにハードルが高いしかしだからこそ挑戦のしがいがある本物中の「本物」だ。
そしてこれは新しい浦沢アニメであると同時に、新しい手塚アニメでもある。
アニメの進化形をどのように見せてくれるか、とても楽しみだ。