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ソナス・ファベール、初代のデザイン継承しながら新技術投入「Concertino G4」。メイン構造にコルク採用

2024東京インターナショナルオーディオショウで展示された「Concertino G4」

ノアは、ソナス・ファベールの新ブックシェルフスピーカー「Concertino G4」を2月14日に発売する。価格はペア759,000円、後述する数量限定「Concertino G4 "Maestro Edition"」は同814,000円。推奨スピーカースタンド「Stand Iron G2」は同242,000円。

推奨スピーカースタンド「Stand Iron G2」と組み合わせたところ

コンチェルティーノ登場から30周年、伝統的デザインと新技術が融合させたという新モデル。オリジナルのキャビネット・デザインコンセプトを継承しながら、培ってきた技術を基に改良。フロント・バッフルを傾斜させる事で高域と中低域のタイム・アライメントを図りながら、前後のキャビネットの平行面をなくし定在波の低減させている。

キャビネットの側面にはウォルナットの無垢材を使用。不要振動を抑制させながら天然木が持つ本来のサウンドを再生するという。

なお、従来モデルはフロント・バスレフポートだったが、G4ではリア・バスレフポートに変更。ドライバーユニットの背圧はキャビネット背面に排出される事で、低域成分の補完する。

G4ではリア・バスレフポートに変更

フラッグシップ “シュプレーマ”のために開発された新たな技術を踏襲し、キャビネットのメイン構造としては同社初となるコルクを採用。コルクには素材自体に共振が少なく、固有の優れた吸音特性も備えているため、キャビネット内部に配する吸音材を必要最低限に抑えられる。その結果、キャビネットの応答性を高める事が可能となり、ドライバーユニットは機械的損失の少ない理想的な環境で駆動、解像度の向上や音の繋がりがよりシームレスになるとのこと。

2ウェイ2スピーカーで、ツイーターは28mm径アローポイントDADシルク・ソフトドーム型、ミッド・ウーファーは135mm径コーン型(ナチュラル・ファブリック)。クロスオーバー周波数は1,700Hz、周波数特性は60Hz~25kHz。出力音圧レベルは85dBSPL(2.83V/1m)。公称インピーダンスは4Ω。

ツィーターは、ソナス・ファベールの代名詞とも言える独自のアローポイントDAD(Damped ApexDome)テクノロジーを採用した28mm径ソフトシルクドーム。ソフトドームの頂点をダンピングさせることでボイスコイルの逆相挙動を抑制し、音場の広がり音の透明度を向上させている。

ミッド・ウーファーはカスタムメイドの135mm径で、セルロース・パルプを乾燥・圧縮させた独自の振動板を再y方。天然素材ならではの色付けのないナチュラルなサウンドが特徴という。磁気回路にはフェライトマグネットを使用。濁りの無い伸びる低域再生を実現した。

ミッド・ウーファーのバスケット部には、シュプレーマやストラディヴァリ G2に採用された新設計のOrganic Basketを採用。ネットワーク設計も進化させ、ユニットを正確な位相で駆動させながら、ホログラフィックなステージ感を発揮できるという。回路構成は出来る限りシンプルにして、優れた音響特性を持つコルクを使用したキャビネット、新たに導入したレザー、サイドパネルのウォルナット材、ドライバーユニットと、調和がとれたサウンドとしている。

バイワイヤリング対応のスピーカー端子を採用。キャビネットには、イタリアのスタートアップ企業Ohoskinが製造する、特許取得済みの新開発レザーを使っている。

バイワイヤリング対応のスピーカー端子を採用
新開発レザーを使っている

なお、Concertinoの発売から30年周年を記念するリミテッド・エディションとして、初回生産分となる世界300ペア限定でConcertino G4“Maestro Edition”も発売。日本国内においては30ペアを用意する。このモデルでは、サイドパネルの片側側面にシリアル番号が印字された真鍮製のプレートを装着。伝統的なソフトグランド・エッチングによって生み出される“Concertino G4”の版画も付属する。

外形寸法と重量は214×297×314mm(幅×奥行き×高さ)、6.6kg。Stand Iron G2搭載時は270×320×1,044mm(同)で、14.5g。