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Hulu、日本のビジネスを日本テレビに売却

「Hulu」ブランドでビジネス継続。日テレ番組を追加

 定額制映像配信サービスを展開するHuluは28日、日本の「Hulu」サービスを日本テレビ放送網に売却すると発表した。売却額は非公開。日本テレビは今春にもHuluの事業譲渡を受け、日本のHuluの日々のマネジメントやビジネスの責任を担い、SVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)事業に参入する。

 今後は、米Huluが日本のビジネスに対して、日本テレビにブランドとテクノロジーをライセンス。これまで通りにHuluブランドでのビジネスを行ない、Huluの利用者には従来通りのユーザー体験を提供する予定。また日本テレビは、日々のマネジメントに加え、Huluのサービスに日本テレビの人気番組を追加する。具体的なコンテンツ内容や時期は、追って発表される予定だが、日本テレビの話題作や人気番組のHulu向け限定コンテンツの配信などにより、事業拡大を目指すという。

 Huluでは、TBSやテレビ東京などの番組も配信しているが、運営母体が変わっても従来通りに配信を継続。「それらの番組に新たに日本テレビの番組が加わるというイメージ(フールージャパン広報)」とのこと。

 米Huluのマイク・ ホプキンスCEOは、「日本を先導するテレビ局に強力な資産だと思ってもらえるようなサービスを我々が創り上げたことを誇りに思う。日本テレビが、日本のHuluを新たなレベルへと導いてくれることを信じている。Huluの日本におけるビジネスは、可能性に溢れている。日本テレビによって日本のHuluはさらに成長し、我々はアメリカのビジネスに集中することが出来る。世界中にいる、私たちのお客様、そしてパートナーの皆様のHuluに対するロイヤリティと情熱に改めて感謝する」とコメントしている。

 Huluは、2011年9月に日本市場に参入。当初は月額1,480円、2012年4月からは月額980円の定額制映像配信サービスとして展開していた。日本国内において、インターネット接続したテレビ、ブルーレイプレーヤー、ゲーム機、スマートフォン、タブレットなどのHulu対応デバイスの数は9,000万台にのぼるという。また、これまでに、50社近いコンテンツ・パートナーから13,000本の映画・ドラマ・アニメを配信するまでに成長した。

 日本テレビは、これまでも「日テレオンデマンド」で、TVOD(都度課金制動画配信)による有料動画配信にとり組んでいたが、Huluの買収によりSVOD(定額制動画配信)に参入。地上波、BS、CSに加え、インターネットを通じてユーザーの嗜好に合わせたコンテンツを配信する伝送路を持つことで、それぞれの強みを活かし、グループ全体でコンテンツ価値の最大化を図るとしている。

 都度課金の「日テレオンデマンド」、定額制の「Hulu」の2つの映像配信サービスが、日本テレビのグループ内に存在する形となるが、当面は併存して運営。将来的には統合も視野に入れて検討していくとしている。

(臼田勤哉)