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フィリピンで地デジ日本方式による渋滞情報配信システムを実証実験

 総務省は、地デジ日本方式(ISDB-T)の利点を活かした、交通渋滞の情報配信システム実証実験をフィリピン共和国で実施する。そのために2015年度に実施する調査事業の実施公募者を開始した。

渋滞情報配信システムの概念イメージ(出典:総務省)

 実証実験は、データ放送を活用した渋滞配信システムの導入可能性を調査するもので、フィリピンの国営放送「People's Television」と協力して行なう。

 新興国では経済発展に伴う自動車の増加により、都市部での交通渋滞が激化しており、ドライバーが最新の渋滞状況を容易に把握できるICTシステムへのニーズが高まっている。

 日本国内においては、渋滞情報をFM多重放送等で送信し、カーナビで情報表示するVICSがすでに実用化されているが、フィリピンにおける今回の実験は、地デジ日本方式のデータ放送の機能を使った渋滞情報配信システムの導入可能性の調査が目的となる。具体的には、渋滞情報配信システムの現地ニーズの把握、システムモデルやビジネスモデルの検討、マニラ首都圏での実証実験などが予定されている。

 総務省では、こうした調査により、フィリピンにおける地デジ放送の普及と渋滞情報配信システムの導入を推進し、日本のICT分野の国際競争力強化を目指すとしている。

(臼田勤哉)