ネット遠隔セッションの「NETDUETTO」が本格サービスへ

-ヤマハとNTT東西が協業。「VOCALOID CAFE」でデモも


新サービスで想定する利用シーン

 ヤマハと東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)は3日、ネットワークを利用した新しい音楽スタイルの実現などを目的に協業すると発表した。

 協業の第一弾として、NTT東西の提供する次世代ネットワーク(NGN)の「フレッツ光ネクスト」と「ひかり電話」、ヤマハが開発した「NETDUETTO(ネットデュエット)」を活用したサービスを、4月末より音楽リハーサルスタジオやカラオケ事業者向けに提供。音の遅延が無く、快適に遠隔地でセッションができる演奏環境を構築するという。3月4日よりコンサルティングの受付を開始。料金は利用環境により異なる。

 今回のサービスでは、ヤマハの「NETDUETTO(NGN版)」で遠隔地間を繋ぎ、NTT東西の「フレッツ光ネクスト」、「ひかり電話」の帯域確保/優先制御機能を活用。演奏者がそれぞれNETDUETTOのNGN版をインストールしたパソコンとオーディオインターフェイスを介して、「双方向音楽セッション」が行なえる。インターネットを経由せず、NGNの閉じた通信により、高品質/低遅延での通信を実現。また、ひかり電話の電話番号で相手を呼び出すことで、簡易にセッションを開始できるという。

 「NETDUETTO」は、簡単な設定でインターネットなどのネットワークを介して、できるだけ小さな遅延で、高音質なオーディオを送受信する技術。これによって、離れた場所にいる人たち同士での音楽セッションや、デュエットが行なえる。

 今回のサービス開始に合わせて、このソリューションを体感できるデモ環境を東京や大阪、名古屋などのスタジオに設置。また、ヤマハが3月3日~9日の期間限定で六本木にオープンした「Y2×VOCALOID CAFE」においても、デモンストレーションと展示を行なう。

 この協業により、NTT東西の持つセキュアなネットワークと営業力、ヤマハの音響技術やネットワーク機器開発技術など、それぞれの強みを活かし、遠隔地間を繋ぐ演奏環境ビジネスにおいて強力なリーダーシップを発揮していくという。

 また、今後の展開として、ライブや音楽イベントでの活用、ゲームやカラオケ、クラウドサービスとの連携やSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)との連携、ネットワークの機能開発、一体型ハードウェア開発などへの発展を見込む。また、個人ユーザーだけでなく、プロユーザーへの展開も視野に入れているという。

今回のソリューションの概要デモ環境が設置されるスタジオ


(2011年 3月 3日)

[AV Watch編集部 中林暁]