ミニレビュー

KODAK「charmera」で“15年前の記憶”を撮る。日常が心に残るトイデジの魅力

ちっちゃくて可愛くて、レトロでおしゃれ!全部盛りなミニトイデジで遊んでみた

実は昔、写真部だったことがあります。といっても部活動は苦手で、幽霊部員だったけれど、写真を撮ることはずっと好きでした。

当時は「デジカメ」が主流でしたが、次第にインスタントカメラやフイルムカメラにも興味を持つように。憧れのカメラは高くて、学生の私には買えなかったけれど、代わりにバイト代やお小遣いを貯めて集めたのが「トイカメラ」でした。

「Polaroid SX-70」の代わりに「チェキ」を、Nikonやオリンパスの中古カメラ、ベビーローライに手が届かない代わりに、「AGAT 18K」や「Lubitel 166」を買っては、とにかく “撮ってみる” の日々。

社会人になってからは離れていたけれど、フリーランスになってカメラ熱が再燃。いわゆるオールドコンデジを入手してみたり、ミラーレス一眼のレンズを買い足してみたりして、「カメラで撮る」をまた楽しんでいます。

そんなときに見つけたのが、KODAKの「Charmera」(直販価格29.99ドル)です。今回はこのレトロでかわいいデジタルトイカメラ「Charmera」の魅力を紹介します。

開封前からもう楽しい!中身が見えないブラインド仕様、私が引き当てたのは…

オンライン販売は争奪戦!ようやく手に入れた一台、ここまで長かった……

KODAK「charmera」は、1987年に発売された110フイルム使用の使い捨てカメラ「KODAK Fling」のデザインを踏襲したデジタルトイカメラです。

海外で先に販売が始まり、日本で正式に発売されたのは10月。速攻で話題となり、ネット販売では争奪戦。今や入手困難なほどの人気です。私もオンラインの争奪戦に負け続け、ようやく11月末に一台手に入れることができました。

心惹かれた理由は、やっぱりこのルックス。製品本体はもちろん、パッケージも含めて全てが可愛くて! ミニサイズのトイデジは、3COINSの「ミニトイカメラ」をはじめ人気が高まっていますが、こんなにも目を惹くデザインはなかなかありません。KODAKの持つ “らしさ” の強みを実感しますね。

大きな特徴が、どのカラーが入っているかは開けるまで分からないというブラインドボックス仕様! シークレットもあったりして、つい集めたくなっちゃいます。

人気なのは、このパッケージにもなっているイエロー!わかる!欲しいよね!

正直言うと「開けるまで何が入っているかわからない」っていう仕組み、本当は嫌いなんです。ドキドキするのが好きじゃないし、欲しいものが入っていた試しがないし……。福袋も中身がわかる状態で買いたい派なんですが、Charmeraは箱を開けるドキドキまで楽しめちゃう! 不思議だけど、「まあどれでも可愛いし嬉しい!」という気持ちが勝ちます。

さて、そんなこんなで私が今回手に入れたのは……

緊張の開封……私のCharmeraは、TYPE 05のレインボーでした!

TYPE 05のレインボーカラーでした〜!

アイコニックなイエローをはじめ、カラフルでポップなカラー展開の中で、唯一のブラック系。どことなく宇宙を感じるデザインも個人的にはツボです。

同梱物のデザインもレトロで可愛い!
カードの裏にあるQRコードからクイックスタートガイドへ

同梱物は本体と充電ケーブル、キーホルダーのパーツ、製品の説明書、そしてトレカ風のカード。カード裏のQRコードを読み込むと、クイックスタートガイドが閲覧できます。

本体の仕様は、1/4インチCMOSセンサーを搭載し、レンズは35mm / f2.4。写真と動画の撮影が可能で、写真はサイズ1440×1080(1.6MP)のJPEG形式。動画はAVI形式で、フレームレートは30fpsで録画できます。

(左)本体天面に電源ボタン、シャッターボタンが並ぶ(右)反対側にはUSB-C端子とmicro SDカードの挿入口

本体サイズは24.5×58×20mm(縦×横×厚み)、質量は30gと超軽量。一見すると、カメラ型デザインのキーホルダーにしか見えませんが、しっかり撮影画面のプレビューができるディスプレイ付き。ボタン操作も反応よく、思った以上にちゃんとしています。

各モードの切り替えは、ディスプレイ横にある上下ボタンで操作。電源を入れると写真と動画、設定の3モードを切り替えられます。右下の再生ボタンで撮影写真を見返すことも可能です。

予想以上にちゃんと“カメラしてる”のが不思議で楽しい一台

さらに日付設定ができて、写真や動画に表示させることも可能。年月日の表示順は3つから選べるなど、妙に細かく設定できます。

日付は、写真と動画それぞれで表示/非表示の選択も可能です
しれっと作例①。実際に表示させるとこんな感じ。あの頃のデジカメっぽさある~!

「15年前の記憶」を撮るような不思議な体験

スマホ撮影をお休みして、Charmeraで遠出したある日を撮ってみた

早速、Charmeraを持って出かけてみました。ちなみに記録媒体はmicro SDカード(128GBまで)で、付属品には入っていません。カードなしにそのまま持っていっても、内部には2枚しか記録されないので注意です。

ここからは、いくつか撮ってみた写真を紹介したいと思います。ただ、先に謝っておきたいのですが、世の中の作例よりもだいぶブレております……。私の腕の問題なので、その辺はあたたかい目でご覧ください。

ひたすらボタンを押すことのできる施設にて
「開延長」キーホルダー、かわいい
ネオンサインのエモさとCharmeraの画質が相性良き
屋外撮影だと暖色が強い気がする
実際はもっと真っ赤!なんだけど、写真は少しピンク寄り?空の青の影響でしょうか
内装鮮やかなカフェにて
クリスマスっぽいディスプレイ。コーヒーポットのオーナメントが最高
ネガ風フレームなど色々用意されています。にしても校庭ってエモい~
フィルターも豊富。この写真は「Pixel filter」の4種類をまとめたもの

フイルムっぽいというか、なんというか。粗いというか、雑いというか。なんとなく全体的に薄らと青みがかった感じの写り。自分の思う「あの頃」とはまた違うんだけれど、懐かしさを感じる不思議な雰囲気です。

どんな写真と言えばいいのか、うまく言葉が見つからなかったのですが、友人が「15年前の記憶みたい」と言った言葉が、しっくりときました。Charmeraで撮ろうと思う時って、日常の何気ないシーンが多くて。だからこそずっと前の記憶が絵になったような、柔らかさのある写真に感じます。

撮る時はもう本当に、難しく考えることはなく、ただシャッターを押すだけでOKです……が、実際には「ちゃんと構える」方がいいかもしれません。特に、脇を締めても、ファインダーに眉骨を押し付けても、私のように手ぶれが止まらないタイプの人は、意識しないとめちゃくちゃ写真がブレます。

一応その場で撮影した画像のチェックはできますが、何せSDカードくらいのサイズしかないディスプレイなので、PCやスマホに読み込んでみたら「思ってたんと違う!」ってなるので、そこは気をつけたいところ。

ちゃんと構えて撮れば、結構しっかり写ります

ただ、トイカメラって「思ってたんと違う!」くらいが、楽しかったりもします。きっちり撮りたいとか、うまく見せたいと思いすぎると、せっかくの気軽さも台無し。Charmeraを使う時は「とにかく色々撮ってみて、好きな一枚があったらラッキー」くらいで楽しむのが、ちょうどいい気がします。

毎日のふとした瞬間を収めたくなる、かわいくて楽しいカメラです

旅行よりも、散歩の相棒にピッタリな感じ

散歩中にふと、光がキレイだなと思ったとき。建ち並ぶビルが美しく感じたとき。どこにでもある日常の中で、何となく心が動く景色をさっと手軽に収める。そんな時に使いたくなるのが、Charmeraの魅力です。持ち歩いて使っていると「かわいい!」と声をかけられることもあって、ほっこりした気持ちも運んできてくれます。

キーホルダーになるから、持ち歩くのも楽

キーホルダーとしてバッグにぶら下げられるのも便利。私もこんな感じで、お気に入りのバッグにつけて持ち歩いています。こうやって見ると、TYPE 05のレインボーはどんなファッションにも合わせやすい万能カラーかも?なんて思えてきて、一段と愛着も深まります。

かわいいものに目がない人や、手軽にエモい写真が撮りたい人はもちろん、箱を開ける瞬間から楽しめるカメラは、プレゼントとしてもおすすめ! 「はじめまして」の瞬間から好きになれると思いますよ。

いつも一緒に持ち歩くカメラの一台になりそう

スマホとは違う視点をくれる、新たな日常の相棒になってくれる一台。いま人気すぎてなかなか手に入れられないのは残念ですが、Charmeraを見つけたらぜひ、チェックしてみてください。

三月旭

Web編集者、ときどきライター。昔からモノが好きで、気付いたらスマホ3台持ってました。ガジェットを使いこなすことなく、服と猫と共にただ愛でています。