リン、日本仕様のDSプレーヤー「AKURATE DS/K」

-DSシリーズが新ファームでiTunesライブラリ対応


「AKURATE DS/K」。カラーはBlackとSilver

 リンジャパンは、ネットワークプレーヤー「DSシリーズ」の新モデル「AKURATE DS/K」(アキュレート DS/K)を12月に発売する。価格は997,500円。なお、2010東京インターナショナルオーディオショウで明らかにされたように、120台の限定だが、発売を記念した特別価格として924,000円で販売する。カラーはBlackとSilver。

 また、DSシリーズ用の最新ファームウェア「CARA10」も公開。新たに、ネットワーク上のiTunesライブラリーの音楽データも再生できるようになった。




■ AKURATE DS/K

2010東京インターナショナルオーディオショウで展示された「AKURATE DS/K」
 DSシリーズのハイエンド「KLIMAX DS」(2,940,000円)の下位モデルとなるが、「もしかしたらこれは、KLIMAXに劣らない再生なのでは……と、誰もが感じざるを得ないレベルのパフォーマンスを獲得した」(リンジャパン)という。

 日本のみでラインナップされるスペシャルモデルと位置付けられており、ネットワークプレーヤーの機能としては従来の「AKURATE DS」など、これまでのDSシリーズと同じだが、スペシャルモデルではKLIMAX DSと同じ出力トランスを採用。この仕様を最大限に活かすため、最適化された専用基板も使い、高音質化を図っている。

 ゼロから新設計したという内部回路には、ロージッタ化のための新マスタークロックシステムを採用。新クロックデバイスの搭載とそれを安定動作させる最適なクロックシステムを開発し、DAC直近でノイズの無いピュアなパルスを刻むという。

 8層基板を採用し、プロセッサへの電源供給やDACへの電源供給などを分離し、ノイズを低減。75ΩのBNCデジタル出力を装備している他、この出力をOFFにする事で、本体内DAC使用時のパフォーマンス低下も防げるという。

 DACはKLIMAX DSと同じ、Wolfsonの「8741」をディファレンシャル動作で使用。DAC内のデジタルフィルタは使わず、オリジナルデジタルフィルタを使うところもKLIMAX DSと同じ。

 また、従来のDSモードで採用している待機状態のスタンバイモードを、「スリープモード」へと設計変更し、待機電力を大幅に低減したという。

背面

 筐体も改良しており、従来より厚みを1.5倍に強化し、強度をアップ。シンプルなデザインとON/OFF操作の簡易性を両立させるために、電源ボタンをフロント右底部に配している。

 再生対応ファイルはFLAC、WAV、ALAC、AIFF、AAC、MP3、WMA、VORBIS。16~24bit、7.35~192kHzまでサポートする。ネットワーク端子としてEthernetを採用。ネットワーク規格はUPnPをサポート。出力はアナログ音声のXLRとRCAを各1系統、BNCのデジタル出力を1系統用意。外形寸法は380×380×91mm。重量は5.6kg。



■ CARA10

 DSシリーズ用の新ファームウェア「CARA10」では、iTunesライブラリー音源の再生に対応した。操作・再生ソフト「Kinsky Desktop」のホーム画面にiTunesアイコンが新たに登場し、ネットワーク上のPCなどにあるiTunesライブラリー音源をプレイリストに追加し、再生できるようになった。

 DSシリーズは従来から、AIFFやApple Losslessなど、iTunesで扱っている全てのフォーマットに対応しているが、それらのiTunesライブラリの楽曲を、一度ネットワークHDDなどにコピーしてネットワーク再生していた。新ファームでは起動中のPC内のiTunesライブラリに直接アクセスし、再生できるのが新しい機能となる。

 ほかにも、インターネットラジオのメタデータに対応。受信時にKinskyDesktopや本体のディスプレイにアーティスト名、曲名などのメタデータが表示されるようになった。さらに、75局を超える320kbpsの高転送レートラジオ局の再生が可能な新しいShout castプラグインを搭載。アメリカのlive & on-demandフリーフォームラジオ局が楽しめるWFMUプラグイン、シンプルな操作でBBCラジオ局が聴けるプラグインも搭載している。

 さらに、AKURATE DS/K同様、待機時の消費電力を従来の半分以下に低減。また、従来スタンバイと呼んでいた待機状態を、「スリープ」と名称変更している。


(2010年 11月 24日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]