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クラリオン、“フルデジタル”ヘッドフォンを2014年度内発売へ

 クラリオンは、11日まで幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2014」で、初のフルデジタルヘッドフォンを参考展示した。2014年度中の発売を予定しており、価格は未定だが「他社の(15万円程度の)ハイエンド製品よりは安くしたい」とのこと。

 同社カーオーディオやLIXILのシステムバス用スピーカーなどで採用が進む、独自のフルデジタルスピーカー技術「01DRIVE」を用いた初のヘッドフォン。デジタル音源をDACでアナログ変換してアンプで増幅する一般的な方法とは異なり、デジタル入力信号の入力から振動板の駆動前までデジタルで伝送する。

 01DRIVEの基板を内蔵するため、ハウジングは密閉型となっており、CEATEC会場では2種類のデザインを用意。来場者アンケートでデザインや音などのニーズを把握し、製品化につなげる考え。

2種類のデザインを用意

 ユニット径は51mm。振動板駆動用のボイスコイルは3つ。接続する機器(デジタル音楽信号出力機器)は、パソコンやスマートフォンを想定しており、デモではUSB経由でヘッドフォンに入力し、44.1kHz/16bitの音源を192kHz/24bitにアップサンプリングして、ヘッドフォンを駆動する。

 今回はCDをリッピングした音源をWindowsパソコンからfoobar 2000を使って出力していたが、製品版では384kHzなどのハイサンプリングレートのPCM音源のほか、DSD信号の対応も検討しているとのこと。

 ケーブルは脱着可能で、iPhoneなどのiOSデバイス対応のために、Lightning-USBケーブルも検討中。パソコンからはUSBで、iPhoneではLightning-USBケーブルで利用可能になる見込み。フルデジタルアンプは消費電力も通常の1/8程度のため、本体にバッテリは内蔵せず、電源はiPhoneなどからの供給を見込んでいるという。

 短時間ながら展示機を試聴したが、レスポンスが良く、クリアなあたりは同社デジタルスピーカー製品の印象に近い。ただし、最近の高級ヘッドフォンのような高域の強烈な分解能というイメージではなく、マイルドで聞きやすい印象も残った。クラリオンでも、あえてアナログ的な音質に聞こえるようチューニングを行なっているとのこと。

 クラリオンでは、CEATECにおける来場者の声やアンケートの結果などから、装着感やデザインなどを煮詰めて製品化を目指す。

(臼田勤哉)