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エソテリック、250万円の最上級プリアンプ「Grandioso C1」

電源別筐体、デュアルモノブロック構成

 エソテリックは、フラッグシップシリーズのプリアンプ「Grandioso C1」を9月1日に発売する。価格は250万円。

Grandioso C1。上がプリアンプ部、下が電源部

 電源部がセパレートの2シャーシ構成を採用するステレオプリアンプ。増幅部だけでなくDCパワーサプライユニットまで左右独立にこだわり、ACケーブルを含むすべてのコンポーネントをモノブロックで構成。「ステレオ再生の命題に真摯に向き合った」としている。

 メインユニットはモノブロックのプリアンプモジュール2基とロジック系コントロールモジュールで構成。プリアンプモジュールは入力アンプと出力アンプを上下2層に重ねたモノブロック構成で、信号経路を最短化。プリアンプモジュールのマウントは、SACDプレーヤーの機構開発で培った技術を採用。サスペンションプレート(板バネ)を使ってモジュール2基をフローティングさせ、左右独立を徹底している。

 電源部はデュアルAC入力、デュアルDC出力とし、左右独立コンストラクションを徹底。合計で5つの大型電源トランス、大容量ブロックコンデンサ、SiC(シリコンカーバイド)ショットキーバリアダイオードなどを採用している。

 入力端子はXLRバランス3系統とRCAアンバランス2系統。XLR/RCAそれぞれに専用の入力バッファアンプで信号を受け、全段バランス構成でコモンモードノイズの除去と信号の低インピーダンス化を図り、ノイズの影響を受けにくくピュアな信号を最短経路でボリュームアンプに伝送するという。回路ブロックもモノラル/フルバランス構成。入力バッファ回路部、ボリュームコントロール部、ハイスピード出力バッファ回路部を3次元的に最短経路で接続したという。

 出力端子はXLRバランスとRCAアンバランスが各2系統。出力バッファ回路は、電流出力能力が高く、スルーレート2000V/μsのハイスピードな素子を採用。バッファ回路は出力ラインごとに独立し、XLR出力の場合はホット/コールドそれぞれをシンメトリー構成とし、瞬間的な電流供給能力を高めている。また、バッファ回路の直近に新安定化電源としてEDLC(スーパーキャパシター)アレイを採用。チャンネルあたり合計100,000μF(0.1F)大容量を持つ安定化電源により、瞬発力と低域再生の向上を図っている。

背面

 ボリュームはESOTERIC-QVCS(Quad Volume Control System)を採用。ボリュームノブを回すことで、左右チャンネルと、正/負ごとに独立させた合計4回路のラダー抵抗切替型ボリュームを一括連動。チャンネルセパレーションと位相特性に優れたクリアな音質を実現するという。

 フロントパネルのコントロール部とプリアンプモジュールとの接続にはフォトカプラを使用し、物理的/電気的なアイソレーションを徹底。操作時以外は回路を完全停止することで、オーディオ回路への影響を防ぐ。ボリュームノブと入力セレクタは、無垢のアルミブロックからの削り出し。各ノブの軸には、VRDSドライブメカのベアリング機構を応用し、芯ブレの無い高精度な回転が行なえ、「最高級プリアンプにふさわしい、滑らかでアナログフィールにあふれた操作感」としている。

 ボリュームカーブは5種類をプリセット。好みに合わせた操作性を選択できる。また、ソースごとの音量差を解消するため、入力ごとにゲインを±18dB(0.5dBステップ)の範囲で調整できる。左右チャンネルの音量バランスは±6dBの範囲(0.5dBステップ)で調整可能。位相反転が可能なフェーズインバート機能も、ソースごとに個別で設定できる。RCA 2端子は、AVスルー出力と通常のライン出力の切り替えが可能。

 付属リモコン「RC-1315」はアルミ製で、エソテリックのSACDプレーヤーも操作可能。ディスプレイに表示するソース機器名をリモコンでプログラムできる。ディスプレイのディマーやミュート、ディスプレイ自動OFFなども設定可能。

 出力インピーダンスはXLRが66Ω、RCAが47Ω。全高調波歪み率は0.0004%(XLR)、0.0006%(RCA)。周波数特性は1Hz~200kHz(-3dB)、3Hz~50kHz(-0.2dB)。SN比は116dB(2V入力)。ゲインは+12dB。定格出力は2V。最大出力レベルは15V(XLR)、7.5V(RCA)。

 消費電力は25W。外形寸法と重量は、プリアンプ部が445×457×132mm(幅×奥行き×高さ)、21kg。電源部が445×451×132mm(同)、29kg。

(中林暁)