レビュー

HDR/4K時代だからこそのプレミアム地デジ画質。4K REGZAの新定番「49Z700X」

 4月のテレビ出荷は、金額ベースでは4Kテレビが54.7%と過半数を超え、台数ベースでも23.4%となった(JEITA統計)。テレビは本格的な4K時代に突入し、4Kテレビは“特別”ではなく“普通”のものになりつつある。そんな'16年夏に、東芝が投入する新シリーズが「REGZA Z700X」。REGZAの上位機を示す「Z」の名を冠し、最上位Z20Xシリーズに続く、4K REGZAの中核シリーズだ。

REGZA 49Z700X

 特徴は、広視野角な4K IPSパネルを採用し、リビングで大人数でも高画質を楽しめるようにしたこと。最上位のZ20Xシリーズは、独自バックライトシステム「レグザパワーディスプレイシステム」などにより、HDR時代の最高画質モデルを目指した。一方、新シリーズのZ700Xは、絶対的な明るさはZ20Xに及ばないものの、その高画質を継承しながら、IPSパネル採用による視野角の向上などの見やすさや使いやすさを高めた。“リビング”、“ファミリー”に振った新シリーズといえる。

 また、この夏にはUltra HD Blu-rayによるハリウッド大作映画の4K/HDR化、さらに、Netflixなど4K/HDR対応の映像配信サービスなども、盛り上がりを見せている。Z700Xは、このHDR対応はもちろん、NetflixやひかりTV、さらに新たにdTVに対応するなど、'16年夏の4Kテレビのポイントを抑えている。加えて、REGZA Zシリーズ伝統の全録「タイムシフトマシン」も強化されている。

 画面サイズは、Z20Xの65/58/50型に対し、Z700Xでは55/49/43型とより手頃かつ、ボリュームゾーン向けのラインナップとなっており、拡大する4Kテレビ市場の中心を狙っていく製品という位置づけだ。49型の「49Z700X」を使って、最新REGZAの実力を検証した。

“Z”の名を冠した最新4K REGZA

 リビング向けといっても、ハイエンド“Z“の名を冠しているだけにスペック面では充実している。液晶パネルは、3,840×2,160ドットの4K解像度で、IPS方式。広色域パネルと直下型LEDバックライト(全面直下LED)を採用し、倍速駆動に対応。LEDのエリアコントロール(部分駆動)により、明暗のコントラスト表現力を向上している。映像エンジンは、Z20Xと同じ「4KレグザエンジンHDR PRO」だ。

 最大6チャンネルの地上デジタル放送番組を常時録画できる「タイムシフトマシン」も搭載。別売のUSB HDDを追加することで全録に対応する。チューナは、タイムシフトマシン用と通常録画用に別れており、タイムシフトマシン用は地上デジタルが6系統、通常録画用は地上/BS/110度CSデジタルが3系統。4TB HDDの場合、約80時間の6ch録画が行なえる。

 また、新機能として、「まるごとチャンネル」を搭載。放送や録画番組を見ながら、放送中の地デジ番組を最大6チャンネル同時に表示できるようになった。

まるごとチャンネル

 上位機のZ20Xは高輝度/高コントラスト性能なHDR画質が特徴だが、Z700Xはその画質を継承しながら、IPSパネルの採用によりリビングでの使いやすさを向上。Z20Xは液晶表面が光沢あるクリアパネルだが、Z700Xでは新たにパネルの拡散層前面に反射防止層を配置し、映り込みを低減している。

広視野角なIPSパネルを採用。映り込みを抑えているのも特徴

 Z700Xの動作レスポンスは極めて良好。起動は3~4秒、チャンネル切り替えは1.5~2秒程度で待たされる感は全く無い。番組表やタイムシフトマシンの過去番組表、ざんまいプレイなども、1~2秒程度で切り替わり、さらにNetflixは3秒程度、レグザクラウドサービス「TimeOn」は1秒程度で立ち上がる。地デジ移行直前の5~6年前のテレビのユーザーであれば、この動作速度に驚くだろう。レスポンスの良さは最新4Kテレビならではの魅力だ。

HDR時代の地デジ画質とは?

 HDR時代の高画質を目指したZ700X。今夏いよいよUltra HD Blu-rayをはじめとするHDRコンテンツの市場が立ち上がりつつあるわけだが、多くのユーザーが実際に見るのは、地上デジタル放送やBDだろう。特にZ700Xは、タイムシフトマシンを使えば、放送時間を気にせず地デジ番組を見ることができる。

映像メニューは基本「おまかせ」でOK

 最近の多くのテレビでは周囲の明るさやコントラストに応じて、自動的に画質を調整するモードを備えている。REGZAの場合は「おまかせ」という名称でモードが用意されており、地デジの場合、基本的に「おまかせ」を選んでおけば、大抵の環境・コンテンツに最適な画質で視聴できるはずだ。映画を見るときや、ゲームプレイ時だけ、専用モードを選べば良い。

 Z700Xで地デジを見てすぐにわかるのは、明るく、コントラスト感が高いこと。HDR対応テレビだからといって闇雲に明るいというわけではない。色解像度が良く、加えてノイズが少なく、かつ十分な明るさがあるため、メリハリある映像に感じられるのだ。

テロップ周囲のノイズが少なく見やすい

 画面にメリハリと立体感があるため、ワイドショーや、ニュース番組のスタジオ風景も奥行き感が感じられる。また、テロップがくっきりと見えるのも印象的。特に字幕周辺のモスキートノイズが少なく、エッジの線がくっきりとしている。文字が読みやすいだけでなく、映像のS/N感のよさ、コントラスト感にも繋がっているように感じる。

 NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」も、いつもより少し色が濃厚で、かつ奥行き感が感じられる。筆者は普段'14年モデルの「50Z10X」を使っているが、見慣れたREGZAの画調ではあるのだが、少し色鮮やかで、メリハリがあり、少しすっきり見える印象だ。どれも“少し”の違いなのだが、それぞれの要素向上が、結果として画質を一段上のレベルに引き上げているように感じられる。

 「Mステ」で、きゃりーぱみゅぱみゅの演奏を見てみると、ハイコントラストな緑、赤のLED光源と、ド派手な衣装にダンス、上下左右に動き回るカメラと、かなり厳しいコンディション。実際に放送側に起因されると思われる圧縮ノイズはそこそこ出ているが、ハイコントラストかつド派手な演出の迫力を余すことなく体験でき、HDR復元対応のZ700Xの輝度パワーを存分に体験できた。それでいて、Z700Xで特徴的であった番組ロゴやテロップの見やすさは維持されており、画面全体の印象がすっきりしている。

 また、Z10Xユーザーとして羨ましく思えたのが「動き」。Z10Xで、全仏オープンテニスを見ていたところ、コートに設置したクレーンが移動しながらプレーヤーを追うシーンにおいて、クレーコートに描かれた白線がカクつき、段差のように見えてしまう。クレーンが動き始めると急に解像感が失われ、すこし興ざめしてしまう。

 同様のシーンをZ700Xで見ると、カメラが動きだしても白線がきっちりと描かれたままで、カクつくこともなく、解像感が保たれている。おそらく、Z700Xの映像エンジン「4Kレグザエンジン HDR PRO」における、動き探索範囲の拡大や処理能力向上に起因するものだろう。結果的に、動画ボケが大幅に抑制され、すっきりと見やすいだけでなく、解像度が上がったような印象になるのだ。

 Z10Xで気になっていた、映画のエンドロールにおける縦スクロール字幕の揺れや引っ掛かりは解消。バラエティ番組のスタッフロールの横スクロールや、カメラが急にパンした場合のボケ感などもなくなっており、大幅な進歩が確認できた。

 BDを見ても地デジと同様に、色がほんのりと濃厚で、S/Nが良く、見やすくなったような印象を受けた。

 いろいろなコンテンツを見てみたが、効果を強く実感できたのが、Z700Xの「アドバンスドHDR復元プロ」だ。Z20X/Z700Xの映像エンジン「4KレグザエンジンHDR PRO」の新機能で、HDRコンテンツだけでなく、通常のコンテンツ(SDR)をHDR復元するもの。地デジの放送やBDは、従来通りの色空間のBT.709(HDTV)コンテンツだが、こうしたコンテンツでも、カメラ撮影時に圧縮された高輝度信号を、輝度ヒストグラムから圧縮特性を高精度に推定して復元し、映像の立体感や奥行き感を向上するというもの。

 HDRコンテンツは、HDRで撮影されたあと、グレーディング(元のネガやカメラRAWから映像を取り出す作業)/編集する必要がある。一方、多くのコンテンツは、カメラの撮像センサーレベルではHDRに対応するものの、この後処理は従来のダイナミックレンジや色域で行なわれる。こうして従来方式で作られたコンテンツも、元映像、元風景のダイナミックレンジや色を予測し、復元するのが、アドバンスドHDR復元プロだ。

 実際に、HDR撮影後にSDRでグレーディングされた4K映像をZ700Xで再生しながら、アドバンスドHDR復元プロの[オート](色域オート)とプロ[オフ](色域標準)で比較してみたところ、色のダイナミックレンジと、輝度のダイナミックレンジの広がりによる、S/Nの向上がよくわかり、「これがHDR時代の地デジ画質向上か」と納得した。

アドバンスドHDR復元プロ[オート]、色域設定[オート]
アドバンスドHDR復元プロ[オフ]、色域設定[標準]

 映像を比べてみると、HDR復元をON(オート)にすると一見画面が明るくなったように感じるものの、実は画面全体の輝度は少し落ちており、画面全体のダイナミックレンジが上がったことで、明るくなったように感じられる。海の小さな波頭の白さと青さの違いがぐっと細やかになり、ディテール感も向上。視力が良くなったような感動がある。

 HDR対応はZ700Xの大きなセールスポイントなのだが、HDR対応に伴い、色空間や輝度性能、階調性能、動きなど、あらゆる基本性能を高めた結果、通常のコンテンツでも、HDR世代ならではの画質向上が体感できるはずだ。加えて視野角も広く、ある程度斜めから見ても画質への影響が少なく、安心して高画質を楽しめるのも重要だ。

UHD BDでHDR画質を体験

 Z700Xの最大の特徴といえるHDR映像を体験してみよう。Netflix等配信サービスでもHDR化が始まっているが、最高画質といえるのは、4K BDこと「Ultra HD Blu-ray(UHD BD)」だ。西川善司氏の記事に詳しいが、6月上旬からハリウッドの大作映画がUHD BDとして続々と発売開始されている。

 今回は、パナソニックのUltra HD Blu-ray再生対応レコーダ「DMR-UBZ1」と、海外版のUHD BDソフト「THE MARTIAN(オデッセイ)」、「SAN ANDREAS(カリフォルニア・ダウン)」を見た。

DMR-UBZ1で、UHD BDのオデッセイ(米国盤)を再生

 映像モードは「映画プロ」を選択。色温度も映画に適したものとなるほか、より細かな設定が可能。コンテンツモードは[4K-BD]を選択したが、UHD BDの場合[オート]でもほぼおなじ効果が得られるとのことだ。4K-BDは、Ultra HD BDをそのままの画質で再生するモードとのこと。加えて、[ピュアダイレクト]をオンにすると、ノイズリダクションなどの処理をほぼ完全に省略し、より階調豊かな4K BD映像表示が可能になるという。

 地デジ等では「おまかせ」での視聴を勧めていたが、室内の照明を落とした“全暗”状態であれば、[映画]モードなど、コンテンツにあわせた画質モードを選びたい。東芝によれば、従来は「おまかせ」で、全ての環境に対応できるようにしていたが、Z700Xではモードの考え方を見直し、「おまかせ」では、暗い環境下での輝度変化などを抑える傾向にしているとのことだ。アニメ系であれば、[アニメプロ]、放送やライブコンテンツについては[ライブプロ]も用意している。

「映画プロ」
コンテンツモードは[4K BD]

 オデッセイ(THE MARTIAN)のUHD BDを見てみると、一見して色情報が豊かで、かつ宇宙服のシールド部の照り返しや映り込みなどわかりやすく、「これがHDRか」と気付かされる。

UHD BDの4K/HDR信号を入力

 HDRというと“明るさ”が特徴と考える人も多いだろう。実際Z700Xも500nit以上の輝度を有しているが、一方で、暗いシーンでも大きな効果が実感できた。冒頭の砂嵐シーンでは、吹きすさぶ風の中に交じる灰黒い物体が、激しく叩きつけてくる。2K BDで見ると、暗闇と激しい嵐の恐怖は感じるのだが、音と闇による恐怖という印象。一方、UHD BDでは、暗さの中における黒や灰の細かな色の深みの違いにより、砂塵の中にデブリ?のような“何か”がより実感できる印象なのだ。また、暗闇の中に、通常BDでは感じられなかった奥行きが実感され、主人公のマーク・ワトニー(マット・デイモン)らが置かれた環境の辛さが際立ってくる。この見え方は意外だった。

 ロケットが飛び立つ際の炎の色の深さと輝き感、ロケットとその周囲のコントラスト差などHDR感を味わえるシーンは多いが、印象的なのは、宇宙服のカメラ(SUITCAM)視点で、視界にオーバーレイされるコンピュータ画面表示のコントラスト感。さらに、モニターや操作パネルなど、人工物の色の深みやコントラストの鮮やかさだ。

 UHD BDのパッケージには2K BDも付属するため、PS4で比較再生してみたが、より魅力的に感じたのはUHD BDだ。2K BDも映画らしいトーンで高画質なのだが、UHD BD/HDRでは、随所に驚きがある。宇宙服のヘルメットに備えたLEDの粒物のきらめきや、シートの毛羽立ちなどのこまかなディテールなどには差を感じたし、ビニールハウスのたわみや照り返し、砂やポテトの表面のテクスチャや艶感など、ハッとさせられるシーンが多く、見ていて楽しい。

 カリフォルニア・ダウンのUHD BD(SAN ANDREAS)を見てみると、トラックの車体の輝きや黒板の板書の線の描写、教室やビルの俯瞰の情報量や奥行き感など、2K BDとの違いは確かにあるものの、オデッセイほど明確な違いというわけではない。2K BDの後にUHD BD版を見ると、映画のトーンを維持しながら、色を含めたS/Nが良くなったという印象をうけた。

 タイトルにより、UHD BD/HDRの印象もことなっており、これから登場するUHD BDがどのように見えるのか、色々見てみたくなる。一度見た作品でも、UHD BDで見れば新たな発見がありそうだ。

Z20Xと比較。Z700Xの使いやすさ

 上位機の50Z20Xと、49Z700Xを見比べてみたところ、明るい環境下で映像を見る限りは、思いのほか差がない。Z20Xのピーク輝度の高さ、コントラスト感を感じられる一方で、Z700Xにはエメラルドブルーの海の色の良さ、S/Nの高さが感じられ、甲乙つけがたい。

 だが、部屋の明かりを落とし、UHD BD「エクソダス」を見てみると、無信号時の黒の締りはやはりZ20Xが圧倒的に優位で、暗部階調も優秀。暗がりの中でも黒の深さの違いと、それに伴う奥行き感、また、衣装の金属の煌めき感などを見ると、映像全体のダイナミックレンジ感でやはりZ20Xが上回っている。映画を映画館のような暗さ、最高の状態で見たいのであれば、Z20Xならではの魅力、実力があることは実感できる。

 ただし、同じエクソダスでも、部屋の明かりを上げてみると、それほど大きな差は感じられず、Z700Xでも、HDRらしいダイナミックレンジ感と自然な色合いが十分体感できる。また、明かりをつけた際に画面への映り込みが少ないのはZ700Xだ。

 加えて、視野角の広さではZ700Xが明らかに上回っている。リビングで大人数で見たり、リビング脇のキッチンで料理をしながら、テレビをながら見する、といった際はZ700Xの強みが生きてくるはずだ。

視野角はIPSパネル搭載のZ700X(左)が優位

新機能「まるごとチャンネル」が便利。dTV対応も

 6chの地デジを全録する「タイムシフトマシン」も搭載。4TB HDDの場合、約80時間の録画が行なえるのは、従来からのREGZA Zシリーズの特徴で、放送中の番組を“頭だし”できる「始めにジャンプ」、放送済みの過去番組表から見たい番組を選んで再生する「過去番組表」、リモコンのボタンを押すだけで画面下部に録画番組から“おすすめ”を表示する「ざんまいスマートアクセス」の3種類の録画番組操作が行なえる。

過去番組表
ざんまいスマートアクセス

 Z700Xで新たに追加された機能が、「まるごとチャンネル」。これは、放送や録画番組を見ながら、放送中の地デジ番組を最大6チャンネル同時に表示するもの。リモコンの[まるごとch]ボタンから呼び出しできる。

まるごとチャンネル

 これが予想外に便利で、特にザッピングにちょうどいい。主画面以外の6つの小画面は毎秒2枚の間欠表示となっており、放送がそのまま見られるわけではないのだが、それでも「今どんな番組が放送されているか」をちゃんと把握できる。番組表で番組情報から調べるよりはるかにわかりやすいし、タイムシフト録画番組であれば、まるごとチャンネル画面で番組を選んでから、[始めにジャンプ]ボタンを押せば、番組を冒頭から再生できるなど、タイムシフトマシン機能にうまく融合されている。

リモコンに[まるごとch]ボタン

 また、この機能は別途HDDを用意して、タイムシフトマシン録画を行なっていない場合でも、利用できるので、Z700Xユーザーであれば、だれでも恩恵に預かれる。かなり“使える”新機能だ。ただ、[まるごとチャンネル]からの[始めにジャンプ]が、とても使いやすいので、一度使ってしまうと離れがたい魅力がある。個人的には、あまり録画番組を見ない、という人でもタイムシフトマシン機能は使ったほうがよいと思う。

 もう一つの用途として考えられるのは「ゲーム」。フレームレートコンバーターや高画質化処理を省いて、入力信号をほぼそのまま表示するため、動画遅延は少なく、それでいて小画面ではテレビ放送も見られるので、ゲームの“ながらプレイ”でも応用できるという。

まるごとチャンネルでゲームプレイしながら、放送中の番組をザッピング

 パックを選んでお好みの番組を自動録画できる「みるコレ」にも対応。映像配信サービス対応も強化し、NetflixやひかりTVだけでなく、新たにdTVにも対応。dTVの4K映像配信も視聴可能となっている。

Netflix
dTVにも対応

 みるコレを含む、レグザクラウドサービス「TimeOn」の動作も高速化されており、Netflixの起動も高速。配信サービスを含めて、4K/HDR対応はかなり洗練されてきた。できれば、4Kコンテンツが増えてきたAmazonプライム・ビデオ対応も行なってほしいところだ。

「みるコレ」も素早く起動し使いやすい

HDR時代の4K高画質は地デジもUHD BDも

 HDR時代に入り、新たな画質進化を遂げたREGZA Z700X。これから発売が本格化するUltra HD Blu-rayや、Netflix等の映像配信のHDR体験も楽しみだが、それにもまして、地デジなどの画質向上が目覚ましい。動きへの対応強化は、Z10Xユーザーとして羨ましい限りだし、レスポンスの良さも特筆に値する。

 49Z700Xはフル機能の上位シリーズとしては安価な23万円程度。ポイント還元等を考えれば、20万円そこそこで、他社も含めて価格競争の厳しいレンジではあるが、フル機能の4K/HDRテレビとして、要注目の製品なのは間違いない。

 悩ましいのは、同じ東芝REGZAの上位機「50Z20X」が実売26万円前後と、3万円プラスすると購入できてしまうこと。映画を中心に、じっくりと楽しみたい人には、Z20Xこそが強力なライバルになりそうだ。もちろん、Z700Xは、より小さく安価な43型も用意されているなどのすみ分けは行なわれているし、IPSパネルというリビング向けの特徴もあるが、もう一つ、Z700Xならではのポイントとして、タイムシフトマシンと「まるごとチャンネル」の使いやすさを是非試してほしいと感じる。

 妥協のないリビング画質と、Zシリーズの特徴を活かしたタイムシフト、ネットワークの進化など、4K REGZAの新定番モデルとして、隙のない新シリーズの登場だ。

Amazonで購入
49Z700X

(協力:東芝ライフスタイル)

臼田勤哉