マランツ、オリジナルメカ搭載のSACDプレーヤー上位機
-単体DAC利用も可能な「SA-13S2」。262,500円
株式会社マランツ コンシューマー マーケティングは、オリジナルメカを搭載したSACD/CDプレーヤー「SA-13S2」を5月下旬より発売する。価格は262,500円。
2008年発売のミドルクラスSACDプレーヤー「SA-15S2」の上位モデルと位置付けており、SA-15S2をベースにさらに高品位なパーツを投入して、音質向上を図っているという。海外市場では「SA-KI-Pearl」の名称で「marantz/K.I. Signature series」30周年モデルとして発売する。
内部構造 |
SACDと音楽CD、MP3/WMAファイルを記録したCD-R/RWの再生にも対応。なお、SACDはステレオまでで、5.1chなどのマルチチャンネル出力は備えていない。
オリジナルメカエンジン「SACDM-10」を搭載。メカモジュールのベースに、高い制振性を持つザイロンを採用し、再生音への影響を排除。台座部分を2mm厚の鋼板で強固に固定し、回転部の振動がシャーシや基板に伝わるのを防ぐとともに、ノイズ輻射を軽減している。
トップカバーは5mm厚のアルミ製で、筺体の剛性を高めて振動を抑制。シャーシの鋼板には銅メッキを施し、高い周波数におけるインピーダンス低減によってオーディオ帯域外のデジタルノイズなどを減衰させる。底板にはさらに1.5mm厚の黒塗装鋼板を追加し、2層構造にすることで剛性を向上した。
独自の高速電圧増幅モジュールHDAMを採用。SA-13S2に搭載したのは、ローノイズで低歪みフィルター回路にディファレンシャル入力のHDAM。さらに、それを高速に送り出すために最上位SACDプレーヤーSA-7S1で採用されたHDAM-SA2も搭載。HDAMとHDAM-SA2をハイブリッド使用することで、低歪、ローノイズ、ハイスピードを徹底する。電源トランスは銅メッキシールド封入のトロイダルトランスを搭載している。
DACはシーラスロジック製の「CS4398」。SACDのDSD信号を処理するだけでなく、内蔵するダイナミック・エレメント・マッチング回路により、CDの16bit PCM信号も高精度に処理できるという。
また、リアパネルに光デジタル入力を装備。外部出力をもつデジタル機器と接続することでSA-13S2を単体DACとしても利用できる。最高24bit/96kHzまでの信号を入力可能。SACDとCD/DACモード再生時にそれぞれ専用の2種類のフィルタ特性を用意。SACDについては、ダイレクトモードとDSDフィルタモードが用意されている。
フィルタ種類 | SACD | CD/DACモード |
FIL1(出荷時) | ダイレクトモード ※DSDデータをフィルタリングせず、記録信号をストレートに再現 | 非対称型フィルター (スローロールオフ) ※音の情報量が多く、滑らかで音場感に優れる |
FIL2 | DSDフィルターモード ※音場の広さや奥行き、音の定位を明確に再現 | 非対称型フィルター (シャープロールオフ) ※明瞭度が高く、音の実体感に優れる |
背面 |
再生周波数特性は2Hz~100kHz(SACD)/2Hz~20kHz(CD)。ダイナミックレンジは112dB(SACD)/100dB以上(CD)、S/Nは110dB。
出力端子はアナログ音声×1(RCA)と光デジタル×1、ヘッドフォン出力。ヘッドフォン出力には専用のバッファアンプを配し、相互干渉を排除。ふらつきのない安定した再生音を実現している。アナログ出力端子は真鍮の削り出しピンジャックを採用している。入力端子は光デジタル×1。リモートコントロール端子も備えている。
消費電力は20W。外形寸法は440×419×127mm(幅×奥行き×高さ)、重量は14.5kg。マランツ製プリメインアンプの操作が可能なリモコンも付属する。
(2009年 5月 15日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]