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STマイクロ、世界初のHDR音声信号合成対応オーディオIC

 STマイクロエレクトロニクスは2日、音量に関わらずクリアな音声処理を行なえる世界初のHDR(High Dynamic Range)オーディオ信号合成技術を搭載したオーディオプロセッサ「STA311B」を発表した。既に量産を開始しており、1,000個購入時のサンプル単価は約3ドル。

STA311B

 STA311Bは、アクティブスピーカーやデジタルメディアプレーヤーといったホームオーディオ機器への搭載を想定したオーディオプロセッサ。世界初というHDR音声信号合成により、高機能なADコンバータを使用せずに、130dBを超えるダイナミックレンジのデジタル信号を生成可能。「ささやき声のような小音量から、ジェット機のエンジン音のような大音量まで同レベルのクリアさで処理する」という。

 HDRのほか、ユーザ設定可能な独立バイカッドフィルタ(チャネルあたり最大10個)を備えるオーディオ処理チャネル(8個)、入出力ミキシング機能、マルチバンド・ダイナミックレンジ・コンプレッション、ポップノイズ除去処理、入力サンプリング周波数の自動検出などの機能を1チップに搭載。8×8×0.9mm(縦×横×厚さ)の小型VFQFPNパッケージで提供される。

 STA311Bを利用することで、オーディオ機器メーカーなどは、価格・性能設定に応じて調整された同一設計の複数製品を低コストで開発できるとしている。

(一條徹)