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シャープ、既存のテレビにAIパートナー召喚。CRIのゲーミング立体音響体験

シャープブースのAI Partner

幕張メッセにて、10月15日より「CEATEC 2024」が開幕。開催期間は18日までで、入場料は無料だが、来場事前登録が必要となる。ここではシャープやCRI WAREなどのブースからAV関連展示のレポートをお届けする。

シャープは既存のテレビにAI Partner

既存のテレビに専用ユニットを装着

シャープのブースでは、カメラやマイクを搭載したユニットを取り付けることで、既存のテレビにAIアバターを表示して、テレビを見ながら会話したり、ネット通販や旅行手配などができるAI Partnerを展示。

展示では、テレビに向かって手を振ることでホーム画面を表示でき、「動画を観たい」と声をかけると、画面上のアバターが動画を提案してくれる。「この動画にしよう」とまた声をかけることで、動画の再生が始まるとともに、アバターが動画の内容に応じて会話をしてくれる。展示ではサッカーの試合の様子を試聴したため、「どちらが勝つと思う?」と聞いてみると、「どちらも強いチームなので予想できないよ」と言ったような返事が返ってきた。

AI Partnerが一緒に動画を観てくれる

アバターのカスタマイズを音声操作で行なえる機能も予定している。展示ではアバターの切り替えのみ対応しているが、将来的には話した条件に合わせてアバターを制作できることを目指す。

アバターの変更も対応
小柄な少年アバターに

また、物品の購入や旅行手配など、様々な生活サービスの提供が行なえるようにしたいという。

電子インクを使用した電子ペーパーディスプレイ「ePoster」も展示。屋外設置に対応したA0サイズを参考展示しているほか、屋内用の新製品として開発中のA2サイズも展示している。

A0サイズのePoster

参考出品のA0サイズは、A2サイズと同じディスプレイを4枚組み合わせたものを使用。屋外設置に対応するため、防塵防水性と、対紫外線などの加工を施しているという。ePosterは表示の切替を除いて電力を使用しないため、ソーラーパネルによる太陽光発電で電力を確保。低消費電力のIoTコネクトモジュールを搭載し、無線通信に対応し、離れた場所から表示を制御できる。

A2サイズのePoster
A2サイズのディスプレイを1枚のガラスに貼り付けることでA0サイズを実現
無線通信を実現するIoTコネクトモジュール

表示の切り替えも従来の20秒から15秒に短縮。5秒の違いではあるが、切り替えの際に、従来の全面が点滅する方式から、画面の左から右にかけて流れるアニメーションのような方式に変更することで、数値以上に早く切り替わっているように感じられる。なお、中央の十時のラインは、配線の都合上発生してしまうものだが、今後細くなるように改善していくとのこと。

CRI

CRIの立体音響体験ブース

CRI・ミドルウェアのブースでは、同社のコア技術をまとめた「CRI WARE」が活用されている最新ゲームや、将来的な実装を目指した車向けのメーターパネル、小型のフルデジタル音響システム「CRI SOLIDAS」などを展示している。

CRI SOLIDASの展示

音響の体験ブースも備えており、中ではゲーム向けの立体音響システム「CRI ADX × Sound xR」を体験できる。パイオニアのゲーミングスピーカー「SOUND TECTOR」の内部をCRIが開発しており、このシリーズ3台を組み合わせた試聴となっている。

SOUND TECTORの基板はCRIが開発
体験ブース内
TQ-FG3000
TQ-RG3000
TQ-WG3000

また、4つのスピーカーで立体音響を実現することを目指しているといい、通常のフロント×2、リア×2の構成と、フロント×2、フロントハイト×2による立体音響再生の違いも試聴できる。

実際に聴いてみると、どちらも前後左右の広さは感じられるのだが、後者のフロント×2、フロントハイト×2の構成は、音が大分高い位置に定位しており、頭上で音が鳴っているように感じられた。

ラトビアのスピーカーブランド「ARETAI」や、JVCのウッドコーン

オーディオ関連では、ラトビアのスピーカーブランドARETAIが、ブックシェルフ型の「Contra 100S」を展示。外観の特徴は、ウェーブガイド構造のツイーターと、フロント・リアに2基ウーファーを備えていること。密閉型の構造で、タイトな低域再生と、広がりのある高域再生を実現し、部屋のどこに居ても同じ音で聴こえるという。

Contra 100S
背面。こちらにもウーファーが

実際にブースで聴いてみると、イベント会場というあまりスピーカーに適していない状況ながら、ドーム状の音の空間に居るような感覚になる。左右にずれても中高域の音が偏らずに同じ印象に聴こえる。部屋などで再生すると、壁からの反響なども利用するとのことなので、また整った環境でも聴いてみたい。

そのほか、JVCのブース(JVCケンウッドとは別のブース)では、ビクターのウッドコーンユニットを搭載した一体型システムを限定15台で対面販売中。実店舗販売やネット通販も行なっていないモデルで、価格は30万円とのこと。