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8K映像制作にも新たな動き。NHKやREDカメラ、アストロの8K最小55型液晶など
(2015/4/17 09:30)
放送/映像制作関連の国際展示会「2015 NAB Show」が、米国ラスベガスにおいて16日(現地時間)まで開催された。会場の中から、8K映像関連の展示を行なっていたNHKやREDなどのブースを中心にレポートする。
8K放送のロードマップは、2016年に試験放送が開始され、2018年までに実用放送、2020年の東京オリンピックの本格普及を目指して進められている。NAB会場では、NHKが8Kを中心とした展示を行なっているほか、カメラメーカーのREDが、最高で8K撮影に対応した「WEAPON DRAGON」、NTTブースでは、8K放送も想定したH.265/HEVCエンコーダ「NARA」などを出展している。
NHKは350型8Kシアター。13.3型8K有機ELや120Hzカメラ、MMT多重化も
NAB会場に巨大な8Kシアターを設置。富士山やワールドカップ、CGを駆使した宇宙空間などの8K映像を、350型のスクリーンで体験できる。音声は22.2ch。
8Kカメラは、放送での使いやすさを重視したモデルを2種類出展している。スポーツ中継やスタジオ制作を想定した標準モデルと、レコーダユニットの追加で撮影/収録が可能な持ち運びできる多目的(マルチパーパス)モデルを用意。
パナソニックと共同で8K対応レコーダも開発。8Kの録再機として利用できる製品で、ExpressP2カードとmicroP2カード記録に対応。サイズは4Uラックマウント型。
ディスプレイは、据え置きや壁掛けができる、65型8Kで22.2chスピーカー内蔵のモデルを展示。「現行のハイビジョンテレビと同様のスタイリッシュな外観で、8K画質と22.2ch音響を実現した」としている。さらに、8Kで世界最小となる13.3型有機ELディスプレイも展示している。
85型で8K/120Hz表示に対応した、BT.2020準拠の広色域液晶ディスプレイも展示。8K/120Hz対応のキューブ型カメラも用意し、スポーツ生中継や、バラエティ、ドラマ制作など様々な用途を提案している。
また、日本での8K放送に合わせて採用が見込まれる多重化方式のMMTを用いたサービス例も紹介。MMTにより、放送波の映像とインターネット経由の映像を同じテレビ画面内でタイミングを合わせて表示でき、マルチビューやスマートフォンなどとの連携といった、サービスが実現可能としている。MMTは、日本の8K放送だけでなく、アメリカの次世代地上放送方式ATSC3.0の要素の一つとしても採用されている。
REDが8K対応カメラ「WEAPON DRAGON」。アストロデザインは55型8Kディスプレイなど
4K制作の映画などで広く採用されているREDのブースでは、8K対応の「WEAPON DRAGON」をショーケース内に展示している。
サイト内で、6K WEAPONのセンサーを8Kに1万ドルでアップグレードするというオーダーもサイトで受け付けており、'15年夏に出荷開始としている。
アストロデザインは、液晶で世界最小とする55型の8K/120Hzディスプレイを出展。7,680×4,320ドットのIPSパネルを備え、バックライトはエッジ型LED。明るさは350cd/m2。コントラスト比は1,400:1。消費電力は最大600W。また、85型の8Kディスプレイも展示している。
小型の8Kカメラ「AH-4800」には12型の8Kモニタを装着して展示。8K/4K非圧縮SSDレコーダ「HR-7512-C」、バックアップシステムの「TB-8101」なども展示しており、撮影と記録、バックアップまでサポートする製品群として提案している。
8K以外の製品では、9月の発売を予定しているフルHD有機ELビューファインダ「DF-3515」を展示。パネルは0.7型で、接続はHDMIとSDI。撮影コーナーではパナソニックのVARICAM 35に装着し、低遅延などの特徴をアピールしていた。
NTTは新エンコーダ「NARA」初出展。安価に4K/8K制作するシステムも
3月に開発を発表した、放送局などプロ向けの4K H.265/HEVC対応リアルタイムエンコーダLSI「NARA(開発コード名)」を初出展。1チップで4K/4:2:2/60p映像のリアルタイムエンコードが行なえるほか、複数チップを用いることで、8K映像のリアルタイムエンコード処理にも対応可能という製品。このNARAを搭載した1Uサイズのエンコーダを年度末に製品化予定としている。
4K/8K制作を比較的安価に行なえるというNTT ITのシステム「viaPlatz」も紹介。4Kカメラの映像を、タワー型PCサイズの「viaPlatz VPR(Video Processing Recorder)」でレコーディングし、シンプルなカット編集がWebブラウザ上で可能。その結果を、マスターモニターなどを使ってIP経由でプレビューすることも可能。