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オルトフォン、新形状Vertex Diamondスタイラス採用の最上位MC型カートリッジ「MC Vertex」

MC Vertex

オルトフォンは、MC型カートリッジの新たなフラッグシップモデル「MC Vertex」を6月に発売する。世界初の新形状Vertex Diamondスタイラスをはじめ、無垢単結晶ダイヤモンド・カンチレバー、DLC コーティングを施したSLMチタンハウジングなど、オルトフォンの最新技術を結集したという。価格は2,970,000円。針交換価格は1,782,000円。

さらに、新世代MCシリーズの頂点というカートリッジ「MC X50」も6月に発売する。価格は297,000円で、針交換は207,900円。

MC Vertex

ラインコンタクトの理想を追求するために、正面から見た接触半径を110マイクロメートル、レコード盤の信号面に接触させる側面の走査半径を4マイクロメートルとした。Ortofon Replicant 100スタイラスの正面100/側面5マイクロメートルを凌駕し、「一層その理想に近づいた」という。

長年の知見も活用。スタイラス側面を薄くするとラインコンタクトは理想に近づくが、極めて薄いスタイラス側面の先端を信号面にラインコンタクトさせた場合、その表面各部にかかる圧力についても考慮する必要がある。スタイラスから先のカンチレバーやダンパー、さらにはカートリッジ本体の自重や適正針圧の値にも影響する重要なもので、ひいてはカートリッジが再生するサウンドのキャラクターにも影響するという。そのため、Vertex Diamondスタイラスでは側面の走査半径をあえて4マイクロメートルと設定した。

正面側の接触半径を大きく伸長させ、110マイクロメートルとしたことでラインコンタクトの接触面積を大幅にアップ。信号面の振幅に対する走査精度を極めて高いまま保ちながら、ラインコンタクト面の接地圧を最適な状態で均質化したという。

無垢単結晶ダイアモンド・カンチレバーの加工にも、新技術を投入。ダイヤモンド・カンチレバー先端付近に開けられたスタイラスチップの取付穴に、最先端のレーザー切削技術を使用。カンチレバーに肉眼での視認が困難なほど小さく、高精度な取付穴を開けた。この接合部とスタイラスチップの寸法公差は厳しく設定されており、無垢ダイアモンドのスタイラスチップを同一素材のカンチレバーで隙間なく抱え込めるというひとつの理想を実現したとする。

カンチレバーの表面全体にも、レーザー照射による研磨を行なうことで極めて高精度な平滑化加工を施した。微細なレベルの不要共振などを防いでいる。

ハウジングのデザインと形状を大きく変更。カートリッジ天面の幅はヘッドシェルと同程度とし、底面側は逆に極力狭くしたT字状を採用。レコード再生時にトーンアームとカートリッジのハウジング、カンチレバーやダンパーを含む振動系の動作を最適化させるため、カートリッジ動作時の実効質量を小さくしている。

空芯タイプの磁気回路を採用。従来は空芯コイルの出力電圧を0.2mV(MC Diamond)まで向上させていたが、Vertexではこれをさらに発展させ、オルトフォンの空芯モデルでは初となる0.3mVの出力を実現。さらに、磁気回路は各パーツおよび組立時の精度をこれまで以上に向上させ、チャンネルバランスとセパレーションも向上させている。

高純度銀線を用いた巻線、WRDと専用ダンパーVertexのコイル巻線には、オルトフォンのフラッグシップではMC Jubilee以来となる高純度銀線を採用。19Ωというこれまでのオルトフォンの通例に囚われない内部インピーダンス値をもつため、「音色のみならず導体特性の点でも本機に最もふさわしい材料」と判断され、採用されたという。適正針圧は2.5g。

MC X50

MC X50

ボロンカンチレバーと、X50専用ダンパースタイラスを支えるカンチレバーには、軽量で高い剛性を持つボロンを採用。マイクロリッジ針が読み取った微細な振動を、素早く正 確に発電部へ伝え、音の立ち上がりや細部の表現力を高めている。

ダンパーゴムもMC X50専用に開発。素材の配合から見直し、針先の動きをしなやかに支えながら、不要な振動を適切に抑えるとのこと。

MC Xシリーズの骨格には、天面のトッププレートから内部フレームまでを一体化したステンレス製フレームを採用。製造には、精密で複雑な金属部品を高い精度で成形できるMIM((Metal Injection Molding/金属粉末射出成形)を活用。

トッププレートにはハニカム形状のリブを設け、剛性を保ちながら軽量化。ステンレスが持つ質量と優れた制振性によって、再生時に生じる不要な振動を抑え、音像の輪郭や定位、音場の広がりを明確にするという。重量は8.6g。

新世代の磁気回路ステンレスフレームには、MC Xシリーズのために新たに開発されたオルトフォン・タイプの磁気回路を搭載。部品構成を見直し、小型・軽量化するとともに、磁束の分布をより均一化した。

ハウジングは、トッププレートから針先に向かって絞り込まれる特徴的なシェイプを採用。上位モデルのMC CadenzaシリーズやMC Jubileeのデザイン思想を受け継ぎ、針先側の実効質量を抑えることで、トレース時の重量バランスを最適化している。

出力電圧(1kHz, 5cm/sec.)は0.4mV、適正針圧は2.0g。