大阪でのiPad 2発売当日の現場を追う

-経済活性化は関西からの印象強める


28日から日本でも発売開始されたiPad 2(ブラック)

 2011年4月28日、iPad 2が日本で発売された。

 Apple直営店およびソフトバンクショップなどの一部のiPad取扱店で午前9時から発売。オンラインショップのApple Storeでは、4月29日午前1時から発売となる。

 米国での3月11日の発売に続き、3月25日には欧州各国などで発売。日本も3月25日の出荷が予定されていたが東日本大震災の影響を考慮して、発売日を延期していた。

 なお、香港、インド、イスラエル、韓国、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、南アフリカ、トルコそしてUAE(アラブ首長国連邦)では4月29日に発売。中国ではWi-Fi版が5月6日に発売される。


iPad 2のホワイト同日より、iPhone 4のホワイトモデルも発売開始された


■ アップルストア心斎橋に約400人

 震災の爪痕が残る東日本地域、節電への取り組みが加速している東京電力管内の首都圏では、発売イベントなどを自粛する動きもあるが、東京に比べて節電への対応などがそれほど深刻ではない大阪では、4月28日のiPad 2の発売でも一応の盛り上がりをみせていた。

 アップルストアや家電量販店各店では、華美な演出を避けることに留意していたものの、関西地区のユーザーのiPad 2への期待感は大きく、経済活性の起爆剤は関西から、という意識がここからも感じられるものとなった。

 大阪・心斎橋のアップルストア心斎橋では、前日午後3時から並んだ男性を先頭に、曇り空のなか、発売30分前にはWi-Fiモデルで約350人、Wi-Fi+3Gモデルで約50人が列を作っていた。

 Wi-Fiモデルの購入者の列は、アップルストアがある御堂筋周防町の交差点から、ひとつ先の御堂筋八幡町の交差点まで列ができ、列に並んでいた人には、アップルストアのスタッフから、ペットボトルの水が配布されるというサービスも行なわれていた。

Wi-Fiモデルの購入者の列は、ひとつ先の御堂筋八幡町の交差点まで伸びたWi-Fi+3Gモデルの列はアップルストアに沿って並んだ

 通常の開店時間を1時間繰り上げ、午前9時から行なわれたiPad 2の発売では、カウントダウンは行なわれずに、ハイタッチもないという、いつもの新製品発売時とは一転した静かな売り出し。「ではアップルストアをオープンします。いらっしゃいませ」というスタッフの挨拶のあと、店内に入ったお客を、スタッフが拍手で迎え入れるに留まった。

発売直前のアップルストア心斎橋の店内の様子列に並んだ人に配布されたペットボトルの水
いよいよ販売開始。カウントダウンは行なわずに静かに入店発売直後の店内の様子。スタッフが拍手で迎え入れた


■ ヨドバシカメラマルチメディア梅田では店内にも長蛇の列

午前8時時点のヨドバシカメラマルチメディア梅田。その時点で200人ぐらいが並んでいた

 大阪・梅田のヨドバシカメラマルチメディア梅田では、堺から駆けつけ、午前5時に並んだ男性を先頭に、午前8時の時点で約200人が列を作った。先頭の男性は64GBのWi-Fiモデルを購入することを決めてきたという。

 発売後は並んでいたすべてのお客を店内に入れたが、Wi-Fiモデルの販売を行なっていた地下1階では、店内を縫うように長蛇の列ができており、発売から約1時間後には32GBのホワイトモデルが真っ先に売り切れた。

 同店では、4月22日に1階フロアにAppleショップをオープンしたばかり。iPad 2を15台以上並べて、多くの来店客が触れるようにしていたほか、iPad 2用のアクセサリーコーナーを用意し、アクセサリーを同時購入するユーザーが真剣な表情で選んでいた。

 また、携帯電話売り場では、ソフトバンクコーナーにiPhone 4のホワイトモデルを一堂に展示。オープン直後から女性層を中心にホワイトモデルの購入が目立ったが、一部の来店客からは「ずっとホワイトモデルの発売を待っていたのだが、今年秋にはiPhone 5の発売の噂もあり、悩んでしまう」といった声も聞かれていた。

店内でも長蛇の列ができていた。写真は地下1階のiPad 2のWi-Fiモデルの列購入整理券を配布。32GBのホワイトモデルはすぐに売り切れた
iPad 2のWi-Fi+3Gモデルの契約カウンターにも列ができていた1階にオープンしたばかりのAppleショップでも数多くのiPad 2を触れるようになっている
iPad 2用のアクセサリーコーナーも設置しているソフトバンクのコーナーではiPhone 4のホワイトモデルを展示


■ ビックカメラなんば店ではアクサセリーの展示に力注ぐ

ビックカメラなんば店の様子。午前8時15分の時点では約15人の列

 千日前のビックカメラなんば店では、岸和田市から車で駆けつけ、午前5時から並んでいた男性を先頭に、午前9時の発売時点で約30人の列。先頭の男性は、これまでiPod touchを利用していたが、iPadを利用するのは今回が初めてだとしており、「発売されるのを楽しみにしていた」という。

 ビックカメラなんば店では、前日の閉店後、iPad 2の発売に向けて、4階フロアのAppleショップにiPad 2の展示準備を開始。さらに、1階フロアの携帯電話売り場にも、同じくこの日発売になったiPhone 4のホワイトモデルとともに、iPad 2を展示した。

 「iPadの購入者は、ほぼ100%のユーザーが、本体とともに、防護フィルムとケースを購入していく。iPad 2の純正アクセサリーとともに、サードパーティーのアクセサリーの展示を強化した」(ビックカメラなんば店・松山敬吾副店長)とした。

 「iPad 2では、ホワイトモデルが追加されたことで女性層への広がりも期待できる。また、シニア層の購入もこれまでと同様に多くなりそうだ。今後の入荷状況が気になるが、ゴールデンウイーク中は、iPad 2が注目を集める製品のひとつになるのは間違いない」とする。

 iPad 2の発表以降、買い控えていたユーザーの購入のほか、初めてiPad 2を購入する新規ユーザーの獲得にも期待しているという。

ビックカメラなんば店のAppleショップの様子iPad 2のアクセサリーの展示にも力を入れている
アップル純正のiPad Smart Coverも展示し、自由に色が選べる環境を用意初日に入荷したiPad 2。今後の入荷状況は未定だという1階のiPhone 4のコーナーにもiPad 2を展示した


(2011年 4月 28日)

[Reported by 大河原克行]