JVCケンウッド、2008年度通期決算を発表

-第4四半期の在庫過多が響き赤字に


4月28日発表


 JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社は、2008年度通期連結決算を発表した。売上高は3,097億7,100万円、営業利益は1億700万円だが、経常損失は68億900万円、純損失も187億9,500万円と赤字となった。2008年10月に日本ビクターとケンウッドの経営統合により発足以来初の決算となる。

 売上高は、構造改革による事業の譲渡や終息、不採算事業の絞り込みの影響などや円高の影響により予想を下回った。

 営業利益は、景気悪化の影響による販売減少と円高が減益要因となった。特に第4四半期には在庫過多に対処するため、国内/海外工場の一時帰休を実施して旧製品の販売促進などを図った。しかし、価格下落による損益悪化と、在庫の影響により、市販向けカーエレクトロニクスやビデオカメラの発売がずれ込んだため、損益改善が遅れたという。

 一方、経営統合と同時に開始した収益構造改革によるコスト削減(約90億円)やコストシナジー効果(約14億円)、経営統合による会計上の効果(14億円)など合計118億円の効果を創出。営業利益を確保したという。なお、構造改革費用やビクターにおける国内民生液晶テレビの大幅縮小による特別損失などにより、純損失は187億9,500万円となった。

 セグメントごとでは、カーエレクトロニクス分野が売上高922億3,700万円、営業損失は41億8,200万円、ホーム&モバイルエレクトロニクスでは売上高1,038億8,500万円、営業利益7,400万円となった。業務用システムは売上高が787億5,800万円、営業利益が45億5,200万円。

 カーエレクトロニクスは、世界主要都市におけるシェアが拡大。市販向けカーマルチメディア分野ではGarminとの協業によるAV一体型ナビが海外で好調に推移したという。しかし、在庫過多による価格下落とともに、新製品投入の遅れにより、損益改善も遅れたとする。

 ホーム&モバイルエレクトロニクスは、ディスプレイ分野における国内事業の大幅縮小などにより損益改善はおおむね計画通りに推移したという。ビデオカメラはHD製品の強化によりシェア拡大したが、カーエレクトロニクスと同様に第4四半期に在庫が拡大。新製品の投入が遅れたこともあり、損益が悪化したという。


(2009年 4月 28日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]