ミニレビュー

Googleの安価なAIスマホ「Pixel 8a」で音声消しゴムマジック使ってみた

Pixel 8a

Googleのスマートフォン「Pixel 8a」が5月15日より発売となる。価格を抑えながらも上位機種に迫る機能を備えたコスパの良いaシリーズということで、「Pixel 8/8 Pro」と同じ「Tensor G3チップ」を搭載しながら、価格は直販72,600円となっている。

前機種「Pixel 7a」からの進化点は、ディスプレイの明るさが40%明るくなり、最大120Hzの高速リフレッシュレートに対応したことと、「Tenssor G3」チップによるAI新機能で、ベーシックな部分での進化となっている。

上位機種のPixel 8と比較すると、本体が高さ・幅ともに約2mmずつ大きくなり、カメラのセンサーサイズにスペックダウンがあるものの、同じAI機能が使えるため、さらに機能差が少ないように感じる。細かい部分では、ほかのデバイスにワイヤレス給電できるバッテリーシェアや、レーザー検出によるAF「LDAF」、マクロフォーカス機能、空間オーディオなどが8aでは非搭載となっている。

そのほか詳しい内容は別記事を参照のこと。

AV関係の機能としては、「音声消しゴムマジック」が使えるようになった事が注目ポイント。実際に使ってみた。

ちょうど風の強い日に横浜中華街で撮影した映像がこちら。思ったよりも風が強すぎて「中華街にやってきました」と話した声が風切り音に飲み込まれている。

中華街東門で撮った元動画

この動画に「音声消しゴムマジック」を使用。Googleフォトアプリで動画を選択し、編集>音声と進むと音声消しゴムマジックの項目が表示されるので、これをタップすることで、自動で編集できる項目を表示してくれる。

Googleフォトアプリで動画を開いて、編集>音声と進むと音声消しゴムマジックの項目が出る

この動画の場合は風、ノイズの2つの項目をそれぞれ0から-100まで自分で調整できるのだが、試しに風を-100にしてみると、風の音がすべて消え去って、歩行者信号の「ピヨピヨ」という音と車、バイクの音、雑踏の音だけが残った。風にのまれてしまっていた自分の声は小さくなってしまい、ほかの音にも若干ノイズが入っているとはいえ、特定の音をピックアップしてほぼ無風のような状態まで1タップ1スライドで実現できるのはすごい。

音声消しゴムマジックで風-100にしてみた

中華街の中を歩いてみた動画では、ノイズ、風、声、周囲の人という項目が登場。ノイズと風と声を-100にて周囲の人だけ残してみたところ、ちょうど良い感じの街中お散歩動画っぽい音声になった。ちなみにこちらの動画は、人を避けるために結構スマホ本体を振ってしまっているのだが、手ブレ補正が強力なので割と安定して撮れている。

中華街の人混みの中を進んでいる動画
風とノイズと声をそれぞれ-100にしてみた

Pixel 6aと比較。機能が増えても同じ使用感で乗り換えが楽そう

Pixel 8a Aloe(左)、Pixel 6a セージ(右)

手元にPixel 6aがあるので、2世代間の差も簡単に比較してみる。ちなみに、価格はPixel 6a発売時が53,900円だったので、この2年で18,700円ほど上がっている。

外観は8aの方が丸まったフォルムをしているが、大きさはほぼ一緒。カラーもちょうどミドリ系で、6aはセージ、8aはAloe。同じミドリ系でも、ちょっと暗めのシックな雰囲気だった6aのセージと違い、8aのAloeは明るめのブライトカラーが採用され、可愛い印象がある。

Pixel 8a Aloe(左)、Pixel 6a セージ(右)

AV関連で言えば、一番大きいのはLE Audioへの対応だろう。Pixel 6aもアップデートでLE Audioの項目が出現したものの、項目自体がブラックアウトしていて触れない状態となっていた。

動画撮影時の手ブレ補正は、曇りで若干暗い状況だと6aでは若干カクつきがみられることがあったのだが、8aの方がもう少し滑らかに撮影できているようだ。だが、目に見えてものすごく強化された、という印象はないというのが正直なところ。

6aでは指紋認証がよく失敗していたので、顔認証が使えるのは嬉しいところ(7aも対応してるけども)。指紋認証も6aほど失敗しないので、マスクを付けていてもスムーズに開ける。

もちろん「Tenssor」チップが2世代分アップグレードされているので、AI機能面では大きく進化しているのだが、そのほかの面ではあまり変化がないため、iPhoneのように乗り換えても使いやすそうだ。

カバーを付けた状態のPixel 8a Aloe
野澤佳悟