三洋、中央マイクが飛び出す「Xacti」PCM/MP3レコーダ

-液晶の大型化など、操作性を大幅強化。実売15,000円


ICR-PS511RM

 三洋電機は、リニアPCMレコーダ「ザクティ(Xacti)サウンドレコーダ」の中級モデル「ICR-PS511RM」を1月26日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15,000円前後。カラーはシルバー(S)。

 4GBメモリとmicroSD/SDHCカードスロットを備えた、PCM/MP3対応レコーダ。3基の内蔵マイクのうち、センターマイク部をスライドして前面に押し出せる「飛び出すズームマイク」が特徴で、これにより録音時の指向性(ズーム/ステレオ)をワンタッチで切り替えられる。センターマイク部は、新機構の採用により、センター以外の音を拾わなくするための「キャンセル穴」が拡大。従来モデルに比べ指向特性が約20%向上したという。

 また、上記のマイクポジションと、録音シーンセレクトが連動可能。従来の3マイク搭載モデル「ICR-PS504RM」もズーム/ステレオ切り替えやシーンセレクトは可能だったが、切り替えにはそれぞれメニュー内での操作が必要だった。PS511RMはマイクを引き出すと「講義・会議モード」(前方を中心に録音)に、マイクを収めると「音楽」(主にステレオマイクで録音)にするというように、2つのマイクポジションそれぞれにシーンセレクト機能をユーザーが割り当てられる。

マイク部がポップアップする従来モデル(PS504RM/右)と比較。センターマイクの根元にある「キャンセル穴」が大きくなったことで指向性が向上マイクの位置と、録音シーンセレクトを連動させることが可能。好みの設定を割り当てられる

 PCMやMP3の録音モードはPS504RMなどと同じで、PCMは16bit/44.1kHz、MP3は320/192/128/64kbps(ステレオ)と32kbps(モノラル)の録音が可能となっている。ライン入力(ステレオミニ)を備え、外部オーディオ機器からの録音も可能。そのほか、WMA(PDDRM対応)やMP3の音楽ファイル再生も行なえる。

本体メモリとmicroSD/SDHCの間でファイルをコピーできるようになった

 新たに本体内メモリとmicroSD/SDHCカードの間で相互コピーが行なえるようになったことも特徴。編集機能では、録音ファイルの分割だけでなく、結合にも対応した。従来から搭載していたメニューの音声案内は、より詳細な内容まで読み上げられるようになった。

 ディスプレイは従来のPS502PMに比べ約1.2倍に拡大。これにより、文字サイズなども拡大したほか、ミュージックプレーヤー利用時は、従来の曲名だけでなく、アーティスト名やシークバーも一度に表示できるようになった。側面にあった操作ボタンは一部が前面に集約され、十字キーも大型化している。

 再生時のノイズキャンセル再生機能や、高域/低域の不要なノイズを低減し、音声を聞き取りやすくする「クリアボイス」機能、空調などの音を録音時にカットするローカットフィルタ、音程を維持したまま21段階で再生速度を変更できる機能も備える。

 出力80mWのモノラルスピーカーやヘッドフォン出力、ライン/マイク入力兼用端子などを装備。パソコンとの接続はUSB 2.0で、USB端子はスライド収納式。対応OSはWindows XP/Vista/7。電源は単4電池1本で、本体にエネループ充電池を収めたままでPCなどからUSB充電できる。エネループ利用時の電池持続時間はMP3録音時が約17時間、PCM(16bit/44.1kHz)で約9時間。再生は、MP3が約18時間、PCMが約9時間。

 外形寸法は108.3×39.9×14.1mm(縦×横×厚さ)で、電池を含む重量は約61g。エネループ充電池、ステレオオーディオケーブル(ミニジャック)などが付属する。

内部基盤をPS504RM(右)と比較。十字キーなどの基板をディスプレイ部と別にしたことで、薄さをなるべく維持しながらボタンを大型化した背面のスライドUSB端子細かな点だが、バッテリ部のカバーはワイヤーでつながっており、外したときの紛失の心配が無くなったこともうれしい


(2011年 1月 13日)

[AV Watch編集部 中林暁]