東宝、「七人の侍」など、黒澤監督21作品をBlu-ray化

-新HDマスターで10月に7作。BD-BOXは29,800円


黒澤明THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection I

10月23日発売

標準価格:
 「BD-BOX」29,800円
 「単品BD」各4,935円

 

 東宝株式会社は、「七人の侍」など黒澤明監督の7作品をまとめたBD-BOX「黒澤明THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection I」を10月23日に発売する。価格は29,800円。収録作品は4,935円で同日に単品発売もされるが、BOXには特典ブックレットが付属する。

 収録作品と仕様は下表の通り。

 なお、今回の7作品を含め、黒澤監督作21作品のBD化を予定。10月から隔月で7作品ずつリリースされ、「用心棒」、「生きる」、「野良犬」、「生きものの記録」、「隠し砦の三悪人」、「どん底」、「一番美しく」、「天国と地獄」、「赤ひげ」、「どですかでん」、「わが青春に悔いなし」、「蜘蛛巣城」、「酔いどれ天使」、「素晴らしき日曜日」が待機。BOXの第2弾、3弾も予定されている。

タイトル収録作仕様音声品番価格
黒澤明
 THE MASTERWORKS
 Blu-ray Disc Collection I
七人の侍7枚組
ブックレット
単品版と同じTBR-19218D29,800円
影武者
姿三四郎
椿三十郎
虎の尾を踏む男達
続 姿三四郎
悪い奴ほどよく眠る
タイトル制作年仕様音声品番価格
七人の侍1954年片面2層
207分
4:3
1080p
モノクロ
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナル
 (リニアPCMモノラル)
(2)91年版
 ドルビーサラウンド
 (リニアPCM)
(3)リミックス5.1ch
 (ドルビーTrueHD 5.1ch)
TBR-19221D4,935円
影武者1980年片面2層
179分
4:3
1080p
カラー
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナル4ch
 (リニアPCM)
TBR-19222D4,935円
姿三四郎1943年片面2層
79分
4:3
1080p
カラー
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナル
 (リニアPCMモノラル)
TBR-19223D4,935円
椿三十郎1962年片面2層
96分
4:3
1080p
モノクロ
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナルモノラル
 (リニアPCMモノラル)
(2)オリジナル3ch
 (リニアPCM 3ch)
(3)リミックス5.1ch
 (ドルビーTrueHD 5.1ch)
TBR-19225D4,935円
虎の尾を踏む男達1945年片面2層
58分
4:3
1080p
モノクロ
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナルモノラル
 (リニアPCMモノラル)
TBR-19227D4,935円
續 姿三四郎1945年片面2層
82分
4:3
1080p
カラー
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナルモノラル
 (リニアPCMモノラル)
TBR-19224D4,935円
悪い奴ほどよく眠る1960年片面2層
151分
シネスコ
1080p
モノクロ
MPEG-4 AVC
日本語字幕
(1)オリジナルモノラル
 (リニアPCMモノラル)
(2)オリジナル3ch
 (リニアPCM 3ch)
TBR-19226D4,935円

 Blu-ray化にあたり、新たに作成したハイビジョン・マスターを使用。「フィルム感を大切にしながらも、家庭用視聴を想定し、商品に最も適したマスターを作成した。発色・色味の再現、ディテールの再現性など、最上の高画質で提供する」(東宝)という。

 BD-BOX Iは、7作品を特製BOXに収納。さらに、特典ブックレット「製作の現場I 黒澤映画の映像テクニック」を同梱。96ページを予定しているもので、以前レーザーディスク購入者へのプレゼント用に作られた豪華ブックレットを再構成したもの。

 内容は撮影に加わったスタッフの証言をもとに、「七人の侍」の豪雨の中の戦い、「天国と地獄」での撮り直しできない「こだま号」のシークエンスなど、黒澤映画の映像技術と斬新性に迫るものになっている。

 「七人の侍」は、野武士が野盗化していた戦国時代を舞台に、貧しい百姓たちが侍を雇い、全力をあげて野武士の襲撃から村を守ろうとする姿を描いた作品。特典映像として特報(音声なし)、劇場予告編、特報(リバイバル)、劇場予告編(リバイバル)を収録。

 「影武者」は、盗人上がりの男が武田信玄の影武者に抜擢され、奮闘する物語。'80年度カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。特典として2種類の特報、劇場予告編を収めている。

 「姿三四郎」は会津から柔術家を目指し上京した青年・姿三四郎が、武道とは何かを会得していく物語。黒澤の第1回監督作品。

七人の侍影武者姿三四郎

 「椿三十郎」は、「用心棒」に続き、三船敏郎が痛快無比な浪人を熱演した作品。城代家老の汚職を告発しようとする若侍に出くわした三十郎は、行き掛かりから若侍たちを手助けすることになり、お家騒動に巻き込まれてゆく……。特典は特報、劇場予告編。

 「虎の尾を踏む男達」は、「勧進帳」で知られる義経一行の関所超えを元に作られた、ミュージカルとも言える異色作。弁慶に大スター大河内傳次郎、原作にはない強力に当時人気絶頂だったエノケンこと榎本健一を起用している。

 「續 姿三四郎」は、熱血多感の三四郎の活躍を描いた第2弾作品。三四郎に敗れ病状に伏す檜垣源之助の弟、鉄心と源三郎が復讐に燃え上京。果たし状を受け取った三四郎は、傍若無人な2人に対する正義感から、破門を覚悟で単身、一対二の決闘に向う。

 「悪い奴ほどよく眠る」は、権力と社会悪に鋭く切り込むサスペンス。日本未利用土地開発公団・福総裁の娘と秘書・西の結婚式の日、公団社員が逮捕される。新聞記者たちは5年前の公団がらみの不正事件を思い出した……。その頃、検察には公団の不正を示唆する差出人不明の密告書が届く。特典は特報、劇場予告編。

椿三十郎虎の尾を踏む男達續 姿三四郎悪い奴ほどよく眠る



(2009年 6月 19日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]