ソニー、NCボックスレスを実現したNCイヤフォン
-バッテリやLSIをハウジングに内蔵。独自BA搭載
ノイズキャンセリングイヤフォン「XBA-NC85D」 |
ソニーは、自社設計のバランスド・アーマチュア・ユニットを採用し、バッテリやLSIなどを全てハウジング内に搭載したノイズキャンセリングイヤフォン「XBA-NC85D」を11月10日に発売する。価格は43,050円。
同日発表したXBA-1SLと同様の、自社設計バランスド・アーマチュア・ユニットをフルレンジのシングルで搭載した、カナル型(耳栓型)のアクティブ・ノイズキャンセリング(NC)イヤフォン。
最大の特徴は、従来のNCイヤフォンでケーブル途中に必要だった、NCボックスを無くした事。小型のBAユニットを採用する事で、イヤフォンのハウジング内にスペースが生まれ、ノイズキャンセリングを行なうLSIや、ニッケル水素充電池をハウジング内部に搭載。騒音を集音するマイクも備え、NCボックスレスのNCイヤフォンを実現した。
なお、NCボックスは無いが、ケーブルに小さな電源ON/OFF用のコントローラーは備えている。
NCボックスは無いが、ケーブルに小さな電源ON/OFF用のコントローラーは備えている | イヤフォン部分の裏側 |
ノイズキャンセリング機構は、デジタルタイプ。マイクで集音した騒音を、ADコンバータでデジタル化し、キャンセリング波形をデジタルで生成するもので、デジタルフィルタで波形を作り出すため、アナログの信号処理でキャンセルするよりも複雑な波形形状も生み出すことができ、外来ノイズの影響も受けにくいといった特徴がある。処理は、独自の「DNC(デジタルノイズキャンセリング)ソフトウェアエンジン」で行ない、約97.5%の騒音を低減するとしている。
なお、DNCソフトウェアエンジンで処理するLSI「新インテグレーテッドDNCプロセッサ」は、消費電力3mWを実現。ハウジングに内蔵する小さなボタン充電池で20時間のNC動作時間を実現した。
また、騒音を集音するマイクには、MEMS(微小電気機械システム)マイクロフォンの音響・機械部品使っており、3×4×7mmという超小型なマイクを完成させ、ハウジングの突起の先端に配置している。
騒音の種類を自動的に判断し、最適なNC特性をイヤフォンが自動的に選択する「AIノイズキャンセリング」機能を搭載。
ハウジング内のバッテリ充電は、ステレオミニの入力プラグから行なう。製品にUSBメモリのような形状の充電パーツが付属しており、これをPCなどのUSB端子に装着。USB端子の反対側がステレオミニ端子になっており、ここにNCイヤフォンの入力端子を接続すると、充電できる。
突起の先端についているのが、超小型マイク | 付属の充電用USBパーツ | PCなどとUSB接続し、ステレオミニ端子から充電する |
インピーダンスは820Ω。感度は106dB/150mV。イヤーピースは、傘の部分の内側に低反発ウレタンを充填したノイズアイソレーションイヤーピースを同梱。ケーブルは1.5mで、ネックチェーン型。重量は5.5g。
(2011年 9月 20日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]