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アップル製品にAI機能「Apple Intelligence」。画像生成や写真背景の削除など
2024年6月11日 04:49
米Appleは、現地時間6月10日に行なった開発者向け会議「WWDC」の基調講演で、今秋に提供予定のiOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaに関する情報を発表した。各OSには「Apple Intelligence」と名付けられたAI機能が統合される。今秋に一部がベータ版として英語(米国)で提供。iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、M1以降を搭載したiPadとMacで、Siriとデバイスの言語を英語(米国)に設定している場合に利用できるようになる。追加言語は来年中に公開される予定。
Apple Intelligenceは、iPhoneやiPad、Macに搭載されているAppleシリコンを活用して、言語や画像を理解して生成したり、複数のアプリにわたってアクションを実行したり、個人的な背景にもとづいて、日々のタスクをシンプルにしてよりすばやくこなすことが可能。
Apple Intelligenceを使った新しい画像機能では、Image Playgroundにより、ユーザーは、アニメーション、イラスト、スケッチの3つのスタイルから選んで、数秒で画像を生成可能。メッセージなどのアプリで利用できるほか、専用アプリでも使える。
写真アプリのメモリーでは、ユーザーが説明を入力するだけで見たいストーリーを作成できる。Apple Intelligenceは、説明にもとづいて写真とビデオを選び、写真から特定されたテーマにもとづいてチャプターに分かれたストーリーラインを作成し、独自の流れのある物語のムービーに仕上げてくれる。新しいクリーンアップツールを使って、被写体を誤って改変することなく、写真の背景にある不要な対象物を特定して削除することも可能になる。
Apple Intelligenceの基礎はデバイス上の処理で、それを動かすモデルの多くは完全にデバイス上で実行。より多くの処理能力が必要となる複雑なリクエストを実行する場合は、Appleシリコン搭載サーバー「Private Cloud Compute」を活用することで、演算能力を柔軟に拡張でき、より大規模なサーバベースモデルを利用可能。
Private Cloud Compute使用時も、Apple製デバイスのプライバシーとセキュリティをクラウドにまで拡大するため、Appleはデータが保持されたり、露呈されないようにするため、プライバシーにも配慮。
独立した専門家がAppleシリコン搭載のサーバ上で実行されるコードを調べてプライバシーが保護されているかを検証できるほか、Private Cloud Computeの暗号化により、ソフトウェアのログが調査のために公開されていない限り、iPhone、iPad、Macがサーバと通信できないようになっているという。
Siriや、Appleのプラットフォーム全体にわたってシステム全体に組み込まれた記述ツールにはChatGPTへのアクセスを統合。ユーザーはツール間を行き来することなく、ChatGPTの専門知識や画像と文書を理解する機能にアクセスできる。
iOS 18
iOS 18では、ホーム画面とロック画面、コントロールセンターのカスタマイズ性が向上。ホーム画面ではウィジェットやアプリアイコンを自由に配置できるようになり、アクセス性を高められるほか、壁紙を邪魔しないアイコン配置などができる。アプリアイコンとウィジェットは、ダークや色合いのエフェクトで新しい外観にすることもできる。
また、ロック画面下部に表示されているフラッシュライトとカメラのショートカットボタンのカスタマイズ可能。
写真アプリも「過去最大のデザイン変更」により刷新される。シンプルになった1つのビューにおなじみのグリッドが表示され、新しいコレクションにより、ユーザーはコンテンツをアルバムに整理しなくても、テーマごとにブラウズすることができる。簡単にお気に入りにアクセスできるようにコレクションを固定することもできる。
新たにゲームモードも搭載。フレームレートを維持するためにバックグラウンド処理を最小限に抑えてゲーム体験を向上させるほか、AirPodsやワイヤレスコントローラーの反応も「驚くほど向上させる」という。
そのほか、今秋提供予定のAirPods向け新ソフトウェアで利用可能になる、首の動きによるSiriへの応答などにも対応する。
iPadOS 18
計算メモを備えた計算機アプリが登場。ユーザーが数式をタイプ、または手書きで記述すると、瞬時に数式の答えが自分の手書きで表示される。ユーザー個人の手書きの見た目と感覚はそのままに、手書きメモを一段と読みやすくするという「スマートスクリプト」も利用できるようになる。
タブバーも再設計され、アプリのコンテンツの上にフローティング形式で配置。サイドバーを補完して、よく使うタブにすぐアクセスできるようにしながら、ユーザーが最も重要なことに集中できるようにするという。再設計されたタブバーを使ってタブの順序を並べ替えたり、サイドバーから別のタブを追加することも可能。
そのほかiOS 18と同じくホーム画面やロック画面、コントロールセンターの柔軟なカスタマイズ、再設計された写真アプリ、ゲームモードなども利用可能。