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TVにつなぐDVDドライブ、「家にプレーヤーが無い」を解決! アイ・オー「DVRP-U8ATV」が便利

Android TVで使えるアイ・オー・データ機器のDVDドライブ「DVRP-U8ATV」

あなたの家で、DVDやCDは再生できますか?

自宅で過ごす時間が増えた事もあり、テレビ内蔵アプリやFire TVなどの端末を使い、Netflixなどの映像配信サービスで映画やドラマ、アニメを見まくっているという人も多いだろう。一昔前なら“Blu-rayレコーダーで録りためた番組を消化”が多かったが、ネット動画をリビングで楽しむライフスタイルの拡大により、“そもそもBD/DVDレコーダーが家に無い”、“見たい番組があったらTVに接続したUSB HDDに録画するだけ”という人も多いはずだ。

一方で、こんな問題に直面した事はないだろうか? 「新作映画・ドラマがすぐに観たいのに、サブスクでは配信されていない。近所のレンタルDVDショップに行こうとしたが、よく考えたら家にDVD/BDを再生できる機器が無い」、「ファンになったアイドルやアニメの特典映像が観たくて、思わずDVD-BOXを買ったが再生機器が無い」、「友人から“このドラマ面白いよ”とDVDを借りたけど再生機器が(以下略)」。

BD/DVDレコーダー以前に、よく考えたらCDプレーヤーもCDコンポも無く、ノートパソコンにも光学ドライブが無い。家で音楽CDすら再生できなくなっていた……という人も多いはずだ。

サブスクなどのネット配信が流行っている現在だが、かといって光ディスクメディアが無くなったわけではないし、光ディスクメディアでしか楽しめないコンテンツも山ほどある。まさに“過渡期”であるため、「光ディスクが再生できない」不便さに直面するケースは結構ある。

じゃあ、何万円も払ってBD/DVDレコーダーやCDプレーヤーを買うか? となると、抵抗を感じる人も多いだろう。値段もそうだが、巨大なレコーダー/プレーヤーを置くのが邪魔だと感じる人もいるはずだ。

そんな問題をスマートに解決する、“一家に一台あると便利”な新製品が登場した。アイ・オー・データ機器の「DVRP-U8ATV」というポータブルDVDドライブだ。写真を見て「なんだ、PC用外付けDVDドライブか」と思った人はちょっと待って欲しい。実はこれ、PCだけでなく“テレビに接続できる外付けDVDドライブ”なのだ。

「DVRP-U8ATV」

Android TVでも使えるDVDドライブ

ここ数年、薄型テレビの高機能化が進み、OSにAndroid TVを採用している製品が増加しているのは、AV Watch読者ならばご存知だろう。Android TVではスマホのように、アプリを追加して機能が拡張できる。それを活用し、DVDやCD再生アプリをテレビにインストールし、テレビにUSBで接続してDVDや音楽CDが再生できてしまうドライブ……それが「DVRP-U8ATV」の特徴だ。

「DVRP-U8ATV」

据え置きのレコーダーやCDプレーヤーと比較して、優れている点は大きく3つある。1つは実売が6,980円前後(価格はオープンプライス)と、据え置き機と比べると非常に“リーズナブル”という点。

そして2点目が、“薄くてコンパクトで邪魔にならない”事だ。ポータブルDVDドライブなので、普段は仕舞っておいて、必要な時にだけ接続するといった使い方ができる。テレビまわりにあまりモノを置きたくない、シンプルな状態にしておきたい人に、巨大なレコーダー/プレーヤーを置かなくて済むというのは、魅力と言えるだろう。

DVRP-U8ATVが使える対応テレビは、かなり増えてきている。シャープは最近のモデルでAndroid TVを採用しはじめており、BW1、BN1、BL1、BJ1、AX1、AW1、AN1、AL1、AM1、AU1、AJ1、UH5、US5ラインで利用できる。

シャープのAQUOS 8K BW1ライン
AQUOS 4K「BN1」のホーム画面。Android TVを採用している

ソニーは以前からAndroid TVを採用してるため対応機種も多い。A9G、A8G、X9500G、X8550G、X8500G、X8000G、A9F、A8F、Z9F、X9000F、X8500F、X7500F、A1、X9500E、X9000E、X8500E、X8000E、Z9D、X9350D、X9300D、X8500D、X8300D、X7000D、X9400C、X9300C、X9000C、X8500C、X8000C、W870Cシリーズが動作確認済みモデルだ。

さらに、TCLのX10、C8、P8、T8S、S515シリーズや、FUNAIの7030、6030、5030、3330シリーズにも対応。面白い製品としては、Ankerのポータブルプロジェクター「Nebula Capsule II」でも使用できる。このプロジェクターは、内蔵アプリで映像配信を再生し、それを壁に投写する製品だが、DVRP-U8ATVを繋げばDVDの映画も投写できるというわけだ。

FUNAIのAndroid TV採用の4K有機ELテレビ「7030シリーズ」
AnkerのNebula Capsule II

DVRP-U8ATVの優れた点の3つ目は、テレビ接続専用のドライブではなく、PCにも接続できる事。Windows10/8.1、macOS 10.12~10.15、Mac OS X10.7.5~10.11に対応し、“普通のポータブルDVDドライブ”として使え、光ディスクへのデータの書き込みにも対応する。要するに、“テレビと繋いでいない時はパソコン用ドライブとして使える”という、活用シーンの多い製品という事だ。

実際にDVDを再生してみる

組み合わせるテレビとして今回は、ソニーの43型4K液晶テレビ「KJ-43X8000G」を使用した。ドライブのセットアップは、スマホを使っている人なら簡単だ。Android TVにプリインストールされている「Google Playストア」で「DVDミレル」というアプリをインストール。テレビのUSB端子にドライブを接続するだけだ。途中でテレビでのドライブ使用を許可するかなど聞かれる部分もあるが、特に難しい部分はない。

今回はソニーの43型 4K液晶テレビ「KJ-43X8000G」を使用した。画面の右下にあるのが「DVDミレル」アプリ

付属USBケーブルの長さは1mあり、ドライブ本体も外形寸法が約144×137×14mm(幅×奥行き×高さ)、重量約200gと薄型・軽量であるため、テレビのまわりに設置しやすい。最近の薄型テレビはスタンドが低めだが、ドライブは薄さ14mmしかないので、テレビ画面とラック天面の間にも設置しやすい。また、USBバスパワーで動作するため、スッキリと設置できるのが良い。

テレビのUSB端子に接続
薄いので、スタンドの低いテレビの下にも難なく設置できる

「DVDミレル」を起動したら、ドライブにDVDを入れて再生するだけだ。操作はテレビのリモコンで可能。十字ボタンの中央にある決定ボタンを押すと、画面上に操作メニューが現れる。画面に表示されるボタンは再生/一時停止、チャプター送り/戻し、早送り/早戻しといったおなじみのもの。DVDのメニューに移動するボタンや、マルチアングル、音声切り替えボタンなどもある。テレビリモコンの十字キーを使って、それら画面上のボタンを押すだけだ。

「DVDミレル」を起動
DVDの映画を挿入
テレビ画面に表示される操作メニュー
操作はテレビのリモコンから可能だ

これが専用のDVDプレーヤーや、BDレコーダーだった場合、それらの機器に付属するリモコンで操作するのが一般的だろう。しかし、AV機器に詳しくない人は、テレビと違うリモコンを使うという時点で「難しそう」「どのボタンを押したらいいかわからない」となってしまう。

DVRP-U8ATVの場合は、テレビのリモコンで、テレビの画面を見ながら操作が完結するので、「難しそう」と感じにくいだろう。これならば、「DVDを借りてきたけど、お父さんがいないと再生できない」なんて事は起こらないはずだ。

マルチアングルや音声トラックの切り替えも可能だ

ちなみにDVRP-U8ATVはCPRMに対応していないため、地上デジタル放送など著作権保護されたTV番組を録画したDVDは再生できない。だが、そもそもDVD/BDレコーダーを持っている人は、そのレコーダーでDVDを再生できるので、あまりDVRP-U8ATVには関係のない話だろう。

テレビ画面で歌詞を見ながら音楽CDを楽しむという新鮮さ

音楽CDを再生する時は「CDレコ」アプリをインストールする。方法は前述の「DVDミレル」と同じだ。テレビのリモコンで再生操作ができるのもDVDミレルと同様だ。

実際に音楽CDを入れて再生してみると、インターネットを経由してGracenoteからアルバムジャケットや楽曲情報、そして歌詞データが存在する曲では、歌詞もテレビ画面に表示してくれる。対応する楽曲では、カラオケのように歌の進行に合わせて歌詞に色も表示されるので、歌の練習にも活用できるだろう。

音楽CDを聴いてみよう
アプリは「CDレコ」を使用する
インターネットを経由してGracenoteからアルバムジャケットや楽曲情報、歌詞データを取得し、表示してくれる
対応した楽曲では、歌詞表示するだけでなく、歌の進行に合わせて歌詞に色も表示される

それにしても、テレビの大画面でジャケットを見ながら、優雅に音楽を楽しむというのは実際やってみると新鮮で良い。どうしても“テレビは映像を見るもの”という思い込みがあるが、おもしろい番組がやっていない時に、無理に映像を見ている必要はない。そんな時は、お気に入りのCDを再生。画面に表示されるジャケットを見ていると、まるでアナログレコードの大きなジャケットを眺めながら音楽を聴いているような気分になってくる。

サブスク音楽配信サービスも便利なのだが、どうしてもスマホでの再生がメインになるので、移動中にイヤフォンで聴いたり、部屋にある小さなBluetoothスピーカーでBGM的に再生したりと、どうしても“ながら聴き”になってしまう。

対して、テレビ画面を見ながら音楽CDを再生すると、ちゃんとそのアルバムに向き合って聴き込むような、ピュアオーディオ趣味のような感覚にもなる。これは新しい発見だ。

昔の薄型テレビは、内蔵スピーカーが貧弱だったが、最近は各社改良が進み、驚くほど音が良くなっている。そのスピーカーを有効活用するという面でも、面白い製品だ。また、テレビにアナログや光デジタルケーブルで繋いで使えるスピーカーを用意して、音楽CD再生機としてテレビを本格的に活用するというのもアリだろう。

音楽CDを再生していると、つい音質にもこだわりたくなってきて楽しい

なお、USBメモリーをテレビに接続すれば、そのストレージ内にCDをAACで取り込み、再生することも可能だ。頻繁に聴く曲がある場合は、CDを使わずにリッピングしたファイルを再生するのも良いだろう。

一家に一台あると便利

前述のように、パソコンの外付けDVDドライブとしても使用できる。Windows PC用のデータライティングソフト「B’s Recorder 16」が付いており、MacではOS標準機能でDVD/CD再生やデータの保存が可能だ。書き込み速度はDVD±Rが8倍速、DVD-RWが6倍速、DVD-RAMが5倍速、DVD±R DLが6倍速となっている。

最近は仕事で大容量のデータをやりとりする場合も、USBメモリやクラウド経由が多くなってきたが、例えば、昔バックアップしたデータが入っているDVD-Rを読み込みたいとか、デジカメで撮影した写真をDVD-Rに書き込んでPCのストレージを開放したいというシーンもまだまだあるだろう。

今後、映像配信サービスはさらに充実。テレビの見逃し配信も活発化すると、レコーダーの出番は減っていくだろう。しかし、光ディスクを再生したいという場面は完全には無くならない。そんな時に、場所をとらず、必要な時にだけ接続して使えるシンプルなDVDドライブというのは役に立つ。さらに、PCを使わず、テレビだけでDVDやCDが再生できるというのは、PCレスな家庭も増加している現在において、助かる人は多いだろう。

今現在Android TV採用のテレビを持っていないという人でも、PCでDVDを再生したいとか、バックアップ用にDVDドライブが欲しいというのであれば、DVRP-U8ATVを検討すべきだ。薄型テレビにおいて、Android TVの採用は今後も加速するため、いずれテレビを買い替えた時に、DVRP-U8ATVがさらに活躍の場を広げるという展開になるからだ。

これが数万円というと、ちょっと考えてしまうかもしれないが、実売は6,980円前後と、それほど高価ではないところも良い。ありそうでなかった、絶妙なポイントを突いた製品だ。