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KEF、Uni-QやVECO、電流駆動型アンプ搭載で“さらなる高みに到達”ワイヤレスアクティブスピーカー「LS LUXE」

LS LUXEダスク・チタニウム

KEFは、ワイヤレスアクティブスピーカーの新モデルとして、専用の第12世代6.5インチUni-Qドライバーや、Velocity Control Technologies(VECO)、KEFアクティブスピーカー初搭載の電流駆動型アンプを搭載した「LS LUXE(エルエスリュクス)」を8月25日に発売する。myKEF会員限定で、7月30日午後5時から先行発売を実施する。価格は、ペアで715,000円。専用スタンドはペア143,000円。

カラーバリエーションはエクリプス・ブラック、ダスク・チタニウム、ミネラル・ホワイトの3色。

左からミネラル・ホワイト、ダスク・チタニウム、エクリプス・ブラック

価格帯としては「LS50WII」(ペア363,000円)と、フロア型「LS60W」(ペア880,000円)の間に位置する、ラグジュアリーなデザインのブックシェルフスピーカー。ネットワーク再生機能などはLS50WIIなどから引き継ぎながら、専用に開発されたドライバーや電流駆動型アンプを内蔵するなど、ワイヤレスアクティブスピーカーの“次の世代の製品”として開発されている。

デザインは、ハイエンドスピーカー「Muon」や、Bluetoothスピーカー「Muo」などを手掛けたRoss Lovegrove氏が担当。滑らかで回折の少ない彫刻的なエンクロージャーにより、音響性能を最適化。有機的なフォルムと、それを引き立てる幾何学的な形状が特徴となっている。

デザインは、ハイエンドスピーカー「Muon」や、Bluetoothスピーカー「Muo」などを手掛けたRoss Lovegrove氏が担当

VECOと電流駆動型アンプを採用

ブックシェルフタイプで、リアバスレフのエンクロージャーを採用。搭載しているユニットは、専用設計の同軸ドライバーである「第12世代6.5インチUni-Qドライバー」。LS50 Metaのドライバーをベースとしつつ、より大型になっているほか、サウンドバー「XIO」で採用していた新技術「Velocity Control Technology(VECO)」をHiFiスピーカーシステムとして初採用している。

第12世代6.5インチUni-Qドライバー

特許取得済みの、フィルムのような薄型のモーションセンサー(フレキシブルな電子回路基板に回路をプリントしたもの)を開発。これをウーファーユニットのボイスコイルの内側に配置。特殊な磁石を4つ活用し、ユニットが振幅した時に電気信号がを生成させてコーンの動きを測定。その情報をアンプに伝達する。

アンプは入力信号とセンサーからの動作信号を比較し、不一致があれば即座に補正する。これにより、一層クリアで直線的かつ正確な低音レスポンスが実現したという。

駆動用のアンプを内蔵しているが、電流駆動型アンプを使っているのが大きな特徴。通常のアンプは電圧駆動型だが、この駆動方式では、スピーカーユニット自体のインピーダンス変動や逆起電力によってボイスコイルに流れる電流が乱れ、これが歪みの大きな原因となっていた。

一方の電流駆動型では、スピーカー側のインピーダンス変化に影響されず、入力信号に応じた正確な電流をボイスコイルへ直接供給。アンプが振動板(コーン)の動きをダイレクトに制御できるため、歪みが大幅に抑えられ、音の透明感と正確な低域再生を実現するという。

具体的には、ウーファー用にクラスDの出力280Wのアンプを、ツイーター用にはクラスABの100Wアンプを採用。どちらにも電流駆動方式を使っている。

LS50 Wireless IIとの比較すると、LUXEの方が、低音域および中音域の大部分において歪み(THD)が低く、かつ同様のバランスの取れた周波数特性が維持されている。

Uni-Qドライバーの背面には、メタマテリアル吸収技術の「MAT」を配置。迷路のように配置された管を組み合わせたもので、これをユニットの背面に配置し、ツイーター振動板の背面から放出された音を吸収している。

筐体にはBMCを採用

筐体の素材は、ガラス繊維強化複合材料であるBMC(バルクモールディングコンパウンド)を採用している。この素材は、LS50バッフルにも採用されたものだが、LS LUXEでは筐体全体に使用。高い機械的強度と寸法精度、さらに優れた電気絶縁性を備えた。

剛性が高く、内部補強が不要。加えて、低域用ドライバーのための容積をより多く確保できるため、より効率良く、豊かな低音が再生できるようになったという。

筐体は前後の2ピース構成。接着、研磨、スプレー塗装の工程を通じて、継ぎ目は見えなくなっている。

背面にはヒートシンクを搭載。アルミニウムダイキャスト製で、洗練された粉体塗装仕上げを採用。最適な放熱性能と表面耐久性を維持しつつ、デザイン性にも寄与。「コンパクトなデザインでありながら高出力の音響性能を発揮し、モダンなインテリアに自然に溶け込む」という。

リアバスレフ
背面端子部
左右スピーカーそれぞれに電源ケーブルの接続が必要

自社開発のDSPアルゴリズム群であり、KEFの「LS Wireless Collection」を支える中心的な技術の「Music Integrity Engine」も搭載。DSPフィルターと位相補正を用いることで、より滑らかでバランスの取れたサウンドを実現。「Room EQ」機能により、スピーカーを部屋の音響特性に合わせて調整することもできる。

W2ワイヤレスプラットフォームを採用。Spotify Connect、Tidal Connect、QPlay、AirPlay、Google Castを介して、Tidal、Amazon Music、Qobuz、Deezerなどの主要サービスにネイティブアプリから直接アクセスして、音楽ストリーミングの再生が可能。

HDMI eARC、アナログ、光デジタル、同軸デジタル入力も装備。テレビとも手軽に連携できる。専用のサブウーファー出力端子も搭載する。

LANを経由し、NASなどに保存したサーバーから、最大384kHz/24bitのPCMやDSDの再生が可能。

「我々はアクティブスピーカーの実力をさらに向上させる」

発表会には、KEFのChief Technology Officer(CTO)であるDr. Jack Oclee-Brown氏が来日した。

KEFのChief Technology Officer(CTO)であるDr. Jack Oclee-Brown氏

Jack氏は、LS LUXEの開発時を振り返り、「開発には6、7年かかっており、苦労も多かったが、長い時間かけて開発してきた技術を皆さんに披露できてワクワクしています。我々はアクティブスピーカーの実力をさらに向上させるという戦略的な野心を持っており、LS LUXEの誕生を持って、LS Wireless Collectionのパフォーマンスはさらなる高みに到達しました。LS LUXEをキッカケとして、より多くの人にKEFのワイヤレスアクティブスピーカーを検討していただきたいです」とコメント。

開発時の苦労としては「密閉のサウンドバーXIOで先に搭載したVECO技術を、Hi-Fiスピーカーであり、さらにバスレフ方式のLS LUXEに、いかに搭載するかという点に苦労しました。XIOでは、VECO技術によってキャビネットを小さくすることに寄与しましたが、LS LUXEはバスレフポートがあることで、どのようにフィードバックを扱うかという部分を工夫し、低域の再生能力を高める事を追求しました」という。

底面

音を聴いてみる

発表会の会場でLS LUXEを試聴した。

音を聴いてすぐわかるのは、広大な音場だ。角が無いLS LUXEの有機的なエンクロージャーと、ブックシェルフ方式である事から、まるでサラウンドスピーカーを聴いているかのように、2chスピーカーであっても、前方から体全体が包みこまれるような音場を体験できる。

定位もバツグンだ。楽器やボーカルの音像がシャープに浮かび上がり、音像の輪郭も明瞭で滲みがない。同軸のUni-Qドライバーらしい、点音源の利点が存分に発揮されていると感じる。

これに加え、LS LUXEならではの“凄さ”として実感できるのは、低域のクリアさ、情報量の多さだ。ベースのラインが克明に見えるだけでなく、弦の動きも目に浮かぶシャープさがある。

また、描写が細かいだけでなく、低音の1つ1つがパワフルで、押し出しの強さを兼ね備えている。“シャープなのにパワフル”という、なかなか両立できない低音が、このサイズのスピーカーで実現できているのは驚きだ。

音場の広大さや情報量の多さだけでなく、躍動感溢れる低域も実現しているので、オーディオファン以外の人が聴いても、一聴して「凄い」と感じるだろう。クオリティの高さが、わかりやすいサウンドとも言える。

ペアで715,000円と、ブックシェルフスピーカーとしては高価ではあるが、例えば50万円のスピーカーと、20万円のアンプを個別に用意しても、このクオリティを出すのは難しいだろう。VECO×電流駆動型アンプという2つの技術を組み合わせたことで到達できる、「次の世代のアクティブスピーカーのサウンド」という印象も受けた。

別売の専用スタンドも用意している