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iSOUND、5,000円を切るイヤフォンでフラットな音を追求した「IX3000」

 iSOUNDは、「MUIX」ブランドのカナル型(耳栓型)イヤフォン「IX3000」を10月17日より発売する。一部店舗で先行販売され、価格はオープンプライス。店頭予想価格は4,480円前後。一般販売は12月を予定している。カラーはブラックとレッド、ホワイトの3色を用意する。

IX3000(ホワイト)
IX3000(ブラック)
IX3000(レッド)
IX3000(ホワイト)
ハウジングはアルミ製。「BALANCED DYNAMIC SOUND」と書かれている

 10.1mm径のダイナミック型ユニットを搭載したイヤフォン。iSOUNDは、ダイナミック型やバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバ搭載イヤフォンなどのOEMを手掛けている韓国のメーカー。新イヤフォンの「IX3000」は、自社ブランドであるMUIX(ミュイクス)の第1弾製品だが、これまで同社が培ったイヤフォン製造の技術を投入したモデルとなっている。今後、上位モデルなどのラインナップ拡大も予定しているという。ブランド名のMUIXは、「SOUND」と「Minimize」を組み合わせた言葉。

ヘッドフォンなどを評価するサイトのGolden Earsによる周波数特性の測定結果

 ハウジングはアルミ製。低域の強調などは行なわず、フラットで原音に忠実な音質を追求しているのが特徴。「ハイレゾの環境が整ってきている現在にマッチした音源そのものの楽しさを感じることができる」としている。再生周波数帯域は20Hz~20kHz。感度は103dB/mW、インピーダンスは24Ω。

 ケーブルはフラットタイプで、iOS/Android対応のリモコンも装備。曲の再生/一時停止や、曲送り/戻し、iPhoneなどのSiri呼び出しが行なえる。ケーブルと端子の接続部分には、断線防止の仕上げを施している。プラグは4極のステレオミニ。

イヤーピースを外したところ
プラグは4極ステレオミニ
ケーブルはフラットタイプで、リモコンも装備
ブラックモデルの付属イヤーピース
レッドモデルのイヤーピースはカラーが異なる
パッケージ(ブラックモデル)

聴いてみる

 ウォークマン「NW-F887」に接続して試聴してみた。まず驚くのは低域から高域までのシャープな音の再現性。低域は派手に色づけするのではなく、深く沈みながらもタイトにコントロールされており、女性ボーカル曲でもドラムやベースが前に出過ぎず、メインとなるボーカルを下支えする心地よいバランスで聴かせる。今回聴いた中では弦楽器との相性がかなり良く、溝口肇らによるチェロ・クインテットの「Prelude Five」を聴くと、腹に響く低音から、伸びやかな高域まで、複雑に折り重なった5人の演奏を丁寧に描き分けていた。

 ダイナミック型のシングルドライバで、5,000円を切る価格からここまでの音は想像できなかったが、あえてメーカーとしての個性や流行に囚われず、フラットな音質を追求していることが聴いてみてよく分かった。今後製品化されるという上位モデルも気になるが、今回のIX3000も競争相手が多いこの価格帯で十分な存在感を持つ注目の1台だ。

(中林暁)