パナソニック、2番組同時AVC録画可能なブルーレイDIGA
-10倍録画や超解像、“高画質”番組持ち出し対応
パナソニックは、Blu-ray Discレコーダ「ブルーレイDIGA」の新モデル4製品を2月15日より発売する。デジタルダブルチューナモデルはHDD 1TBの「DMR-BW880」、750GBの「DMR-BW780」、500GBの「DMR-BW680」の3製品、シングルチューナモデルはHDD 500GBの「DMR-BR580」の1製品を用意する。価格はオープンプライス。
品番 | HDD容量 | デジタル チューナ | 新・番組持ち出し | 店頭予想価格 |
DMR-BW880 | 1TB | 地上/BS/110度 デジタル×2 | 高画質モード ワンセグ相当 | 16万円前後 |
DMR-BW780 | 750GB | 14万円前後 | ||
DMR-BW680 | 500GB | 12万円前後 | ||
DMR-BR580 | 500GB | 地上/BS/110度 デジタル×1 | ワンセグ相当 | 10万円前後 |
DMR-BW880 | DMR-BW780 | DMR-BW680 |
DMR-BR580 |
BWシリーズは、デジタルWチューナを搭載。DIGAの基盤となる統合システムLSI「Uniphier」を新世代に一新したほか、第4世代のMPEG-4 AVC/H.264エンコーダ「新アドバンスドAVCエンコーダー」を搭載することで、2系統のデジタルチューナで同時にフルHD解像度のままMPEG-4 AVC/H.264形式にエンコードし、最長10倍の長時間録画を可能にする「フルハイビジョンW 10倍録画」を実現した。
最高で10倍の長時間録画(従来シリーズでは最長8倍)に対応したほか、SDカードなどで携帯電話などに番組を持ち出せる「番組持ち出し」も、「新・番組持ち出し」に強化。地上デジタル放送だけでなく、BS/110度CSデジタル放送をワンセグ相当の画質(320×180ドット)で持ち出せるほか、BR580以外では640×360ドットでの持ち出しにも対応した。
シングルチューナモデルでも10倍の長時間録画などの機能向上が図られている。また、直販サイト「パナセンス」でのモニター販売も実施。応募期間は、2月3日の13時までで、DMR-BW880の入札価格は下限が110,600円、上限が142,200円。詳細はパナセンスのサイト内で案内している。
■ 2系統同時のAVC録画に対応。新・番組持ち出しにも対応
DMR-BW880/BW780/BW580は、地上/BS/110度CSデジタルWチューナと地上アナログチューナを搭載。DMR-BR580は、地上/BS/110度CSデジタルと地上アナログのシングルチューナモデルとなる。HDDへの録画のほか、BD-R/RE、DVD-R/RW/RAM、DVD-R DLへの記録に対応。6倍速BD-R、BD-REは2倍速に対応。カートリッジ付のBD-REメディア(Ver.1.0)は再生できない。
新アドバンスドAVCエンコーダーを搭載 |
デジタル放送のストリーム録画(DRモード/MPEG-2 TS)だけでなく、HD解像度でMPEG-4 AVC/H.264形式でのデジタル放送録画が可能。新世代Uniphierと、新アドバンスドAVCエンコーダーを搭載し、画質向上を図るとともに、約10倍の長時間記録モード「HB」(2.4Mbps)を追加した。
また、プラットフォームを一新したことで、2番組同時のAVC録画に対応(従来は1系統はDRモード、もう1系統でAVC録画)した。AVCの記録モードは、HG(12.9Mbps)/HX(8.6Mbps) /HE(5.7Mbps)/HL(4.3Mbps)/HM(3.0Mbps)/HB(2.4Mbps)が選択可能で、HBモード利用時には、2層BD-R/REに最長43時間20分録画できる。
AVC録画では、HDDとBD-R/REに加え、DVD-R/RAMへのハイビジョン記録を行なう「AVCREC」にも対応。記録解像度はいずれも1,920×1,080ドット(地上デジタルなどの1,440×1,080ドットのソースは、ソースに準ずる)。ディスクの録画時間を最優先し、データ放送をカットして録画する「データ放送カット録画」も搭載している。シングルチューナモデルも、W録画以外の基本録画機能は上位機種と共通となる。
EPGは、最大19チャンネル12時間の高精細表示が可能な「フルハイビジョン番組表」を搭載。3/5/7/9/11/15/19チャンネル表示の切り替えが可能なほか、スポーツ、ドラマ、映画などのジャンル別に色分けして表示できる。録画予約件数は最大128番組。
ダブルチューナモデルでは、2番組同時録画時でも、両方の番組にチャプタマークを自動作成する「Wオートチャプタ」を搭載。AVC録画時でもWオートチャプタを適用できる。チャプタ設定すると、CMを含んだ番組の再生時に、スキップボタンでCMスキップできるほか、チャプタ編集機能を利用してチャプタの結合や削除が行なえる。シングルチューナモデルでもオートチャプタ機能は搭載している。なお、AVC録画中のBDビデオ再生はできない。
録画関連の新機能として、1カ月先までのおすすめ番組を表示する「注目番組」機能と、WOWOW番組表を1カ月分収録した「1カ月番組表」を搭載。注目番組は、Gガイドがおすすめする最大1カ月先までの番組を表示し、録画予約する。1カ月番組表の利用にはネットワーク接続が必要となり、ネット経由で、最高40日先のWOWOW番組表を取得し録画予約が可能。で、特集を一括予約できる「特集まとめて予約」にも対応する。
ネットワーク経由でパソコンや携帯電話から録画予約が行なえる「ディモーラ(Dimora)」にも全モデルが対応。新たにキーワードを利用した自動予約が行なえる「ディモーラおまかせ自動録画」も可能となっている。
録画番組管理では、録画一覧でフォルダ名を変更できる「らくらくマイラベル」を採用し、「お父さん」、「お母さん」などの任意の表示ラベル名を設定し、管理できる。出演者や番組名で録画番組を検索できる「フリーワード検索」にも対応する。ダビング関連機能では、同じモードで録画した番組を、1つの番組に結合できる「番組結合」を搭載している。
SDメモリーカードスロットも装備。Wチューナ搭載の3モデルでは、録画番組やアクトビラビデオ ダウンロードサービスで購入したコンテンツ、AVCHDビデオカメラで撮影した映像などを、SDカードに書き出して、ワンセグケータイやVIERAワンセグなどのポータブル機器で持ち出し可能な「新・番組持ち出し」も搭載した。
従来は320×180ドットのワンセグ相当の画質のみだったが、新たに高画質モードとして解像度640×360ドットの録画にも対応し、より高画質な番組持ち出しが可能となった。さらに、2番組AVC録画中においても、2番組の「持ち出し用動画」を作成できる。なお、SDカードスロットは大容量SD規格のSDXCにも対応している。
■ クロマ改善や超解像、アニメモードなど、画質も向上
WチューナモデルのDMR-BW880/BW780/BW680では画質面の強化も図っている。パナソニックハリウッド研究所(PHL)による高精度色信号処理技術を応用した新「リアルクロマプロセッサ」を搭載。新たにビデオ素材(インターレース信号)をプログレッシブ変換してからクロマアップサンプリングを行なうことで、色の垂直解像度を従来比で2倍に向上し、色のキレや精細感を改善したという。
また、Wチューナ機には独自の超解像技術も搭載しており、DVDなどのSD解像度の映像をHDにアップコンバートする際に、衣服の細かな模様なども精細に表現可能としている。また、新たにアニメ素材用の画質モード「アニメモード」も装備。ノイズを抑えたクリアな画質を実現する。
HDMI出力を1系統装備し、Wチューナモデルは1080/60pまでの出力に対応。シングルチューナは1080i(24p対応)までとなる。なお、シングルチューナのDMR-BR580には、リアルクロマプロセッサや超解像、アニメモードなどは備えていない。全モデル12bitのDeep Colorに対応するほか、BD-Liveにも対応している。
Wチューナモデルでは、「音楽保存・再生」機能も搭載しており、音楽CDをAAC形式でHDDにリッピングできる。リッピング速度は最大12倍速で、約35万曲の楽曲データベースを内蔵し、曲情報も自動付与するほか、ネット経由でGracenoteのCDDBから楽曲情報を取得するできる。録音した楽曲は、SDカードや対応携帯電話に書き出せる。
音質面では、「新マルチチャンネル デジタル リ.マスター」を搭載。デジタル音声圧縮処理によって欠落した音声信号の高調波成分を復元し、より高音質な再生を可能とする。全モデルに光デジタル音声出力を装備。また、DMR-BW880のみ同軸デジタル音声出力も備えている。
■ 番組共有の「お部屋ジャンプリンク」対応。奥行きは世界最短
ネットワーク関連では、全モデルがアクトビラ ビデオ・フルに対応し、ダウンロードサービスも利用可能。「番組持ち出し」で、アクトビラ・ビデオでダウンロードした番組を、SDカードに書き出して、ワンセグ対応携帯電話などでも視聴できる。
DMR-BW880/BW780/BW680の3モデルでは、DLNAベースの新しい番組共有サーバー機能「お部屋ジャンプリンク」を搭載。DIGAでハイビジョン録画した番組を、別室などに設置した対応のVIERAやBDプレーヤーで、ストリーミング再生も可能となっている。お部屋ジャンプリンク対応機器は、同社のVIERA Z1/V1/PZR900やBDプレーヤー「DMP-BD60」など。
上記3モデルでは、YouTube機能も搭載し、PCで作成したアカウントにログインして、お気に入りのコンテンツを再生することも可能となっている。また、HDDレコーダ機能を内蔵した「VIERA R」シリーズからのネットワークダビング機能も搭載。DLNAとDTCP-IPを利用して、VIERA RシリーズのHDDに標準/長時間録画モードで録画した番組を、LAN経由でDIGAのHDDにダビングできる。
上位モデルのDMR-BW880は、同時発売される無線LANアダプタ「DY-WL10(店頭予想価格1万円前後)」と接続することで、ホームネットワークに簡単に無線接続が可能となる。DY-WL10はIEEE 802.11nに対応し、HD映像も無線伝送できる。また、アダプタと無線LANアクセスポイントとの認証には「AOSS」、「WPS」などのセットアップ機能を利用できる。
Wチューナモデルでは、USB端子も装備。USB接続した同社製AVCHDビデオカメラからの映像取り込みに対応。SDカードスロットも備えており、AVCHD映像のほか、JPEG画像の再生にも対応。AVCHDディスクやBD-R/REへの書き出しも可能。i.LINKは、DMR-BW880が前後1系統ずつの計2系統、DMR-BW780/680が1系統を装備する。
静止画は、テレビのワイド画面いっぱいにフルハイビジョン画質で表示する「フルハイビジョンテレ写」に対応。デジタルテレビ情報化研究会の「ネットTV 仕様(印刷機能)対応プリンタ」を接続し、写真のプリントも可能となっている。Wチューナモデルでは、DIGA同士で写真を共有するネットワークサービス「LUMIX CLUB PicMate」にも対応する。
また、DMR-BW880/780/680は「ドアホン録画」や「センサーカメラ連携」にも対応。同社製の対応ドアホンをドアに設置し、ドアホンの映像をDIGAで視聴/録画できる。最大録画件数は400件。また、5台までのセンサーカメラを接続し、録画した映像をSDカードで書き出せる。
基盤LSIの「UniPhier」は、製造プロセス従来と同じ45nmだが、機能を強化した新世代のものを採用。筺体も小型化を図っており、奥行きはBDレコーダとして世界最短という199mmを実現している。外形寸法は全モデル430×199×59mm(幅×奥行き×高さ)。
品番 | DMR-BW880 | DMR-BW780 | DMR-BW680 | DMR-BR580 |
HDD | 1TB | 750GB | 500GB | |
チューナ | 地上/BS/110度CSデジタル×2 地上アナログ×1 | 地上/BS/110度CS デジタル×1 地上アナログ×1 | ||
出力端子 | HDMI (1080/24p、60p)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 同軸デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | HDMI (1080/24p、60p)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | HDMI(1080i)×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 光デジタル音声×1 アナログ音声(2ch)×1 | |
入力端子 | S映像×2 コンポジット×2 アナログ音声(2ch)×2 | S映像×1 コンポジット×1 アナログ音声(2ch)×1 | ||
i.LINK | i.LINK×2 (DV入力/TS入出力兼用) | i.LINK×1 (DV入力/TS入出力兼用) | - | |
Ethernet | ○ | |||
新・番組 持ち出し | 高画質 ワンセグ | ワンセグ | ||
アクトビラ | ○ | |||
お部屋ジャンプリンク | ○ | - | ||
YouTube | ○ | - | ||
音楽保存・再生 | ○ | - | ||
ドアホン録画 | ○ | - | ||
センサー カメラ連携 | ○ | - | ||
消費電力 | 約26W | 約25W | 約22W | |
待機時消費電力 | クイックスタート「切」:約0.3W (時刻消灯時約0.1W) クイックスタート「入」:約4.2W (同約4.1W) | クイックスタート 「切」:約0.3W (時刻消灯時約0.1W) クイックスタート 「入」:約4.6W (同約4.5W) | ||
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 430×199×59mm | |||
重量 | 3.1kg | 3.0kg | 2.9kg | 2.8kg |
(2010年 1月 19日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]