au、Tegra 3の「ARROWS Z」などAndroid 4.0スマホ5機種
-WiMAX 3機種など。新STBの「Smart TV Box」も予告
発表された新モデル |
auは15日、Android搭載スマートフォン5機種などの新端末を発表した。NVIDIA Tegra 3搭載でDTCP-IP対応の「ARROWS Z」と、「AQUOS PHONE」3機種、有機EL搭載「URBANO PROGRESSO」をラインナップし、5月下旬以降に順次発売する。
OSは5機種ともAndroid 4.0で、防水/防塵仕様。ワンセグや赤外線通信、FeliCa(おサイフケータイ)にも対応する。また、「ARROWS Z」と「AQUOS PHONE SERIE」、「URBANO PROGRESSO」の3モデルはWiMAXを搭載し、これらはテザリングにも対応する。
さらに、東芝製の10.1型「レグザタブレット AT500/26F」のau専用モデルもラインナップ。3Gは搭載しないが、「auスマートパス」や「au Wi-Fi SPOT」、写真共有などau IDを使ったサービスが利用できる。
ゲストとして登場した赤坂泰彦さん、剛力彩芽さん、伊勢谷友介さん |
製品名 型番 メーカー | ディスプレイ | WiMAX | DLNA DTCP-IP | その他特徴 |
ARROWS Z ISW13F 富士通 | 4.6型 1,280×720ドット 液晶 | ○ | ○ | Tegra 3 MHL |
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH シャープ | 4.6型 1,280×720ドット CGシリコン液晶 | ○ | ○ | NFC/FeliCa両対応 MHL |
AQUOS PHONE SL IS15SH シャープ | 3.7型 960×540ドット 液晶 | - | ○ | スライド型 テンキー |
AQUOS PHONE CL IS17SH シャープ | 4.2型 960×540ドット 液晶 | - | ○ | 2.1型サブ液晶 |
URBANO PROGRESSO 京セラ | 4型 720×480ドット 有機EL | ○ | - | 金属調塗装 |
レグザタブレット AT500/26F 東芝 | 10.1型 1,280×720ドット IPS液晶 | - | ○ (東芝製レコーダ利用) | Tegra 3 |
■ ARROWS Z
ARROWS Z ISW13F |
4.6型液晶搭載モデルで、クアッドコアCPUのNVIDIA「Tegra 3」を搭載し、処理能力を向上。対応レコーダで録画した番組をDLNA/DTCP-IPで視聴できるほか、MHLにも対応し、撮影した動画などをHDMI搭載テレビに出力できる。指紋センサーも搭載。
メインカメラには1,310万画素の裏面照射CMOS「Exmor R for mobile」を搭載。画像処理エンジンの「Milbeaut Mobile」も備える。外形寸法は約135×67×10.6mm(縦×横×厚さ)、重量は約145g。カラーはグロッシーレッドとマットブラックの2色。
■ AQUOS PHONE 3機種など
AQUOS PHONE SERIE ISW16SH |
AQUOS PHONEは3機種ともDLNA/DTCP-IPに対応し、レコーダなどで録画した番組を無線LAN経由で再生可能。AQUOS PHONE SERIE ISW16SHは、透過率を高めたCGシリコン液晶パネルを搭載。「SVエンジン3」により、実物に近い色を表現できるという。屋外など、周囲の環境に合わせた画質調整機能も備える。4.6型液晶ながら、本体幅66mmという狭額縁デザインを採用している。
ISW16SHは世界初というNFC/FeliCaの両対応も実現。おサイフケータイとして普及しているFeliCaだけでなく、NFC対応機器同士をかざしてデータ転送できる「Androidビーム」なども利用できる。MHLにも対応。メインカメラは1,211万画素の裏面照射CMOSを搭載。CPUは1.5GHz/デュアルコア。画面消灯時などにアプリを制御して電池の持続時間を延ばせる「エコ技」を搭載する。内蔵フラッシュメモリ容量は16GB。外形寸法は約126×66×11.2mm(縦×横×厚さ)、重量は約136g。カラーはホワイトのみ。
AQUOS PHONE SL IS15SHは3.7型液晶とハードウェアテンキーを搭載したスライド型ストレート端末。横幅は58mm。メインカメラは804万画素CMOS。省電力機能の「エコ技」も搭載する。CPUは1.4GHz/シングルコア。内蔵フラッシュメモリ容量は4GB。外形寸法は約121×58×14.8mm(縦×横×厚さ)。カラーはカシスピンク、ミントブルー、ダリアブラックの3色。
AQUOS PHONE CL SI17SHは、4.2型液晶に加え2.1型のメモリ液晶をサブディスプレイとして搭載。メイン液晶消灯時にも時計などをメモリ液晶に表示できる。「エコ技」も搭載する。CPUは1.4GHz/シングルコア。内蔵フラッシュメモリ容量は8GB。外形寸法は約132×65×8.9mm(縦×横×厚さ)。重量は約132g。カラーはダークネイビー、ピュアホワイト、コーラルピンクの3色。
京セラ製の「URBANO PROGRESSO」は、4型有機ELを搭載。金属調の塗装や、高級感を持たせたキーなどデザイン性の高さが特徴。騒音の中でも音声を聞き取りやすいというスマートシニックレシーバーも搭載する。メインカメラは808万画素CMOS。CPUは1.4GHz/シングルコア。内蔵フラッシュメモリは4GB。外形寸法は約125×64×10.8㎜(縦×横×厚さ)、重量は約139g。カラーはオレンジ、シルバー、ピンクの3色。
AQUOS PHONE SL IS15SH | AQUOS PHONE CL IS17SH | URBANO PROGRESSO |
■ レグザタブレット「AT500」のau専用モデル
レグザタブレット「AT500/26F」 |
「AT500/26F」は、NVIDIA Tegra 3を搭載した東芝製のAndroid 4.0タブレット。3G通信やWiMAXは搭載しないが、「au ID」で使えるサービスが利用可能なことが特徴で、アプリ取り放題などの「auスマートパス」や、オンライン写真共有の「Photo Album(au cloud)」などが利用できる。なお、14日に東芝から発表されたAT500シリーズはメモリ容量64GBと32GBのモデルを用意しているが、auモデルはそれらより少ない16GB。
東芝の「レグザAppsコネクト」を使って対応レコーダ/テレビと連携でき、録画番組や放送中の番組を無線LAN経由で視聴できる。ディスプレイは10.1型/1,280×800ドットのIPS液晶。高画質化技術のレゾリューションプラスも搭載する。メインカメラは500万画素。外形寸法は約178.9×260.6×9mm(縦×横×厚さ)、重量は約599g。
au IDのサービスが利用可能 | レグザAppsコネクトを使った、テレビ/レコーダ連携といった機能も利用できる | 背面 |
■ 新STB「Smart TV BOX」を夏にトライアル開始
発表会は、新サービスの「ビデオパス」と「うたパス」に重点を置いた内容となった。なお、各サービスの詳細については別記事で掲載している。
KDDIの田中孝司社長 |
その“コンテンツ”について田中氏は「auでは“音楽”と“映画”にターゲットを絞り、エンターテインメントの視聴スタイルを変えたい」と述べた。同社調査によれば、現在の音楽や映画の楽しみ方について「レンタルショップに行くのが面倒」、「レンタルだと結局何枚も借りてお金がかかる」、「いま流行っている曲を知りたい」、「曲名を思い出せない」、「自分で編集した楽曲リストをみんなに聞かせたい」、「レンタルで貸し出し中だとがっかりする」、「返すのが面倒」、「気に入った映画は何度も見たい」、「ネット定額サービスは登録するのが面倒」といった不満やニーズが挙げられ、これらを踏まえた上で新サービスを計画したという。
サービスの具体的な内容は、執行役員専務 新規事業統括本部長の高橋誠氏が説明。「スマートフォンならではの映像と音楽をどうやって楽しむかが大きなテーマ。これまでは、DVDが発売された後、3~4カ月してから配信されるということもあったが、ビデオパスではコンテンツプロバイダとの協力で、新作がすぐ観られるようになった」とした。
他社の動画配信サービスも引き合いに出し「Hulu(月額980円)に比べて安い。見放題のラインナップが邦画にも強く、アニメも豊富。ドコモやソフトバンクのサービスもHuluより安いが、auのビデオパスでは見放題の他に、毎月1本の新作が借りられる。これを差し引くと有利な料金」とした。
また、「うたパス」については、「海外のPandraに似たサービス」と説明。「忙しい人は、なかなか自分の好きな曲を探すというのが難しいと思うが、ソーシャルフォローによって、いろんな曲と出会える。人の数だけチャンネルは無限大」とアピールした。
高橋誠専務 | 他社の動画配信との比較 | ビデオと音楽のサービスで、スマートパスの脇をめる形となった。写真でもわかる通り、その両脇にも何かが予定されていることも示唆した |
「スマートパス構想」の今後については、田中氏が「新しいテレビ生活を提案する」と予告。テレビに接続してビデオパスやうたパス、YouTube、ゲームなどが大画面で楽しめるSTB「Smart TV Box」を使ったサービスを、今夏にトライアルで開始することを明かした。
今夏のトライアルを予定する「Smart TV Box」 | Smart TV Boxの紹介ビデオ。シンプルなUIを採用 | ビデオパスやうたパス、YouTubeなどが利用できる |
赤坂さん、剛力さん、伊勢谷さんと田中社長 |
最近、スマートフォン動画にハマっているという伊勢谷友介さんは、手元のスマートフォンでビデオパス配信作品の「マトリックス レボリューションズ」を再生。斬新な映像表現を観ながら「これは参考になります」と、映画監督としても活動する伊勢谷さんならではの視点でコメント。高橋氏がスマートフォンからテレビにつないで、大画面で再生できることなども説明すると、「スマートフォンではいろんな世界が広がっていて、期待と共にワクワクしています」と話した。
普段は、家の中で家族と一緒にいることも多く、映画では恋愛作品をよく見るという剛力さん。ビデオパスについて「レンタルに行くと、借りたいものが無い場合もあるからうれしい」と語った。
“高橋専務の家”(実際はセット)にゲストらが招かれ、ビデオパスのサービスを体験した |
(2012年 5月 15日)
[AV Watch編集部 中林暁]