SRS、空間情報をメタデータで保存するサラウンド

-チャンネル数に依存しないMDA。PC/TV向け技術も


 SRS Labsは、新しいサラウンド音声用プラットフォーム「MDA」(マルチディメンショナルオーディオ)を、2012 International CESで披露した。3D空間にマッピングした個々の音の空間情報を、メタデータとして保存する事で、5.1chや7.1chといった、スピーカー構成に依存しないサラウンド再生を可能にするという。SRSでは「オブジェクトベースのオーディオ再生方式」と説明している。

 さらに、PC向けのオーディオチューニング&強化ソリューション「SRS Premium Sound 3D」も発表。テレビやサウンドバー用のチューニングオーディオツール「SRS PureSound」も発表している。



■MDA

 「MDA」は、一般的なスピーカー構成に依存した音声再生ミックス方法ではなく、サラウンドトラックのあらゆる音声成分を3D空間でマッピングし、それら音声成分一つ一つの空間情報をメタデータとして記録。チャンネルやスピーカー構成に依存せず、「ミキサーが意図した通りの音声の空間情報を維持した音響感を実現できる」とする。

 さらに、チャンネルベースのサラウンドではないため、5.1chや7.1chなど、従来のスピーカー構成にも対応可能。一方で、11.1chを超える多チャンネルにも対応できるため、「未来のプラットフォームにも互換性があり、将来も使い続けられる」(SRS)としている。



■SRS Premium Sound 3D

 PCメーカー向けのソリューションで、製品に合わせたオーディオチューニングを行なう様々な技術を採用。

 左右の広がり感、奥行き感、上下感を正確に再生し、広がり感のあるサラウンド空間を生成する「空間レンダリング技術」、圧縮オーディオファイルからクリアなサウンドを復元する技術、スピーカーパフォーマンスを引き出し、大音量再生を可能にする技術などで構成。重低音再生や、音量変動を解消して一定音量を保つ技術なども含まれている。



■SRS PureSound

 サウンドバーやテレビ向け技術。音響心理学を応用した低音増強技術と、ハイブリッドイコライザを組み合わせたもの。

 音声信号の特定成分量をインテリジェントに分析し、有限インパルス応答(FIR)と、無限インパルス応答(IIR)を適切にミックス。2chスピーカーの周波数レスポンスカーブを適応的に補正。耳に心地よい安定したベースラインを実現し、低音部分の音調を復元。「最大限の重低音を再生する」という。


(2012年 1月 12日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]