ニュース

フォステクス、RPヘッドフォン史上初のワイヤレス「T50RP-BT」。ゲームも低遅延、レビュー付き

T50RP-BT

フォステクスは、50年を超えるRPヘッドフォン史上初のワイヤレスモデルとして、「T50RP-BT」を8月下旬に発売する。価格はオープン。リスニング用ヘッドフォンとして使えるほか、付属のUSB-Cトランシーバーを使って20msの低遅延で通信ができ、着脱式マイクも同梱するなど、ゲーミングヘッドセットとしても活用できる。

T50RP-BT

世界のプロ音楽スタジオにも採用されている、独自の全面駆動型平面振動板「RP」ドライバーの第4世代を搭載した「T50RPmk4」をベースにワイヤレス化。

第4世代では振動板の振動領域が拡大し、マグネットも増量。プリンテッドコイルのパターン形状も進化し、磁気回路も一新。振動板の不要共振の抑制、鋭いレスポンスを実現したという。これらにより感度向上、滑らかな周波数特性、優れた過渡特性も達成。「重低音域から高音域まで正確かつ繊細に再生可能とすることで、正確な定位感と音場の再現能力を従来よりさらに向上させた」という。

ハウジングはセミオープン型。ワイヤレス化にあたって、Qualcomm Snapdragon Soundにより、重低音域から高音域まで緻密かつ正確な定位感と音場を再現するモニタークオリティーを継承しながら、ケーブルの煩わしさから解放され、屋内でのスマートホンでのリスニングや、PCでの動画視聴においても低遅延で安定した接続が可能という。

BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveに対応。最高96kHz/24bitの高音質で音楽を楽しめる。LC3やAuracastにも対応する。

ハウジングはセミオープン型

さらに、PCゲーミングでは付属USB-Cトランシーバーを利用することで20msの低遅延で安定した接続が可能。RPドライバーの優れたトランジェント特性と相まって「史上最速のレスポンスを誇るワイヤレスヘッドセット」としている。本体に内蔵したマイクに加え、着脱可能マイクも付属する。

着脱可能マイクも付属

イヤーパッドは装着感を追求し、低反発のアラウンドイヤー型を採用。別売オプションとして、東レのUltrasuedeを使ったイヤーパッド「EX-EP-RP-SUEDE」も装着可能。蒸れにくく柔らかな肌触りと滑らかで高品位な重低音域から高音域までの音質を提供するとのこと。

再生周波数帯域は20Hz~20kHz。重量は約342g(マイク無しの場合)、電池の持続時間は48時間以上で、充電時間は約3時間。

音を聴いてみる

マイクやUSB-Cトランシーバーが付属するので、ゲーミングヘッドセットというイメージが強いかもしれないが、スマホとBluetooth接続し、Qobuzのハイレゾ音楽を聴いてみると、リスニング用ヘッドフォンとしても非常にクオリティが高いことがわかる。

「ダイアナ・クラール/月とてもなく」では、ウッドベースの低音がしっかりと沈みつつ、弦が震える様子が微細に聴き取れる解像度の高さも両立している。

中高域もクリアで、ボーカルの口の動きや、微かなブレスも聴き取れる。セミオープンのハウジングも組み合わさり、開放的なサウンド。「手嶌葵/明日への手紙」も、ゾクゾクするボーカルの生々しさと、声の余韻がどこまでも広がる広大さが両立できている。

さすがに、高級なDAPや、本格的なヘッドフォンアンプでドライブしたT50RPmk4のサウンドには届かないが、T50RP-BTは決して、“音楽も楽しめるゲーミングヘッドセット”ではなく“音楽も本気で聴き込めるHi-Fiヘッドフォン”だ。

PCゲームでも使ってみる。

付属のUSB-CトランシーバーをPCに接続し、FPSゲーム「Apex Legends」を起動。トランシーバーとヘッドフォンは出荷時に紐づけされているので、T50RP-BTを起動するだけでPCの音が聞こえてくる。

付属のUSB-Cトランシーバー。Nintendo Switch 2にも接続できる

ゲームでのサウンドをチェックする時は、Apex Legendsの射撃訓練場をよく使うのだが、銃を撃つ前に、今まで使ってきたゲーミングヘッドフォンとT50RP-BTの音の違いがわかる。

射撃訓練場は屋外にあるのだが、足を踏み入れた瞬間に、フィールドに流れる「サァーッ」というかすかな風の音が、今までのゲーミングヘッドフォンと次元が違う細かさで聞き取れる。そのため、セミオープンのハウジングとも相まって、「このフィールドって、こんなに広かったっけ?」と、新鮮な感動を覚えて歩き回ってしまう。

手榴弾を遠くに投げて、“遠い場所からの音の聞こえ方”をテストするのだが、T50RP-BTのサウンドは、投げる前から違う。振りかぶった瞬間に、耳元で「チャチャッ」という手榴弾の金属音が、かすかだが、ハッキリと聞き取れる。「え、こんなSEが入っていたの!?」と改めて気がつく。

自分の横方向や、背後など、遠方に手榴弾を投げて、その爆発音も聞いたが、音場が広く、それでいて細かな音が聞き取りやすいので、聞こえてきた方向だけでなく、近いのか、遠いのかという距離感もわかりやすい。これは、敵の足音でも同様だ。ゲームプレイを有利に進める武器になるだろう。

それだけでなく、RPドライバーらしいトランジェントの良いサウンドにより、銃を撃つ時の「ズドドドッ」という射撃音も、鋭く、鮮烈で気持ちが良い。勝つためのヘッドフォンだけでなく、気持ちよくゲームをプレイするためのヘッドフォンとしても、優れていると感じた。

着脱可能マイクも付属

なお、付属のUSB-Cトランシーバーは、AndroidスマートフォンやNintendo Switch 2とも接続してみたが、これらの端末でも使用できた。スマホやSwitchでゲームを楽しむ時にも活用できるだろう。

スマホと接続しても使用できた
Nintendo Switch 2と接続したところ