ニュース

JBL、“AI Sound Boost”で音が進化したPARTYBOXスピーカー3機種

左から「PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2」、「PARTYBOX 520」

ハーマンインターナショナルは、JBLブランドのPARTYBOXシリーズスピーカーの新モデルとして、いずれも「AI Sound Boost」を搭載し、リアルタイムの制動により音質を高めた「PARTYBOX 520」と「PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2」、さらに直販限定の「PARTYBOX ENCORE 2」の3モデルを7月31日に発売する。価格はオープンで、市場想定売価は以下の通り。

  • PARTYBOX 520 121,000円前後
  • PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2 38,500円前後
  • PARTYBOX ENCORE 2 49,500円前後

文科省の新学習指導要項によりダンスが中学校で必修化されたことなどから、ダンス人口は2025年には1,100万人に達する見込みで、学校やダンススクールなどで、ポータブルかつ大音量が出せるオーディオのニーズが上昇。ライブ・エンタテイメント市場がコロナ禍前を上回る規模になるなど、人が集まって行動する生活が平常化している事なども受け、進化したPARTYBOX新モデルを投入する。

3機種に共通する特徴として、AI Sound Boostを搭載。これは、各製品に搭載しているユニットの動きや、パワーレスポンスを踏まえて、入力された音楽信号をリアルタイムに分析。各製品のユニットの能力を最大限に発揮できるよう、大音量でもユニットが歪まないように、最適化して駆動する技術。同技術は大量の音楽データをAIに学習させる事で実現している。

3製品は、体育館や屋外などでも使えるように、いずれも迫力あるサウンドが再生できる製品だが、このAI Sound Boostにより、大音量再生でもクリアでパワフルな高音質再生が可能になったという。

PARTYBOX 520

PARTYBOX 520

PARTYBOX 520は、縦長の筐体に2基の19cmウーファーユニットと、2基の2.5cmツイーターを搭載。PARTYBOX 520単体で、バレーボールコート2面分のエリアをカバーできるという、400Wの大出力を実現。それでいて、前述のAI Sound Boostによってリアルタイムの制動を行ない、音のクリアさも追求している。

ユーザーからの要望を踏まえ、搭載するバッテリーで最大15時間の長時間再生が可能。さらに、バッテリーは背面から交換ができるようになっており、直販サイトでバッテリーだけ追加で購入することも可能。急速充電にも対応し、10分の充電で2時間の再生ができる。

バッテリーは背面から交換ができる

Bluetooth受信に加え、USB-C経由でオーディオデバイスや、スマホ/タブレット、パソコンと接続し、それらのサウンドを再生可能。背面にはマイクやDJI機器も接続できるXLRコンボジャックも2系統備えている。マイクだけでなく、ギターを接続することも可能。

マルチスピーカー接続にも対応し、2台を連携させ、ワイヤレスステレオ再生も可能。Auracast対応のJBL製品と、複数接続し、連携して再生することもできる。

IPX4準拠の防沫性能を実現。筐体には、人体工学に基づいた伸縮式のロック式ハンドルを備え、底部にはホイールも搭載。スーツケースのように移動させることもできる。

JBL PARTYBOXアプリに対応し、イルミネーションの色味やパターンを細かくカスタマイズ可能。イコライザー設定も変更できる。

JBL PARTYBOXアプリでは、再生している音楽にエフェクトをかけることも可能で、簡易的なDJ気分も味わえるようになっている。

イルミネーションの色味やパターンを細かくカスタマイズ可能
アプリからエフェクトをかけてDJのようなプレイを楽しんだり、イコライジングも可能

PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2

PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2

バーベキューや屋外フェス、車でのキャンプなど、アクティブな趣味を持つ音楽愛好家に向けて開発されたモデル。片手で持ち上げられるコンパクトさがありながら、100Wの大出力で、「テニスコート半面分をカバーできる」という。

ユニットは、13cmウーファーを1基搭載。20mmシルクドームツイーターは2基搭載。AI Sound Boostも搭載する。

バッテリー持続時間が、前モデルの6時間から、2.5倍となる15時間にパワーアップ。急速充電も可能で、10分の充電で80分の再生が可能。バッテリー交換にも対応はしているが、ユーザーが交換するのではなく、バッテリーが劣化した際に、サービスセンターでの交換対応となる。

人体工学に基づいて、重量の分布を計算し、負担のかからないようにデザインしたハンドルを装備。IPX4準拠の防沫にも対応する。

Bluetooth接続に加え、Auracastにも対応し、対応する複数のJBL製品との接続が可能。2台を使い、ワイヤレスステレオ再生も可能。

JBL PARTYBOXアプリに対応し、イルミネーションの色味やパターンを細かくカスタマイズ可能。イコライザー設定も変更できる。

アプリからイルミネーションのカスタマイズができる

Bluetooth受信に加え、USB-C経由でオーディオデバイスや、スマホ/タブレット、パソコンと接続し、それらのサウンドを再生可能。背面にはマイク/ギター兼用のフォーン入力を備えている。

PARTYBOX ENCORE 2

PARTYBOX ENCORE 2

筐体のデザインや若干異なるが、基本的な仕様はPARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2と同じ。13cmウーファーを1基、20mmシルクドームツイーターを2基搭載し、100Wの大出力で「テニスコート半面分をカバーできる」という。AI Sound Boostも搭載する。

ENCORE ESSENTIAL 2との違いとして、手軽にカラオケができるワイヤレスマイクが1本付属。マイクをPARTYBOX ENCORE 2の背面に固定するためのホルダーも付属する。

バッテリー持続時間は15時間。ENCORE ESSENTIAL 2と違い、ユーザーが背面のバッテリーを交換可能。

JBL PARTYBOXアプリに対応し、イルミネーションの色味やパターンをカスタマイズできる。Bluetooth受信に加え、USB-C経由でオーディオデバイスや、スマホ/タブレット、パソコンと接続し、それらのサウンドを再生可能。

音を聴いてみる

右端はJBL PARTYBOX 710

新モデルのPARTYBOX 520、PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2を試聴した。

前述の通り、新モデルはどちらもAI Sound Boostによってリアルタイムの制動を行ない、ユニットの能力を最大限に引き出しているのが特徴だが、その進化がサウンドにも表れている。

「BTS/Butter」を再生したが、冒頭のビートがキレキレだ。トランジェントが良く、タイトで、切れ味鋭い重低音に驚かされる。低音の沈み込みの深さや、パワー感は大型のPARTYBOX 520の方がリッチだが、その重くて押し出しもパワフルな低音が、ハイスピードで描写されて、聴いていて非常に気持ちが良い。

上位モデルとなるが、世代としては1世代前となり、AI Sound Boostを搭載していない「PARTYBOX 710」と比較試聴したが、低音の切れ味、クリアさは明らかにPARTYBOX 520の方が上回っている。絶対的な低音のパワフルさはより大型なPARTYBOX 710の方に軍配が上がるのだが、サウンドの解像感や聴き取れる情報量の多さではPARTYBOX 520の方が優れていると感じた。

この音の傾向は、小型のPARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2でも同様だ。

片手で持ち上げられるサイズだが、地響きのような重低音を再生でき、しかもAI Sound Boostによって切れ味鋭く、タイトに締まる。ボワボワと低音が膨らまないので、低音から高音までクリアかつシャープに再生できる。

PARTYBOX 520と、PARTYBOX ENCORE ESSENTIAL 2のどちらにも言える事だが、見た目からは「低音がドンドコと膨らむ、派手なサウンドのスピーカー」という印象を受けるのだが、実際に音を出すと、迫力がありつつ、非常にHi-Fiで情報量と解像度の高いサウンドになっている。良い意味で、見た目の印象を裏切ってくれるスピーカーだ。

ダンスやホームパーティーなどでの使用はもちろんだが、例えば、プロジェクターとBluetooth接続して映画のサウンドを再生したり、ゲームを迫力の音で楽しんだり、また、広いエリアを1台でカバーできる音楽用スピーカーとしても十分活用できる実力を備えている。