パイオニア、iPod/USBトランスポートなど「carrozzeria χ」
-プリ/パワーアンプ新モデルやハイエンドスピーカーも
パイオニアは、高級カーオーディオブランド「carrozzeria χ」シリーズの新製品として、iPod/USBトランスポート「CD-7χ」と、デジタルプロセッシングユニット「RS-P99χ」、パワーアンプ「RS-A99χ」を6月下旬に発売する。
また、ハイエンド向け車載スピーカー4製品も同じく6月下旬に発売。ネットワークユニット付きの2ウェイセパレートシステム2モデルと、ミッドレンジスピーカー1モデル、サブウーファ1モデルをラインナップする。各製品の価格は下表の通り。
シリーズ | 製品 | 型番 | 価格 |
carrozzeria χシリーズ | iPod/USBトランスポート | CD-7χ | 52,500円 |
デジタルプリアンプ | RS-P99χ | 262,500円 | |
4chパワーアンプ | RS-A99χ | 210,000円 | |
ハイエンドスピーカー | 2ウェイセパレート スピーカー | TS-Z172PRS | 84,000円 (2個1組) |
2ウェイセパレート スピーカー | TS-Z132PRS | 73,500円 (2個1組) | |
ミッドレンジ スピーカー | TS-S062PRS | 47,250円 (2個1組) | |
サブウーファ | TS-W252PRS | 57,750円 |
同社は、これら2010年夏モデルの発売に先駆け、ハイエンドカーオーディオ体験イベント「カロッツェリアロードショー2010」を、5月下旬より全国6都市で順次開催。2010年夏モデルを搭載したデモカーでの試聴や、評論家・長谷川教通氏によるセミナーなどを行なう。イベントの詳細は、スペシャルサイトで案内している。
■ carrozzeria χ
iPod/USBトランスポートのCD-7χは、Dockコネクタ搭載iPod/iPhone 3GSやUSBメモリなどに収められた音楽ファイルを、iPodなどのDACを通さずにデジタルのままでcarrozzeria χシリーズのCDレシーバなどに出力できる製品。接続先のメインユニットのディスプレイに、アルバム/アーティスト/曲名の日本語表示も可能。最大16bit/48kHzに対応する。USBからの入力対応ファイルはMP3/WMA/AAC/WAV(最大99ファイル)。
Dockコネクタ/USBからの入力のほか、光デジタル音声入出力とIPバスケーブルを各1系統装備する。本体に高精度サウンドマスタークロック回路を内蔵し、ジッタを低減。また、バーブラウンの高精度DIT(Digital Interface Transmitter)を搭載し「微細な音も精緻に表現する」としている。さらに、電源コンデンサの大容量化などで高音質化を追求した。
SN比は95dB。外形寸法は116×62×37mm(縦×横×厚さ)、重量は365g。
デジタルプリアンプ「RS-P99χ」 |
デジタルプリアンプのRS-P99χは、TADのハイエンドSACD/CDプレーヤー「TAD-D600」でも採用されている、TIのバーブラウン24bit/192kHz DAC「PCM1794A」を4基搭載。アドバンスドセグメント方式を採用するこのDACにより、全高調波歪みとSN比を向上したという。
また、10Vのスーパーハイボルテージプリアウトを採用し、RCA出力を従来の2倍以上の電圧にすることで伝送ノイズの低減が可能。接続先のパワーアンプでも効果があり、特に後述のRS-A99χとの組み合わせでは、システム全体がスーパーハイボルテージモードとなり、最大の効果を発揮するとしている。
そのほか、DIR(Digital Interface Receiver) ICの高性能化と、従来より高精度化したサウンドマスタークロック回路によりジッタ成分を低減。マスタークロックに専用の超低ノイズ電源回路を採用したほか、位相雑音ノイズを防ぐ密閉型回路としたことで、内部干渉を排除している。
DSPには、アナログ・デバイセズ製/32bit浮動小数点処理のSHARCを3基搭載。そのほか、専用開発の25mm径フルカスタム音響用電源コンデンサや、4N OFCケーブル、銅メッキシャーシなどを採用する。パターン銅箔は厚さを外層60μm、内層70μm(通常は35μm)として低インピーダンス化している。
入力端子は光デジタル×1、出力端子はRCA 2ch×4。高調波歪み率は0.0015%。SN比は115dB。外形寸法は258×202×63mm(幅×奥行き×高さ)、重量は4kg。
4chパワーアンプの「RS-A99χ」 |
ブリッジャブル4chパワーアンプのRS-A99χは、前述の通り、プリアンプのRS-P99χのスーパーハイボルテージモードに対応。ノイズを抑えた高解像/高分解能の再生を可能としている。また、パターン銅箔の厚さは外層60μm、内層70μmで低インピーダンス化。さらに、基板の実装密度を高め、従来比60%という小型化も実現している。
定格出力は50W×4ch(4Ω)、75W×4ch(2Ω)、150W×2ch(4Ω)。最大出力は100W×4ch(4Ω)、300W×2ch(4Ω)。入力のRCA端子と各種スイッチまでL/R独立でレイアウト。電源回路を含め信号経路の全てを左右対称としたことで、各ユニットを分離し、L/R信号の相互干渉を防いでいる。さらに、+/-検出・制御PWM電源回路による安定した
高スルーレート/ワイドレンジ/低歪みなどの特徴を持つ電流帰還型増幅回路を採用するほか、純銅製バスバーや、30mm径フルカスタム音響用電源コンデンサ、非磁性体ブロックタイプの電源などを採用する。
取付寸法は258×360×63mm(幅×奥行き×高さ)、重量は8.3kg。
■ ハイエンドスピーカー
「TS-Z172PRS」と「TS-Z132PRS」は、ウーファとツイーター、ネットワークユニットで構成する2ウェイセパレートシステム。両モデルはウーファのサイズが異なり、Z172PRSは17cm径、Z132PRSは13cm径。ドア共振とスピーカーの最低共振周波数(fo)の相関関係に着目し、ウーファのfoを従来より低く設定。中域の歪みを解消するとともに、低域再生能力の拡大や、過渡応答特性の向上を図っている。
TS-Z132PRS | TS-S062PRS |
ウーファはいずれも3層構造のIMXアラミドファイバーコーンユニットを採用。軽量化/高剛性の両立と、情報量の多い豊かな中域再生を実現している。ツイータはいずれも2.8cm径のソフトドーム。ボイスコイル銅線に専用のPCOCC線を使用し、情報量の向上と高域のクリア感の改善を図っている。
磁気回路には内磁型ネオジウムマグネットを採用し、レスポンスを向上したほか、スリム化も実現。ネットワーク部の重量は0.52kgで共通。
再生周波数帯域は、Z172PRSが25Hz~35kHz、Z132PRSが30Hz~35kHz。出力音圧レベルはそれぞれ89dB、86dB。インピーダンスはいずれも4Ω。定格入力/瞬間最大入力は、50W/200W(Z172PRS)、30W/150W(Z132PRS)。ウーファ部の取付寸法は、Z172PRSが140×67mm(直径×奥行き)、Z132PRSが121×58mm(同)。重量はZ172PRSのウーファが1.21kg、Z132PRSのウーファが0.87kg。ツイータはいずれも0.1kg。
6.6cm径ミッドレンジ「TS-S062PRS」 |
TS-S062PRSは、6.6cm径のミッドレンジスピーカー。振動板の表面に平織りのアラミド繊維を、裏面にはパルプ素材を貼り合わせることで軽量化と高剛性化を実現。小口径ながら広帯域で優れた周波数特性を持ち、低歪みで再生できるとしている。
再生周波数帯域は80Hz~40kHz(バックチャンバー装着時は100Hz~40kHz)、出力音圧レベルは85dB、インピーダンスは4Ω。定格入力は15W(バックチャンバー装着時50W)で、瞬間最大入力は60W(同200W)。取付寸法は64×32mm(直径×奥行き)で、バックチャンバー装着時は69×43mm(同)。重量は0.3kg。
サブウーファの「TS-W252PRS」 |
サブウーファのTS-W252PRSは、25cm径の3層構造振動板を採用。表面は平織りのアラミド繊維、中間層は発泡ポリプロピレン、裏面にガラス繊維を貼り合せている。ロングプレート&ショートボイスコイル構造など、TADでも採用されている技術を投入したとしている。
また、軽くしなやかなダンパーの外周を硬く丈夫なダンパーで支える独自の構造を採用。これらを上下に配置することで、高い耐入力と低foを両立させたとしている。再生周波数帯域は20~2,400Hz。出力音圧レベルは84dB、インピーダンスは4Ω。定格入力は400W、瞬間最大入力は800W。取付寸法は238×178mm(直径×奥行き)、重量は11.6kg。
(2010年 5月 7日)
[AV Watch編集部 中林暁]