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VERTERE、新Groove Runner Sアーム搭載のレコードプレーヤー

レコードプレーヤー「DG-1S PKG」

タクトシュトックは、英VARTERE(ヴァルテレ)の新製品として、レコードプレーヤー「DG-1S PKG」とフォノアンプ「PHONO-1 MK II L」を25日より発売する。価格は、プレーヤーが99万円、アンプが29.7万円。プレーヤーは、カートリッジとマットが付属した発売記念20セット限定商品「DG-1S PKG SABRE」(104.5万円)も用意する。

発売記念20セット限定商品「DG-1S PKG SABRE」
DG-1S PKGに、MMカートリッジ「SABRE MM」(27.5万円)、ターンテーブル用マット「TECHNO MAT」(3.85万円)を付属したもの

DG-1S PKG

レコードプレーヤー「DG-1S PKG」

フラット形状をした、VERTERE独自のトーンアーム「Groove Runner S」を採用。従来アームは剛性のためにチューブを使用するも、共鳴を抑えるためのダンピング加工が必要などコストと手間を要したが、接着2重5層無共振ポリマーにより、諸問題を回避。トップ・ビームとロワー・ビームの接着とリベット留めにより、最適な剛性とリニアな抵抗ダンピングを実現した。

また、従来配線の代わりにフレキシブルPCBをアームに挟み込みこむことで、カートリッジから出力端子まで信号をシールドして伝送する事が可能になったという。

ベアリング部には、ツイストナイロン(数百本の太さ3ミクロンのツイストナイロン)と、高強度ケブラー糸を用いたSilent Thread Bearings(サイレント・スレッドベアリング)を搭載。水平方向の動きにはツイストナイロン、垂直方向の動きには2本のケブラー糸を使用することで、過去に使用していたボールレースやジンバル・タイプのベアリングに変わるシンプルな構造を実現。

従来ベアリングのようなスティクション(動きに対する初期抵抗)がなく、超軽量でノイズレス。さらにナイロン糸のねじれが、他の可動部や摺動部なしに軸上でスマートに調整可能なアンチスケート力を提供。これらのベアリング形状により、再生中にカートリッジに最適な支持剛性を持ち、より高価な設計でのみ達成可能なダイナミクスを保証する、と謳う。

アジマス調整ネジ付きステンレス製カウンター・ウェイトと共に、サブウェイトをアーム自体に搭載しているのも特徴。針圧の微調整だけでなく、共振周波数とアーム自体の有効質量も搭載カートリッジに合わせて調整可能とした。

スピンドルは精密硬化ステンレススチール製で、軸受けは真鍮製。ハウジング内にはタングステンカーバイド製ボールを設置することで、ベアリングアッセンブリが低ノイズ、低ランブル、高回転安定性と共にダイナミックレンジと解像度を向上させ、より静かなバックグランドを提供するという。

フラッグシップであるRG-1 リファレンス・モーター・ドライブのために開発されたものと同様のモーターを採用。他のトラジ製プレーヤーと同様、ベルト張力の変化等を吸収するためにモーターボディが動く独自構造を踏襲するほか、銅箔/ステンレススチール製カバーが内外干渉を遮断し高い性能を誇るとする。

メインプラッターはアルミ合金製で、上部にはPETG(熱可塑性ポリマー)製レコード・インターフェースを接着。底面にはコルク/ネオプレン/ニトリル製ディスクを備え、共振をコントロールしつつプラッターが不用意に台座に触れることで生じる偶発的な損傷からアクリル製筐体を保護する事にも繋げている。

メインプリンスとサブプリンスに非共振鋳造アクリルを使用した3層サンドイッチ構造で、プラッターを含むサブプリンスはメインプリンスから隔離する6つの特注シリコン・ラバー・サスペンションを組み込むことで、効果的にモーターとその他をアイソレートしている。

対応速度は33 1/3、45 RPM(±0.2%)。ダストカバーを含む外形寸法は469×384×150mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約8.0kg。

PHONO-1 MK II L

あらゆる高品質プレーヤーから「最大限のダイナミックレンジと最高のディテールを引き出す工夫」を盛り込んだという、主宰者トラジ・モグハダム氏の設計によるフォノアンプ。カラーはシルバーとブラック。

シルバー
ブラック

メインフォノ回路と電源トランスには、高品質な金メッキ基板を採用しオーディオ信号への影響を最小限に抑制。選別された高品位部品の採用や、音質に優れたハンダを吟味して使用することで、長期間にわたって安定した性能を維持するという。

RIAA回路とプリアンプ回路の絶縁を高めるべく、ステンレス製のシールドを採用。すべての電源部品と回路はメインカバーのシールド外に配置し、信号経路から離すなど音質最優先の設計とした。

本体底面には、左右チャンネル毎に15種類の抵抗値と9種類のキャパシタンス(静電)容量を設定できるディップスイッチを搭載。完璧なロードマッチングができるよう、MMとMC両方のあらゆるカートリッジのパフォーマンスを最大限発揮できるという。10種類以上のゲイン設定もスイッチで行なえる。

プリアンプとシャーシの接続が選べる「ハード・グラウンド」、「グラウンド・リフト」、「ソフト・グラウンド」の3ウェイスイッチを用意。また必要に応じて信号グラウンド端子も装備など、様々なハムノイズ対策ができる設計としている。

背面