ラトック、専用ドライバ不要の24/192対応USB DAC

-独立クロック搭載。ヘッドフォンアンプも内蔵


DAC内蔵ヘッドホンアンプ「RAL-24192HA1」

 ラトックシステムは、USB接続に対応し、24bit/192kHzに対応したDAC内蔵ヘッドホンアンプ「RAL-24192HA1」を、4月下旬に発売する。価格は50,400円。

 USBと光デジタルの入力を備えたDAC内蔵のヘッドフォンアンプ。標準プラグのヘッドフォン出力と、RCAのアナログライン出力を各1系等装備。192kHz対応のUSB DACながら、USB Audio Class 2.0の専用ドライバをインストールせず、Windows PCに接続するだけで使用できるのが特徴。

 具体的には、OS標準のUSB EHCI(High Speed 480Mbps)デバイスドライバーが持つ「High Band Widthモード」と、USB Audio Class 1.0クラスドライバにより、24bit/192kHzの音楽データの転送を可能にしている。

 USBデバイスドライバ(UHCI/OHCI Full Speed 12Mbps用)のIsochronousパケットの最大サイズは、1フレームあたり1,023バイト(データ部)あるが、EHCI(High-Speed)ドライバでは、ビデオデータや9.1chのDTS-HD、ドルビーTrue HDといった、大量データに対応するため、1マイクロフレームあたり3,060バイトのデータを転送することができる。

 そのため、UHCI/OHCIでは24bit/96kHz(576Bytes)が限度だったが、RAL-24192HA1はEHCIのHigh Band Widthモードを使う事で、32bit/192kHz(1,536Bytes)までの転送に対応している。ただし、内蔵しているDACは24bit/192kHzまでの対応となる。

 内部には、独立した高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz、24.576MHz)を搭載。音楽ファイルのオリジナルサンプルレートに合わせ、正確なクロックを生成。そのクロックをもとにD/A変換を行なう。

 USBでは、PCから受信したエンドポイント(バッファメモリ)に格納されたデータを、RAL-24192HA1内部の水晶発振器で生成した低ジッタのオーディオ用マスタークロックにより読み出し、Audio Stream(I2S)を作成。内蔵DACも同じマスタークロックで動作させているため、24bit/192kHzまでのハイレゾ音源を正確に再生できるという。

 データとクロック信号を重畳して1本の信号線で伝送している光デジタルでは、この信号から分離したクロックでデータを復調せずに、USBと同様エンドポイント(バッファメモリ)に格納した受信データを、内部で生成したクロックにより復調。接続機器や光ケーブルに起因するジッタに影響されることなく、マスター音源に近いアナログ変換を実現するとしている。


背面。RCAアナログ出力も備えている

 PCとのUSB接続や、外部機器とのケーブル接続により侵入するノイズの影響を避けるため、コモンモードフィルタと静電破壊防止回路を実装。回路ブロックごとに独立したフィルタも実装することで、USBバスパワー駆動時でも高音質な再生ができるという。

 なお、電源はUSBバスパワーだけでなく、付属のACアダプタも使用可能。別売のオーディオ用ACアダプタ「RAL-AC05-03」や5V電源ユニット「RAL-PS0514」と組み合わせて、電源による音質の変化を楽しむこともできる。

 対応機種は、USB 2.0(Hi-Speed USB/480Mbps)ポートを備えたWindowsPC、Macで、OSはWindows XP/Vista/7に対応。32bit/64bitのどちらもサポート。Mac OS X 10.6以降もサポートする。



(2012年 4月 12日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]