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デノンHi-Fi初のHDMI搭載、ネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」

ネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」グラファイトシルバー

デノンは、HDMI端子も搭載したネットワークプレーヤー「DNP-2000NE」を6月中旬に発売する。価格は275,000円。カラーはプレミアムシルバーに加え、グラファイトシルバーも用意する。

DL103を含むレコードプレーヤーの名機を手掛け、世界初のCDプレーヤーも開発した“プレーヤーメーカー”のデノンが、ストリーミングサービスや、テレビをプレーヤーとした音楽再生、ハイレゾデータ音源などを、純粋に楽しむための本格的Hi-Fiオーディオプレーヤーとして開発。「入門機や複合機では飽きたらないオーディオファンのシステムを生かす最新の専用ネットワークオーディオプレーヤー」として作り込んだのがDNP-2000NEだという。

「DNP-2000NE」プレミアムシルバー

また、デノンは2020年に110周年記念モデルとして、AVアンプの「AVC-A110」、プリメインアンプ「PMA-A110」、SACDプレーヤー「DCD-A110」を発売しているが、DNP-2000NEにはこのA110で培った技術も多数投入。

110周年記念モデルに専用のネットワークプレーヤーは存在しなかったが、価格帯として上位クラスのA110シリーズや、下位の1700NEシリーズとも組み合わせやすい、橋渡し的な存在としてDNP-2000NEは作られた。そのため、通常レギュラーモデルでは採用されない、A110と同じグラファイトシルバーのカラーバリエーションも用意。A110シリーズと、外観としても組み合わせやすくなっている。

「DNP-2000NE」グラファイトシルバー

HDMI端子も搭載

Amazon Music HDやAWA、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスを再生できるほか、NASなどに保存した音楽ファイルをLAN経由で再生したり、PCとUSB接続し、USB DACとしても動作する。

様々なデジタルソースを再生可能

さらに、デノンのHi-Fiオーディオコンポとしては初めてHDMI端子を装備。HDMI ARCをサポートしており、対応テレビとHDMIケーブルで接続し、テレビの音をDNP-2000NEから出力可能。テレビに接続されたその他のプレーヤーやゲーム機の音声も、DNP-2000NEを接続したHi-Fiシステムから高音質再生できる。

背面。HDMI端子を供えている

HDMI CECにも対応しており、可変出力と固定出力を装備。テレビとの電源の連動や入力ソースの自動切り替え、テレビのリモコンでの可変出力の音量操作も可能。また、DNP-2000NEとIRコントロール端子を備えるデノンのプリメインアンプとIRケーブルで接続すると、アンプの電源や入力ソース、音量も同様に連携できる。なお、音量操作はアンプ側のボリュームが電動制御可能である必要がある。

テレビの設置イメージ
テレビのリモコンだけで、Hi-Fiシステムから音が出せる

この連携機能により、テレビのリモコンだけでHi-Fiシステムから音を出せるようになるため、「お父さんがいないと、他の家族が誰も使えなかったHi-Fiシステム」を、「家族がテレビを楽しむ時に、いい音が楽しめるHi-Fiシステム」へと変える製品にもなるという。

可変出力と固定出力を装備

ネットワークプレーヤーとUSB DAC機能

ネットワークオーディオのプラットフォーム「HEOS」を搭載。ストリーミングサービスやインターネットラジオ、LAN上のミュージックサーバーやUSBメモリーに保存した音源も再生可能。Bluetooth受信やAirPlay 2にも対応。Amazon Alexaによる音声コントロールにも対応する。

Amazon Music HDやAWA、Spotify、SoundCloudなど音楽ストリーミングサービスに対応。インターネットラジオはTuneInのデータベースからジャンルや地域、言語などをもとに検索できる。

再生対応ファイルは、DSDが5.6MHzまで、PCMは192kHz/24bitまで対応。DSD、WAV、FLAC、Apple Losslessファイルのギャップレス再生にも対応する。

USB DACとして使う場合は、DSDは11.2MHz、PCMは384kHz/32bitまで対応。PC側のジッターを多く含んだクロックを使用せず、DNP-2000NEの超低位相雑音クロック発振器によって生成されるマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードにも対応。

PCやテレビなどのソース機器から音声信号と共に流入するノイズや、DNP-2000NEのデジタルオーディオ回路から発生する高周波ノイズのアナログオーディオ回路への流入を排除するアイソレーション回路も搭載。デジタル回路とアナログ回路の電気的な結合が遮断され、ノイズを含まないクリーンな音声信号のみが伝送される回路構成になっている。

また、192kHz/24bit PCMに対応した光デジタル入力2系統、同軸デジタル入力1系統、および光デジタル出力1系統、同軸デジタル出力1系統も備えている。

ESS DACをクアッドDACで搭載

デノンのアナログ波形再生技術、最新かつ最上位バージョンである「Ultra AL32 Processing」を搭載。PCM信号に対して、前世代の2倍となる最大1.536MHzへのアップサンプリングと32bitへのビット拡張処理を実施。独自のビット拡張、データ補間アルゴリズムにより前後のデータの離散値からあるべき点を導き出し、本来のアナログ波形を再現する理想的な補間処理を行なうという。

Ultra AL32 Processing

DAC部分には、110周年記念モデル「DCD-A110」と同様に、クアッドDAC構成を採用。新たにESSの32bit対応DAC「ES9018K2M」を左右チャンネルにそれぞれ2基(4ch)ずつ、合計4基(8ch)使用。Ultra AL32 Processingによりアップサンプリングされた1.536MHzの信号を半分の768kHzに分割し、2基(4ch)の差動電流出力型DACに入力。片チャンネルあたり4chのDACを用いる並列構成により、4倍の電流出力を得ることが可能になり、6dBのSN比向上とよりエネルギッシュなサウンドを実現した。

ESSの32bit対応DAC「ES9018K2M」を左右チャンネルにそれぞれ2基(4ch)ずつ、合計4基(8ch)使用

DACの出力を受けるI/V変換アンプ回路には、OPアンプを使わず、サウンドマスターが厳選した高音質パーツやSX1 LIMITED EDITION譲りのカスタムパーツを搭載したフルディスクリート回路を採用。ディスクリート構成としたことで、回路構成の自由度が高まり、個々のパーツに至るまでの徹底したサウンドチューニングを可能とし、その結果として、「サウンドマスター(山内慎一氏)の理想とするVivid&Spaciousなサウンドが実現された」という。

ハイエンドSACDプレーヤー「DCD-SX1 LIMITED EDITION」や110周年記念モデル「DCD-A110」などの上級機専用であった最高級のPPSC-Xコンデンサーもアナログオーディオ出力回路に投入。

音質担当エンジニアとサウンドマスターが部品メーカーの協力の下、長い期間をかけて作り上げてきたデノン独自のカスタムパーツも多数採用。カーボン被膜抵抗やメルフ抵抗、導電性高分子コンデンサーなどの高品位なパーツを随所に用いることで、「圧倒的な高解像度とどこまでも広がるサウンドステージを両立するデノンサウンドを実現している」という。

サウンドマスター山内慎一氏

DACに供給するクロックの精度を最優先するため、DACの近傍にクロック発振器を配置。DACをマスター、周辺回路をスレーブとしてクロック供給を行なうことでD/A変換の精度を高めるDACマスタークロックデザインも採用。44.1kHz系、48kHz系、2つの超低位相雑音クロック発振器をソースのサンプリング周波数に応じて切り替え、ジッターリデューサーも用いてジッターを抑制している。

DACマスタークロックデザイン

電源トランスには、安定した電源供給のためにDNP-2500NEで実績のある高出力EIコアトランスをベースに、DNP-2000NEに合わせてカスタマイズされた専用品を搭載。取り扱う信号の性質が異なるデジタル回路とアナログ回路の電源をトランスから完全に独立させた2トランス構成として、相互干渉とノイズの回り込みを排除した。

強固なスチール製トランスベースを介して大きな質量を持つシャーシに取り付けることで周辺回路への不要な振動の伝搬を防止している。

デジタル回路とアナログ回路の電源をトランスから完全に独立させた2トランス構成

前述の通り、RCAのアナログ出力はボリューム固定、可変を供えており、固定出力には真鍮削り出しのハイグレードな出力端子を装備。固定出力、可変出力共に高級ケーブルの大型プラグの接続が容易にできるよう、十分な間隔を空けて配置され、経年劣化を防止する金メッキ処理も施されている。

筐体には、内部、外部の不要振動を排除し、音質を向上させるダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクションを採用。スチール製のメインシャーシの下にボトムプレートを加て低重心化と高剛性化を図り、メインシャーシとヒートシンクの間にもトランスベースを追加し振動の伝搬を防止している。

ノイズ対策に銅プレートを巻き付けているが、このサイズや巻き付け場所も、多数の失敗から得られたノウハウだという

DDFAではないが、厳選した高性能オペアンプやオーディオグレードのコンデンサー、メルフ抵抗など、高品位なパーツを贅沢に使用したヘッドフォンアンプを搭載。ハイインピーダンスなヘッドフォンでも最適な音量が得られるように3段階のゲイン切り替え機能も備えている。

ヘッドフォンアンプにもこだわっている

デジタル音声入力はHDMI ARC×1、USB-B×1、光デジタル×2、同軸デジタル×1、フロントUSB-A×1。アナログ音声出力は、アンバランス×2(ボリューム固定/可変)、ヘッドフォン×1。デジタル音声出力は、光デジタル×1、同軸デジタル×1。外形寸法はアンテナを寝かせた状態で434×421×107mm(幅×奥行き×高さ)、重量は9.7kg。

DNP-2000NE発売記念、AudioQuest高音質ケーブルプレゼントも

5月19日から、「DNP-2000NE発売記念 AudioQuest高音質ケーブル プレゼントキャンペーン」も実施。7月31日までの対象購入期間中に、DNP-2000NEを購入し、キャンペーンに応募すると、全員にAudioQuestのケーブルをプレゼント。

プレゼント賞品は以下から選べる。AudioQuestは米カリフォルニア州に本拠を置く高級ケーブルブランドで、同社のケーブルはデノンの製品開発用試聴室においてリファレンスケーブルとして使用されている。

  • HDMIケーブル Cinnamon 48/1.5m(CIN48G/1.5M) 22,000円
  • USBケーブル Carbon/1.5m/A to B(USB2/CAR/1.5M) 25,300円
  • インターコネクトケーブルRed River/1.5m(REDRIVER/1M/RCA) 25,300円

応募方法などの詳細は、デノンのWebサイトを参照のこと。