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PRIMARE、7chバランス出力対応のAVプリアンプ「SP33」

DSP基板交換可能。AVアンプ「SPA23」も

 ナスペックは、PRIMARE(プライマー)の7ch AVプリアンプ「SP33」と、5.1chの一体型AVアンプ「SPA23」を10月1日に発売する。どちらも受注販売で、価格はSP33が75万円、SPA23が70万円。カラーは、フロント/トップがBLACK/BLACK(BLK/K)と、TITAN/BLACK(TAN/K)の2色を用意する。

SP33(BLACK/BLACK)

7.1ch対応のAVプリアンプ「SP33」

 SP33は7.1chに対応し、バランス(XLR)でのアナログマルチチャンネル出力が可能なAVプリアンプ。発売中の7chパワーアンプ「A30.7」(2014年4月発売/50万円)と組み合わせて、バランス伝送のマルチチャンネル再生ができる。HDMI入力(Ver.1.4/x.v.Color非対応)は5系統で、SD映像の1080pアップスケーリングや3D映像などに対応。HDMI出力(Ver.1.4/ARC非対応)は2系統装備する。

SP33(TITAN/BLACK)
SP33の背面

 サラウンドフォーマットは、ドルビーTrueHD、DTS-HD MasterAudio、ドルビーデジタル、DTS-ES、Dolby Pro Logic、DTS Neo:6などに対応。DSPチップはFreescale製で、サラウンド音声のデコード処理を行なう「DSPC56371」と、ディレイ調整などの音場処理を行なう「DSPB56367」を搭載。各処理をそれぞれ独立したチップで行ない、正確で高速なデコード処理を実現するという。

SP33の内部

 DACチップは192kHz/24bit対応のWolfson「WM8740s」を4基搭載。7.1chを2chずつに分けて処理することで、SN比やチャンネルセパレーションの向上などを図っている。192kHz/24bitまでのデジタル入力が可能(176.4kHzは非対応)。オペアンプはバーブラウン「OPA2134」とTI「NE5532」を組み合わせて使用する。

 入力はHDMIのほか、デジタルが、同軸デジタル×3、光デジタル×3、AES/EBUバランス(XLR)×1。アナログが、7.1chアンバランス(RCA)×1、アンバランス(RCA)×8(内4系統は7.1chと兼用)、バランス(XLR)×2を装備。アナログ入力時はリレー切替によりDSP回路をバイパスし、高音質なアナログ伝送を実現するという。コントロール用のRS232端子やIR入力端子も備える。

 出力はデジタルがHDMI×2、同軸デジタル×1、光デジタル×1。アナログが7.1chアンバランス(RCA)×1、7.1chバランス(XLR)×1、アンバラスRCA(L/R)×2(Rec out、Zone2)。トリガー出力×3も備える。

基板を交換可能なオープンモジュラーデザインを採用

 電源供給回路はスタンバイモード用とアクティブモード用でセパレートし、アクティブモード用電源には300VAの大型トロイダルトランスを使用。トランスの巻線はビデオ、デジタル、アナログ部で独立し、相互の干渉を防いでいる。ビデオとデジタルセクションには、カスタム設計のリニアレギュレーションテクノロジーを採用。アナログセクションには、電圧を一度適切な出力に調整し、一部がディスクリート構成された高速電源供給回路を採用する。

 長期間の使用を想定し、DSP等の基板を交換することで、HDMI等の将来的な新規格に対応できるオープンモジュラーデザインを採用。シャーシはプレス加工されたスチールプレートを使用し、内部の共振と外部からの振動を抑えるという。再生周波数帯域は10Hz~110kHz。SN比は110dB。歪み率は0.005%以下(20Hz~20kHz)。消費電力は最大60W。外形寸法は430×385×180mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15kg。WireWorld製電源ケーブル「Stratus 7」(1.5m)やリモコンが付属する。

5.1ch対応の一体型AVアンプ「SPA23」

SPA23(TITAN/BLACK)

 SPA23は、5.1chに対応したAVアンプ。7.1chのアンバランス出力(RCA)を備え、2chステレオアンプを追加することで、7.1chにアップグレードも可能。フロントL/Rに好みのアンプを選択でき、自由度の高いシステムが構築できるとしている。HDMIは入力が5系統、出力が2系統。パワーアンプ部の定格出力は120W×5ch(8Ω)。

 Class Dの独自アンプ回路UFPD(Ultra Fast Power Device)により、全帯域でフィードバックを行ない、パルス出力の歪みを排除し、安定的にアンプをコントロールするという。電源回路にはPFC(Power Factor Control)と呼ばれる独自技術も投入。Power Factor(力率)の制御によって電源電流をメイン電圧と同一周波数・同一位相の正確なサイン波になる様に制御し、高調波や電磁波妨害を低減。同じ電源に接続された他の機器にも影響を及ぼさない効果もあり、「システム全体の電源環境を向上する」としている。DSPチップ、DACチップ、オペアンプの構成や対応サラウンドフォーマット、基板交換可能なオープンモジュラーデザインなどはSP33と共通。

SPA23の背面

 入力はデジタルが、HDMI×5(Ver.1.4/x.v.Color非対応)、同軸デジタル×3、光デジタル×3。アナログが、7.1chアンバランス(RCA)×1、アンバランス(RCA)×8(内4系統は7.1chと兼用)を装備。コントロール用のRS232端子やIR入力端子も備える。

 Yラグ/バナナプラグ対応の5chスピーカーターミナルを装備。出力はデジタルがHDMI×2(Ver.1.4/ARC非対応)、同軸デジタル×1、光デジタル×1。アナログが7.1chアンバランス(RCA)×1、アンバラスRCA(L/R)×2(Rec out、Zone2)。トリガー出力×3も備える。

 消費電力は最大800W。外形寸法は430×385×180mm(幅×奥行き×高さ)、重量は15.5kg。WireWorld製電源ケーブル「Stratus 7」(1.5m)やリモコンが付属する。

(一條徹)