パイオニア、ESSの32bit DAC搭載2chプリメイン「A-70」

-USB DAC機能付きで約18万円。10万を切る「A-50」も


USB DAC機能も備えたプリメイン「A-70」

 パイオニアは、プリメインアンプ2機種を10月中旬に発売する。価格は、USB DAC機能も備えた「A-70」が177,000円、「A-50」が94,000円。

 どちらのモデルも、ダイレクトパワーFETを採用した2chのクラスDアンプ。高速応答性を生かすための大容量アナログ電源回路を投入し、ノイズシールドを徹底したカスタムトランスとカスタムコンデンサを採用。ダイレクトパワーFET素子では、音質に影響を与えるヒートシンクを最小化。信号経路も最短化し、音質への影響を排除している。


「A-70」「A-50」
A-70の内部。3つの部屋に別れているが、右がプリ部、中央と左がパワー部。左下は電源トランス、右下はプリ部専用電源トランスとなる

 また、プリ部とパワー部の相互干渉を排除する「プリ/パワーセパレート構造」を採用。デジタル用やプリアンプ基板など、各機能の基板を独立させて配置。信号系との最短化を念頭にレイアウトし、アイソレーションも徹底。セパレートアンプに迫るクオリティを実現しているという。

 定格出力は2機種共通で、90W×2ch(4Ω)、65W×2ch(8Ω)。スピーカー出力はAとBの2系統あり、同時出力やバイワイヤリング接続にも対応できる。

 A-70のみの特徴として、ESS社のDAC「SABRE32」を搭載。USBでPCと接続し、最高で32bit/192kHzまでの音楽データを再生できる。伝送時はアシンクロナス伝送で、ジッタを低減。さらに、同軸デジタル入力も用意する。同軸デジタル接続は24bit/192kHzまでとなる。なお、USBメモリ内の音楽再生機能やネットワークオーディオ機能は備えていない。


A-70のみ、ESS社のDAC「SABRE32」を搭載しているカスタムコンデンサダイレクトパワーFET

 さらにA-70のみの機能として、プリ/パワー部に独立した大容量電源トランスを搭載。
A-50は独立トランスではないが、大容量電源トランスを搭載し、プリ/パワーに巻線を分けてノイズ管理をしている。

 A-70A-50
USB DAC/デジタル入力
PhonoMM/MCMM
アッテネーター
プリ部独立電源
真鍮削り出しインシュレータ
アルミ切削ボリューム
アンダーベースと
サイドパネル

 A-70はPhono専用基板も搭載し、MM/MCの両方に対応。A-50もPhono入力を備えているが、MMのみの対応となる。また、A-70はアッテネーター機能も利用可能。

A-70の背面A-50の背面

 さらにA-70のシャーシには共振ノイズを低減する、3分割のフレーム構造を採用。アルミのサイドパネルや、底板のダブル構造を採用。天板の放熱孔も剛性を高めている。

A-70のシャーシには共振ノイズを低減する、3分割のフレーム構造を採用

 また、インシュレータも、A-70は真鍮削り出し。ボリュームノブはアルミ無垢材の削り出しとなり、電源ケーブルも極太のものを採用する。ロンドンのAirStudioの音質認証も取得した。

A-70のボリュームノブはアルミ無垢材の削り出しインシュレータも、A-70は真鍮削り出し

 A-70はアルミ材を使ったリモコンを、A-50は、ヘアライン仕上げのリモコンを同梱する。両モデルとも、長時間使用しない場合に、自動的に電源が切れるパワーマネジメント機能を搭載する。細かな仕様は下表の通り。

 A-70A-50
定格出力90W×2ch(4Ω)
65W×2ch(8Ω)
スピーカー対応
インピーダンス
4~16Ω(A or B)
8~32Ω(A+B)
4~16Ω(バイワイヤリング)
SN比ライン:101dB
Phono MM:89dB
Phono MC:74dB
パワーアンプダイレクト:110dB
ライン:101dB
Phono MM:89dB
パワーアンプダイレクト:110dB
入力端子同軸デジタル×1
USB DAC用入力×1
アナログ×4
Phono(MM/MC)×1
パワーアンプダイレクト×1
アナログ×5
Phono(MM)×1
パワーアンプダイレクト×1
出力端子アナログ×1
ヘッドフォン×1
その他の端子SR(コントロール)入出力
消費電力74W72W
待機時消費電力0.3W
外形寸法
(幅×奥行き×高さ)
435×361.5×141.5mm435×357×138.5mm
重量18.2kg11kg

(2012年 9月 11日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]