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プロ用音楽制作ソフトの無料版「Pro Tools|First」

最新バージョン「Pro Tools 12」。有料版は定額制に

 米Avid Technologyは、プロ向け音楽制作(DAW)ソフト「Pro Tools」の最新バージョン「Pro Tools 12」を、米アナハイムで1月22日~25日に行なわれた「NAMM Show 2015」で発表した。有料の上位バージョンに加え、新たにエントリー向けの無償バージョン「Pro Tools|First」も用意し、間もなく提供開始予定としている。

Pro Tools|First

 Pro Toolsは、ハードウェアに同梱する最上位バージョンの「Pro Tools|HD」と、通常版のPro Tools、Mboxのハードウェアに同梱する「Pro Tools Express」、無償版の「Pro Tools|First」をラインナップ。有料版はサブスクリプション(定額制)を採用している。バージョン11からの無償アップグレードも実施する。

 無償バージョンのPro Tools|Firstは、これから音楽制作を始める人や、Pro Toolsで制作したいと思っていたシンガーや作曲家などの利用を想定し、誰でもダウンロードして利用可能。AAX(Avid Audio eXtension)プラグインや、ASIO、Core Audio、EUCON(Ethernet経由でのコントロール)に対応し、Windows/Macの両方に対応。メールアドレスを登録すると、Pro Tools|Firstに関する情報を受け取ることが可能。

 各バージョンで対応トラック数や最大入力数が異なり、Pro Tools|HDは48kHzの場合256トラックまで(対応ハードウェア利用時)、Pro Toolsは96トラックまで扱えるのに対し、Pro Tools ExpressとPro Tools|Firstは16トラックまでとなる。また、Pro Tools|HDとPro Toolsは最大192kHz/32bitに対応するが、Pro Tools ExpressとPro Tools|Firstは96kHz/32bitまで。プロジェクトの数はPro Tools|Firstのみ3つまでに制限され、Avid Storeで今後プロジェクトの追加購入が可能になる予定。それ以外の3バージョンのプロジェクト数は無制限。そのほか、Pro Tools|Firstのみビデオ非対応という違いがある。

 アーティストやプロデューサーなどがクラウド経由で同時に作業できるサービス「Avid Cloud Collaboration」も今後提供され、Pro Tools|HDやPro Toolsだけでなく、無償のPro Tools|Firstでも利用可能。

トラックPro Tools|HDPro ToolsPro Tools
Express
Pro Tools|First
最大トラック
48/96/192kHz
256/128/64
(Pro Tools|HDX利用時
最大768/384/192)
96/48/2416/16/-16/16/-
最大入力
(ハードウェアに依存)
1923284
同時録音トラック2563244
インストゥルメント
トラック
12864816
MIDI5125121616
AUX512128816
ビデオ6411-
プロジェクト無制限(ローカル/ネットワーク)3(クラウド)
追加は有料
最大サンプリングレート
(ハードウェアに依存)
192kHz/32bit
96kHz/32bit
MP3オプション
-
iTunesエクスポート
-
サラウンド最大7.1ch
-

(中林暁)