NEC、携帯電話のカメラで動画AFのノイズ抑制技術を開発

-ドコモ「N-04B」に搭載。環境雑音も同時に抑制


6月11日発表


 NECは11日、携帯電話での動画撮影において、AF時のノイズを抑制できるという技術を開発したと発表した。5月27日にNTTドコモが発売した720p撮影対応モデル「docomo PRIME series N-04B」に採用された。

新技術を搭載したN-04Bのカメラ部
 携帯電話のカメラにおいて、静止画撮影時のAF機能を動画撮影時にも動作させると、機構部の動作で発生する音をマイクが拾い、録音されてしまう問題があった。そこで、動画撮影時は焦点を固定して撮影する方法がとられ、スポーツなど動きの激しいシーンは鮮明な撮影が困難だった。

 新技術では、フォーカス動作によって生じる雑音に対し、携帯電話の種類に合わせた2種類の特徴情報(参照雑音)を用意。これらを混合することで、その瞬間の雑音特性に一致した擬似雑音を正確に生成、フォーカスで発生する雑音から減算することでノイズを抑制する。これにより、時間とともに特性が変化する雑音に対して、消し残しを最小にできるという。この技術を採用したN-04Bは、動画撮影時でも被写体に自動でピントを合わせ続けるコンティニュアスAFに対応した。

 さらに、今回の技術ではAFのノイズと同時に周囲の雑音(環境雑音)も抑えることも可能。残す必要のある音声と、過去の環境雑音推定値の比に基づいて推定し、AFで発生する雑音と同時に抑制。これにより、オートフォーカス雑音抑制後に環境雑音の抑制を行なう方法に比べて高い性能を実現し、演算量は3割削減するという。

 


(2010年 6月 11日)

[AV Watch編集部 中林暁]