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ヤマハ、iPhoneで簡単ボカロ作曲の「VOCALOID first」
TENORI-ONアプリのエレクトロニックミュージック版も
(2013/11/7 20:49)
ヤマハは、メロディ素材をつなぎあわせてVOCALOID曲を作成できるiPhone/iPod touch/iPad向けアプリ「VOCALOID first」を11月7日よりApp Storeで無償提供開始した。対応OSはiOS 6.1以降で、iPhone 4S/5、第5世代iPod touch、iPad 2、第3世代iPadで利用できる。
また、直感的な操作で作曲できる電子楽器「TENORI-ON」をiPad/iPod touch/iPhoneアプリ化した「TNR-e」を、App Storeで同日より発売した。価格は2,000円。対応OSはiOS 7.0以降で、iPhone 4/4S/5/5s/5c、第5世代iPod touch、iPad 2、第3/4世代iPad、iPad miniで利用可能。
VOCALOID first
音楽制作の経験が無くてもVOCALOID曲を簡単に制作できるというiOSアプリ。あらかじめ用意されたメロディー素材を並べて歌詞を入力するだけでボカロ曲を作れる。
なお、同社が2010年より販売しているアプリ「iVOCALOID」シリーズは、音程や音の長さをノート(音符)単位で入力してメロディを制作する本格的な制作スタイルを採用している。新しい「VOCALOID first」は、メロディ素材を組み合わせるだけで簡単に制作できるため「より幅広い制作スタイルに対応できるようになった」としている。
ボカロ曲を作るには、まず「楽曲テーマ」を選択。「はじめてのボカロうた」、「純心ガール☆ポップチューン」、「サラリーマン侍 テクノ川柳」など様々な世界観のテーマが用意され、各テーマのサンプル曲をあらかじめ試聴可能。無料のテーマに加え、200円の有料テーマも用意している。
その後で、用意されたメロディ素材をブロック単位で並べていくと、伴奏付きの楽曲を制作可能。メロディブロックの入れ替えや削除は後からでも自由に行なえる。また、音の高さをノート単位で変更することもできる。ノートを複数選択すると、楽曲テーマに沿った歌詞の候補をアプリが自動で提案。そこから歌詞を選んでノートに流し込める。ユーザーが自由に歌詞を入力することも可能。アプリの歌声には、日本語女声の歌声ライブラリ「VY1」を採用している。
作成した楽曲はm4a形式のオーディオファイルで外部にメール送信でき、友人などと共有可能。なお、PC版「VOCALOID」用のシーケンスファイル(vsq/vsqx)には対応していない。
VOCALOID firstのアプリ開発にあたり、メディアデザイナー・ゲームクリエイターの水口哲也氏をプロデューサーとして迎え、「クリエイティブな世界へのいざない」をコンセプトとした世界観の表現と、操作していて心地良さを感じさせるようなユーザーエクスペリエンスの実現を追求した」としている。
TNR-e
縦横に16×16個のボタンを備え、音楽知識がなくても直感的に楽曲を作成/演奏できる電子楽器「TENORI-ON」のiPad/iPhone向けアプリ。TENORI-ONと同じ16×16のボタン配列とし、横方向が時間、縦方向が音程を表す。このボタンを押して音を置いていくことで、リズムやメロディを組み合わせて音楽を作れる。
TNR-eは、2011年より発売している「TNR-i」(2,000円)を、ダブステップやEDM(エレクトロダンスミュージック)などのエレクトロニックミュージック向けに刷新したことが特徴。DubstKitなどのドラムパート、BriteBas、Heliumなどの太いベース音、DubBAXX、Voxdance、VoodooWhといったギラつきのある音色など、これまでのTENORI-ONにはなかった音色を追加したことで「ダンスミュージックのトラックメイクの第一歩にふさわしいアプリ」としている。
「TENORI-ON」の演奏モード6種類に加え、253種類の音色と、XYパッドのインターフェイスで操作できる7種類2系統のマスターエフェクトを利用可能。配色デザインもダンスミュージックを意識したものに変更している。
さらに、iOS 7から採用された「Inter-App Audio」にも対応。マルチセッション機能を備え、TNR-eのユーザー同士でネットワーク経由の同時演奏セッションが行なえる。録音機能も搭載。演奏を録音してAudioCopyに対応したアプリに転送したり、SoundCloudへアップロードすることもできる。