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「ながら見」がはかどるPCチューナ復活。シンプルは正義、アイ・オー「GV-MVP/AZ」
- 提供:
- 株式会社アイ・オー・データ機器
2018年6月29日 08:00
かつてパソコン用の「テレビチューナ」は、パソコンユーザーの中では一般的に使われていた。しかし、レコーダやネットワーク対応のテレビチューナなどが増えてきたからか、この数年は新製品を見かけることが少なくなっていた。
だが、最近パソコン用の製品にも新製品が登場しはじめ、改めて人気を集めているようだ。今回紹介する「GV-MVP/AZ」も、アイ・オー・データ機器がUSB接続の本格的テレビチューナとして5年7カ月ぶりに発売する製品だ。価格は14,300円でWindows 10専用のチューナとなっている。
チューナに特化した小型でシンプルな本体
本体サイズは約100×75×26mm(幅×奥行き×高さ)と、成人男性の片手に乗る程度の小型サイズで、重量も約86gと100gを切る軽さ。インターフェイスはアンテナ端子と、PCと接続するためのMicro USB端子、miniB-CASスロットと必要最低限のみ。非常にシンプルで割り切った仕様になっている。電源はUSBバスパワーのため、別途ACアダプタを用意する必要はない。
GV-MVP/AZの利用のためには、視聴/録画時もPCが起動している必要がある。録画した番組はPC本体のほか外付けHDDも選択可能。テレビ番組の録画容量は大きいため、PCの容量を空けておきたいユーザーは、USB HDDなどの外付けドライブを併用するといいだろう。
対応OSはWindows 10で、Windows 8.1/7やMac OSは非対応。ネットワーク機能は持たず、PCでの利用が大前提となるため、PCとのUSB接続とテレビアンテナとの物理的な接続が必要だ。導入の前には自宅のテレビアンテナの場所と、どこにPCを設置して利用するかをあらかじめ検討しておくことをお勧めする。
セットアップはPCにGV-MVP/AZを接続し、アイ・オー・データのホームページから「mAgicTV 10」をダウンロードし、手順に従ってインストールするだけ。画面の指示に従うだけで手順自体はシンプルだが、チャンネルスキャンは5~10分程度の時間がかかり、さらに番組情報の更新は130分近く必要になるとのアラートが表示される。Core i 7搭載のノートPCでインストールしたところ、実際には1時間強で番組表の作成が完了したが、セットアップ時間のトータルは1時間近く見込んでおいたほうがいいだろう。
スリープや省電力モードでも録画できるよう事前に設定
mAgicTV 10のインストールや番組作成が完了すればすぐにGV-MVP/AZを利用できるが、本格的に使う前に設定しておきたいのがWindows 10のスリープ周りの設定だ。PCから離れているときや就寝中などでも録画を実行するためには、PCがスリープや省電力モードからでも復帰できるよう設定しておく必要がある。
設定の詳細はmAgicTV 10のヘルプで説明されているが、スクリーンセーバーや省電力モードからの復帰時にパスワードを要求する設定をオフにした上で、スリープ解除タイマーを許可、ハイブリッドスリープをオフにしておくと、PCがスリープ状態でも録画可能になる。
なお、上記はスリープ時設定のため、電源オフの状態や、パスワード入力が必要なロック状態では動作しない。mAgicTV 10で録画するときはPCの電源をオフにしないよう注意しよう。
見たい番組を選ぶだけのシンプル操作。録画予約の設定はモードをチェック
mAgicTV 10をインストールすると、PCには「mAgicTV」「mAgicTVマネージャ」「mAgicTVガイド」「mAgicTVメニュー」という4つのアプリケーションが利用できるようになる。
mAgicTVは番組を視聴するためのプレーヤー、mAgicTVマネージャは録画や再生を行なう常駐アプリ、mAgicTVガイドは番組表や録画済み番組などを確認・操作できるアプリ、mAgicTVメニューは番組視聴や録画予約といった機能を直接起動できるランチャーだ。
mAgicTVの番組表での操作は基本的にダブルクリックで行なう。該当の番組が現在放送中であればmAgicTVが起動して番組が視聴でき、放送が先の番組であれば番組予約の画面が表示される。mAgicTVガイドの番組表には現在の時間が赤い線で表示されるため、今どの番組が放送されているかの目印になる。放送中の番組を見たい場合は、mAgicTVメニューから「視聴」を選ぶのもお手軽だ。
録画予約も基本的には番組を選ぶだけだが、チェックしておきたいのは録画モードとプロテクト。録画モードは初期設定で最も画質が高いDRに設定されているが、画質が高い分容量も大きくなるため、必要に応じて変更することをお勧めする。また、プロテクトは標準で「自動削除しない」になっている。通常はこの設定で問題ないだろう。
画質と容量についてはWebサイトにモードごとの画質や容量の目安が掲載されているため、録画に設定するディスク容量との兼ね合いを見ながら設定するといい。いつも使う画質が決まっている場合は、メニューの「設定」からmAgicTVマネージャを起動し、「録画」タブからいつも使う録画モードを設定できる。mAgicTVマネージャでは、PCのディスク容量のうちどれくらいを録画に使うかも設定可能。容量が大きければ番組をたくさん録画できるが、そのぶん他のソフト用のディスク容量も必要となるため、必要に応じて設定しよう。
おまかせ録画や連続録画といった録画機能を搭載。番組のお勧めも
録画は番組表から選択するだけでなく、さまざまな条件を指定できる「おまかせ録画」機能も用意されている。番組のキーワードや出演者情報に合致した番組だけを録画するのはもちろん、特定の放送局のみを録画し続けるという設定も可能だ。前述のプロテクトを外しておけば、指定した容量に達した場合に古い番組を上書きしてくれるので、常に最新の番組を録り続けることもできる。
GV-MVP/AZは1台で1番組しか録画できないが、最大で8台のGV-MVP/AZを1台のPCで管理し、8番組を同時録画することも可能。アイ・オーによれば、録画モードを15倍で録画した場合、1TBの容量に8番組を1週間録画できるとしている。後からGV-MVP/AZを追加することもできるため、まずは1台で運用し、録画中に裏番組を視聴したい、同時間帯の2つの番組を録画したいとなったら後から追加する、という使い方も可能だ。
さらにGV-MVP/AZだけでなく、過去に発売されていた「GV-MVP/Xシリーズ」もmAgicTV 10は対応している。GV-MVP/AZとGV-MVP/Xシリーズを組み合わせて使えば、1つのアプリ上で複数チャンネルの同時録画や裏番組録画も可能になる。もちろん、過去に録りためた番組もGV-MVP/AZで引き続き視聴可能だ。
おまかせ録画以外にも、各放送局のお勧め番組を紹介してくれる「特集番組モード」、ワールドカップや見逃せないドラマといったテーマごとに注目の番組を紹介する「注目番組モード」も用意されている。
毎クールごとのドラマを録画しておきたいといったように録画したいジャンルが決まっている場合、番組表よりもこうした特集番組、注目番組を使うと手軽に番組をチェックできる。特にドラマ改変期などにはかなり役立つ機能になりそうだ。
シンプルで操作しやすいプレーヤー。15倍でも画質は十分
放送中番組や録画済み番組の視聴時には、mAgicTVがプレーヤーとして起動する。プレーヤーは非常にシンプルなインターフェイスで、右側にはチャンネルの切り替えやボリューム調整、地上デジタル/BS/CS切り替え、mAgicTVガイドや設定の呼び出しが配され、画面下部には録画や停止・一時停止、字幕や音声、データ放送の切り替えなどが配されている。
録画番組は15秒送り/戻しや最大16倍の早送り/戻しといったトリックプレイも搭載。1.5倍再生は音声も聞き取りやすいスピードのため、内容をさっと確認したいという番組に便利だ。視聴中にチャプターを追加する機能も用意されており、あとでまた見たいシーンやCMなどを手動でチャプター分割できる。
画面サイズはドラッグ操作で自由に大きさを変えられるほか、右クリックから3種類のサイズに変更することも可能。ダブルクリックでフルスクリーン表示となる。番組をしっかり楽しみたいときは大きめの画面にしておき、PC作業をしながらのながら見では画面を小さくして画面の隅に置いておくといった使い分けが可能だ。
また、プレーヤーのメニューは画面右上の「パネル表示固定」アイコンから、マウスオーバーしたときだけ表示するよう切り替えられるので、小さいウィンドウサイズでも十分な画面サイズを維持できる。
筆者もよくPCで作業をしながらの「ながら見」でのテレビ視聴が多いのだが、PCと違うテレビの画面で番組が流れているとついついその存在を忘れてしまい、ドラマなどの話が途中でわからなくなって早戻しする、という経験が多々ある。その点、同じディスプレイでテレビ番組が表示されるとながら見ながらも番組の存在感が強く、番組の内容を把握しやすい。充実したながら見のためには、同じディスプレイで表示されているほうが効率がいいと改めて感じた。
録画画質は前述の通り最高画質のDRを含めて15種類から選択できるが、15倍のHR15でも画質は十分。1,920×1,080ピクセル、13インチのノートPCディスプレイで視聴してみたが、フルスクリーンでは動きが多いシーンで細かなブロックノイズがやや気になるものの、標準サイズの画面であればほとんど気がつかない。テロップなどもほとんど崩れず読めるため、PCでの番組視聴としては十分だ。
筆者宅では普段nasneの3倍モードで録画した番組をテレビで見ているが、HR15倍ならnasneの3倍モードとほぼ遜色ないレベルに感じた。なお、録画ファイルの容量がさらに小さいSR24はさすがにノイズが増えて画質の悪さを感じる。ファイル容量と画質のバランスではHR15がちょうどいい設定と感じた。
GV-MVP/AZで録画した番組はCPRM対応のDVD/BDドライブおよびメディアがあれば、DVD/BDへの書き出しも可能だ。mAgicTVメニューの「ダビング」か、mAgicTVガイドの録画済み番組を右クリックして「エクスポート」からDVD/BDへの書き出しを選択できる。アイ・オー・データのホームページからダウンロード可能な「Direct DiscRecorder」をインストールすると、番組の編集も可能。好きなシーンのみを取り出して保存することも可能なほか、CMを自動で検出する機能も備えており、CMをカットして本編だけ保存したい場合にも便利だ。
「ながら見」がはかどるPC向けチューナ。シンプル操作も魅力
GV-MVP/AZを一通り使って感じたのが、録画に必要な機能はしっかり備えながらも、シンプルであることに特化したテレビチューナということだ。スマートフォン対応や裏番組録画といった機能は搭載していないが、番組表からの録画や繰り返し録画、細かな画質設定など「パソコンでテレビを見る/録画する」という基本機能に注力。操作も非常にシンプルで、基本設定さえ終わってしまえばクリックのみでほとんどの操作を完結できる。
筆者のようなテレビのながら見派にとっては、スマートフォンでは画面が小さすぎるし、テレビは画面こそ大きいがPCで作業しているとついついテレビの存在を忘れてしまう。その点、PCで作業しながら同じ画面でテレビが見られる環境は、ながら見としては最適な環境と感じた。もちろん、ながら見ではなく番組に集中したければダブルクリックで簡単にフルスクリーン表示することもできる。
普段からPC利用が多いユーザーにとって、1万円台の価格でテレビ機能を後付けできるという点では魅力的なチューナだ。台数を増やせばあとから複数番組が録画できるというのも嬉しい。シンプルに「パソコンでテレビが見たい」というニーズを満たす製品としては有力な選択肢だろう。
GV-MVP/AZ |
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