ドコモ夏モデル、DLNA対応「LYNX」などスマートフォン強化
-フルHD動画やデザインを重視。“ドコモ品質”を訴求
1080p録画に対応した「SH-07B」 |
NTTドコモは、携帯電話の2010年夏モデルを発表した。「STYLE」、「PRIME」、「SMART」、「PRO」の4シリーズ17機種とスマートフォン3機種の合計20機種を5月21日より順次発売する。
そのうち17機種がワンセグ対応。また、PRIMEシリーズでは、動画撮影を強化し、新たに1080pの動画撮影に対応した「SH-07B」と「F-06B」も発売する。PRIMEシリーズの詳細については、別記事で紹介している。
また、スマートフォンではシャープ製のパンタグラフキーボード搭載Android端末「SH-10B」を用意。Twitterやmixiなどのソーシャルサービスとの親和性を高めているほか、無線LAN(Wi-Fi)を搭載。YouTubeやWMV動画再生などに対応する。さらに、撮影した静止画や動画をAQUOSから再生可能にするDLNAサーバー機能も備えている。
型番 | メーカー | 発売日 | ワンセグ | 特徴 | |
PRIME | |||||
SH-07B | シャープ | 5月28日 | ○ | フルHD動画 1,210万画素カメラ 防水 AQUOSファミリンク | |
F-06B | 富士通 | 6月 | ○ | フルHD動画 1,320万画素カメラ 防水ヨコスライドモーション Wi-Fi | |
N-04B | NEC | 5月27日 | ○ | HD動画(720p) 1,220万画素カメラ DLNA Wi-Fi | |
P-04B | パナソニック | 5月26日 | ○ | 1,320万画素カメラ 超解像 | |
スマートフォン | |||||
LYNX SH-10B | シャープ | 7月 | ○ | Android OS パンタグラフキーボード 5インチ/960×480ドット液晶 YouTube、WMV対応 DLNAサーバー Wi-Fi 530万画素カメラ | |
dynapocket T-01B | 東芝 | 6~7月 | - | 4.1型ワイドVGA有機EL タッチパネル+ QWERTYキーボード Wi-Fi | |
BlackBerry Bold 9700 | RIM | 7~8月 | - | QWERTYキーボード Wi-Fi | |
SMART | |||||
N-07B | NEC | 6~7月 | ○ | amadanaケータイ 13.9mmアークスライド 本皮ケース 瞬撮ケータイ | |
SH-09B | シャープ | 7月 | ○ | 11.4mmスリム 国語、英和など 辞書内蔵 | |
PRO | |||||
N-08B | NEC | 8月 | ○ | 4.6型/ワイドVGA液晶 12.7mmピッチ フルキーボード Wi-Fi LUi機能搭載 | |
STYLE | |||||
F-07B | 富士通 | 5月21日 | ○ | ヨコモーション 1,220万画素カメラ 顔認識(サーチミーフォーカス) | |
F-08B | 富士通 | 6月 | ○ | 防水 イルミネーション | |
L-04B | LG | 6~7月 | - | Studio Conranデザイン ストレート 着せ替えツール | |
N-05B | NEC | 6月 | ○ | Francfrancケータイ エモーショナル イルミネーション クイックショット | |
N-06B | NEC | 6月 | ○ | 5色カラバリ スリムデザイン | |
P-05B | パナソニック | 6~7月 | ○ | ティンクルイルミ 広角28mm810万画素カメラ 連続750時間待ち受け | |
P-06B | パナソニック | 7~8月 | ○ | 防水 感圧式タッチパネル 広角27mm 1,320万画素カメラ | |
P-07B | パナソニック | 9~10月 | ○ | クリスタルパネル ワンプッシュオープン | |
SH-08B | シャープ | 6月 | ○ | 防水 EMILIO PUCCIコラボ | |
SH-02B marimekko | シャープ | 7月 | ○ | UNIKKO(ケシの花)デザイン 笑顔シャッター オリジナルデコメ |
大型液晶搭載でワンセグにも対応したAndroid端末「LYNX」 | 4.1型有機EL搭載の「dynapocket」 | スマートフォンは8モデルで展開 |
■ スマートフォンに注力
発表会で時間を割いて説明されたのは、「スマートフォンの拡充」と、「コラボレーションモデル」。
山田隆持社長 |
スマートフォンについては、NTTドコモ 山田隆持社長が説明。4月に発売したXperia(SO-01B)の販売好調を紹介するとともに、9月にXperiaでiモードメール対応、さらに10月以降にAndroid Ver.2.1にアップグレードすることを発表した。
続いて、Android採用のシャープ製端末「LYNX SH-10B」と、Windows Mobile 6.5.3 Professional採用の東芝製端末「dynapocket T-01B」、ビジネス向けの「BlackBerry Bold 9700」の3つのスマートフォンを紹介した。
なお、従来ドコモは、PRO、PRIME、SMART、STYLEの4シリーズでそれぞれの特徴を訴求し、スマートフォンもPROシリーズに位置づけていた。今回からは「ドコモスマートフォン」と独立し、XperiaやLYNX、BlackBerryなどそれぞれの端末ブランドを活かして展開していく方針。
Xperiaは10月以降にVer.2.1にバージョンアップ | スマートフォンカテゴリを新設 | LXNXを紹介する山田社長 |
・LYNX
LYNX。2色のカラーバリエーションを用意 | 重量は230g |
LYNXは、シャープ製のパンタグラフキーボード搭載Android端末。5型/960×480ドットNewモバイルASV液晶を搭載や、無線LAN、キーボードの装備により、ブログやSNS、Webメールとの親和性を高めた点が特徴で、mixiやTwiiterなどのソーシャルサービスを楽しめる。キーボード以外にも、トラックボールやタッチパネルなど、複数の入力デバイスを駆使して操作できる点も特徴。mixiやTwitter、ブログ投稿用のウィジェットも装備する。
また、YouTubeの再生に対応するほか、WMV動画やMP3/WMA音楽の再生に対応。ワンセグや530万画素CMOSカメラも備えている。スピーカーやmicroSDスロット、Bluetoothも装備する。OSはAndroid 1.6。カラーはRedとWhiteの2色
さらに、シャープ製のAQUOSブルーレイとの連携機能を装備し、レコーダで録画したデジタル放送録画番組をLNYXに転送して再生可能。DLNAサーバー機能も備えており、LYNXで撮影した静止画や動画に、ネットワーク対応のAQUOSからアクセスし、再生できる。連続待ち受け時間は約280時間。外形寸法は148×83×17.8mm(幅×奥行き×厚み)、重量は230g。
LYNX。バタフライキーボードを採用 | 薄型のボディを採用 | AVコンテンツ用ソフトウェアも搭載 |
・dynapocketなど
dynapocket |
dyanapocket T-01Bは、OSにWindows Mobileを採用した東芝製スマートフォンで、4.1型/480×800ドットのタッチパネル対応有機ELディスプレイと、QWERTYキーボード、無線LANを搭載。microSDカードスロットやBluetooth、無線LANなどを装備する。カラーはWhiteとTitanium Black。
タッチパネル/キーボードでの操作が可能で、ユーザーインターフェイスは東芝独自の「NX!」を搭載。連絡先やメール、インターネット、カメラ、地図などの機能をすぐに呼び出し可能としている。
TwitterウィジェットやFacebookウィジェットも搭載。320万画素オートフォーカス対応CMOSカメラも備えている。なお、ワンセグは非搭載。WMA/MP3のミュージックプレーヤー機能も備えている。外形寸法は123×66×12.9mm(幅×奥行き×厚み)、重量は約160g。
BlackBerry Bold 9700は、PCメールなどを簡単に利用できるQWERTYキーボード付き端末の新モデルとなる。これらの新端末の投入により、スマートフォン8モデルで展開する。加えて、サムスンのGalaxy SをベースにしたAndroidスマートフォンも秋に発売と予告。9.9mmの薄型ボディにSuper AMOLED(有機EL)を搭載した端末となるという。
dynapocketはQWERTYキーボードを搭載。独自UIのNX!も | BlackBerry Bold 9700 | 8モデルでスマートフォン展開 |
サムスン製の新スマートフォンも披露 | 薄さと有機ELディスプレイが特徴 |
ドコモ品質をアピール |
続けて、山田社長は、スマートフォン向けのメールサービスやコンテンツ決済、アクセス制限サービスなど「spモード」を導入することを紹介。2010年夏には「スマートフォンラウンジ」を東京丸の内に展開するという。
また、アプリ販売の「ドコモマーケット」のコンテンツも年度内に現在の100から700コンテンツまで拡充するほか、9月にはコンテンツ決済サービスも展開。「高品質ネットワーク」と、「充実したサービス」という2点を「ドコモ品質」としてアピールした。
スマートフォンの需要予測については、「2010年度で市場は300万台ぐらいだろう。そのうちの100万台を目標に売っていきたい。当初はXperiaが中心になるだろう」と語った。
加えて、6月下旬にモバイルWi-Fiルータを発売することも紹介。Wi-Fi搭載携帯電話を無線LANアクセスポイント化できる「アクセスポイントモード」とともに説明し、ドコモの高品位なネットワークをポータブルゲーム機やPC、ポータブルプレーヤーなどと共有して利用できる点を訴えた。アクセスポイントモードの対応端末はN-06A(2009年夏モデル)、N-02B(2009年冬モデル)と、今回のN-04B、N-08B、F-06B。
また、iPad 3Gの発表当初、SIMフリーで出ると予告されていたため、山田社長も決算発表の席などで、対応するMicroSIMカードの発売意向を示していた。しかし、日本においてiPadはソフトバンク扱いでSIMロックがかかる形で展開されることとなった。
この件について、山田社長は「結果的にSIMロックがかかり、日本では(ドコモ回線で)使えないということになった。ただし、ドコモの3G回線を使いたいという人がいる。そのための手段として、(Wi-Fiアクセスポイント対応の)3機種も出したし、モバイルWi-Fiルータも出す。これらを使っていただく方法もあるのではないか。いずれにしろiPadだけでなく、今後増加するタブレット端末にも対応していきたい」と語った。
なお、今回の発表にあわせて、パソコンなどの外部機器を接続した通信における「パケ・ホーダイダブル」の月額上限を値下げ。従来比で3,255円の値下げとなる10,395円とする。
Wi-Fiのアクセスポイントモードを訴求 | モバイルルータで、“ドコモ回線”でタブレット端末利用をアピール |
■ デザイン×コラボをアピール。健康増進サービス「iBodymo」も
永田清人 プロダクト部長 |
NTTドコモ 執行役員 プロダクト部長の永田清人氏は、ブランドとのコラボレーション強化によるデザインやPRIMEシリーズのHDムービー機能などを紹介した。
EMILIO PUCCI、Francfranc、kate spade、marimekko、Studio Conran、amadanaと協力したデザインと選択肢の豊富さをアピール。さらに、健康応援サービスとして、iBodymo(アイ ボディモ)というサービスを立ち上げる。
iBodymoは、携帯電話を活用し、健康への気づきや行動をアシストするというサービス。日々の歩数管理やウォーキングジョギング履歴などの「運動サポート」、栄養バランスや摂取カロリーチェックといった「食生活サポート」、体を動かすゲームやメダルなどの「楽しんで継続」などのメニューを用意し、携帯電話を活用して健康管理できるというもの。月額利用料金は157.5円。ゲストには、堀北真希さんや岡田将生さんも登壇し、iBodymoの魅力をアピールした。
デザイン、カラーを訴求 | iBodymoのトップメニュー | 体幹トレーニングのデモ |
堀北真希さんと岡田将生さんも登壇 | 堀北真希さん「楽しみながら健康に気づいてほしい」 | 岡田将生さん「これからは、『楽しむ健康』で。iBodymoをぜひ使ってください」 |
■ PROシリーズ
N-08B |
PROシリーズは、12.7mmピッチのフルキーボードを搭載した「N-08B」1モデル。4.6型/854×480ドット液晶を搭載し、microSDに対応する。iモードやワンセグ、BDレコーダ連携などの機能を搭載。無線LANも備えており、アクセスポイントモードにも対応する。
NECのホームサーバークライアント「Lui」に対応。自宅のPC(Lui)を外出先のN-08から遠隔操作できる。WMA/SDオーディオ再生にも対応する。
■ SMARTシリーズ
amadanaケータイ「N-07B」と、11.4mmと薄型のビジネス対応モデル「SH-09B」をラインナップ。いずれもWMA音楽再生やワンセグ、ブルーレイディスクレコーダー連携に対応する。
N-07Bはamadanaがデザインしたモデルで3.3型480×854ドット液晶を搭載。0.8秒で起動するカメラやデザインが特徴。また、amadana brownモデルのみレザー加工のスペシャルリアカバーや本皮レザーケースなどが同梱される。SH-09Bはビジネス向けの薄型ケータイで、国語/英語/和英/新語など充実した辞書を搭載する点が特徴となっている。名刺リーダーやSDオーディオの再生機能も備えている。
amadanaケータイ「N-07B」 | amadana brown | SH-09B |
■ STYLEシリーズ
F-07B |
10モデルをラインナップ。ブランドとのコラボレーションモデルが特徴。ワンセグはL-04Bを除く全モデルが、BDレコーダ連携はL-04、N-06Bを除く全モデルが対応する。
F-07Bはヨコモーション対応の富士通製端末。1,220万画素カメラや6.2倍のスーパーデジタルズームなどを備えている。F-08Bは“シンプル防水ケータイ”と位置づけ、ekuboデザイン。IPX8防水対応で、水中1.5mでのカメラ撮影が可能。
L-04Bは、LG製のストレート端末。176度の微妙な角度がついている点が特徴で、デザイングループ「CONRAN」によるデザイン。ロンドンの町をイメージしてデザインされている。
L-04B | 176度の微妙な角度が特徴のストレート端末 | F-08B |
N-05Bは、Francfrancとのコラボによるデザインケータイ。N-06Bは5色のカラーバリエーションが選択可能で、いずれもNEC製。
N-05B | N-06B |
P-05Bは、輝く“ティンクルイルミ”が特徴で、kate spade new yorkとのコラボでデザイン。P-06Bはラウンドフォルムが特徴の防水ケータイ、P-07Bはシンプルなデザインと5色のバリエーションが特徴。
P-05B | P-06B | P-07B |
SH-08Bは、EMILIO PUCCIとコラボレーションした防水/防塵ケータイ。シャープ製で、画像処理エンジンProPixを搭載する。
SH-02B marimekkoは、フィンランドの「marimekko」とコラボしたケータイで、「UNIKKO(ケシの花)」をあしらったデザインが特徴で、フォントやキーもオリジナルデザインを採用している。
SH-08B | SH-02B marimekko | UNIKKO(ケシの花)デザイン |
(2010年 5月 18日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]