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NHK、8Kスーパーハイビジョンの衛星放送実験を世界初公開。28日の技研公開で

 NHKは、5月28日~31日に開催する「第69回技研公開」において、8Kスーパーハイビジョン映像の衛星放送実験を世界で初めて公開する。

8K衛星放送実験の概要

 8Kの試験放送は2016年に予定されているが、それを想定した実験。渋谷のNHK放送センターから送信した8K信号を、現在のBS放送で使用している放送衛星を経由し、技研公開の会場で受信する。

 8K映像は7,680×4,320ドット/60pで、72Gbpsのデータ量だが、これを符号化装置でMPEG-H HEVC/H.265を使い、85Mbpsに圧縮。復号装置は新開発のもので、リアルタイムで復号する。符号化/復号装置は、MPEG-4 AACの22.2ch音声を符号化・復号も可能。映像と音声を1つの信号として伝送する多重化方式は、MMTを採用している。

 衛星伝送の変調方式は、高効率な16APSKを採用。約100Mbpsの伝送を実現する。NHKではこの公開実験で、「放送局から家庭での受信まで、8K放送を実現する技術要素を組み込み、来年に迫る8K試験放送に向けた準備状況を体感いただく」と説明している。

 「第69回技研公開」ではこれ以外にも、地上波による都市部での8K伝送実験や、ケーブルテレビでの再放送技術なども紹介

 8K以外でも、テレビやモバイル機器などの種別を選ばず、VODなどのネット経由の動画を視聴できる技術や、「ハイブリッドキャスト」の進化として、ネット経由で受信したコンテンツを放送番組を、同じテレビ画面内でタイミングを合わせて表示する技術なども展示予定。

FIFA女子ワールドカップ2015 カナダ大会の8Kライブビューイングを実施

 カナダで開催される「FIFA 女子ワールドカップ 2015 カナダ大会」の「日本×カメルーン戦」や「決勝戦」など10試合を、NHKとFIFAが共同で8Kスーパーハイビジョンで制作。このうち一部の試合を、日本国内の2会場で、ライブパブリックビューイングを実施する。さらに、現地カナダとアメリカでも3会場でパブリックビューイングを実施予定。

 日本では、6月9日~7月6日まで、「イオンシネマ 港北ニュータウン」(横浜市都筑区/130席/350インチスクリーン)、「SKIP シティ 彩の国ビジュアルプラザ」(川口市/140席/330インチスクリーン)で実施。いずれもWebから事前申込みが必要。申し込みや、各会場の詳細、パブリックビューイングを実施する試合の情報などはNHKのWebページにて、5月18日以降記載される。

(山崎健太郎)